税理士が知っておきたい
[認知症]と相続問題
〔Q&A編〕
【第18回】
「会社代表者が契約締結時に認知症であったとして
契約の無効を訴えられた場合」
クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎
[設問15]
私は、【設問05】でも相談させていただいた者(高齢社長の息子)です。
そのとき相談した同業他社の買収の件ですが、その後、契約交渉は順調に進み、最終的に当社が相手先企業の全株式を1億円で購入することで合意し、株式譲渡契約を締結しました。
しかし、当社からの代金支払期限の直前になって、相手先の社長が
そのような代表取締役が署名捺印した契約は無効であるから、この契約は白紙にしたい。
◆ ◆ ◆
相手先は、表向きは判断能力のことを理由にしていますが、本当の背景は、ここ数年は建設業界の景気が良く、相手先企業の業績も予想以上に高水準となる見込みであることから、1億円で会社を譲渡することが惜しくなったのではないかと推測されます。
私たちとしては、一度契約を締結した以上、約束通り契約を履行して欲しいと思いますが、今後どのように対応すればよいでしょうか。
また、立場を変えて、契約の相手先企業の代表者が高齢であるケースでは、どのような点に注意すればよろしいでしょうか。
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