税理士が知っておきたい
[認知症]と相続問題
〔Q&A編〕
【第9回】
「死後に遺言書の無効が争われるケース(その1)」
クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎
[設問09]
最近では、人生の終わりをより良きものとし、亡くなった後の遺産相続等も円滑に進めるための準備を早くからしていこうという趣旨で、『終活』というキーワードを目にする機会が増えている。
この「終活」の一環として、家族に向けたお別れのメッセージを手紙やビデオ等で残したり、所有する財産について遺言書を作成すること等が多く行われている。
しかし、遺言書を作成しておきさえすれば、死後の紛争を完全に防ぐことが可能なのだろうか。以下のケースをもとにして考えてみよう。
◆ ◆ ◆
【ケースA】
父(被相続人)の死後に自筆証書遺言が発見された。法律が要求する記載要件はすべて整っている。
ところが、法定相続人の一部から、
◆ ◆ ◆
【ケースB】
ケースAで、そもそも遺言書の筆跡そのものが父のものではないと主張された場合はどうなるか。
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