公開日: 2017/09/21 (掲載号:No.236)
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税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題〔Q&A編〕 【第18回】「会社代表者が契約締結時に認知症であったとして契約の無効を訴えられた場合」

筆者: 栗田 祐太郎

税理士が知っておきたい
[認知症]相続問題

〔Q&A編〕
【第18回】

「会社代表者が契約締結時に認知症であったとして

契約の無効を訴えられた場合」

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

[設問15]

私は、【設問05】でも相談させていただいた者(高齢社長の息子)です。

そのとき相談した同業他社の買収の件ですが、その後、契約交渉は順調に進み、最終的に当社が相手先企業の全株式を1億円で購入することで合意し、株式譲渡契約を締結しました。

しかし、当社からの代金支払期限の直前になって、相手先の社長が

契約後に念のため調査してみたところ、あなたの会社の社長さんは、高齢のため数年前から法律上の判断能力を有していないことがわかった。
そのような代表取締役が署名捺印した契約は無効であるから、この契約は白紙にしたい。
と言い出したのです。

◆  ◆  ◆

相手先は、表向きは判断能力のことを理由にしていますが、本当の背景は、ここ数年は建設業界の景気が良く、相手先企業の業績も予想以上に高水準となる見込みであることから、1億円で会社を譲渡することが惜しくなったのではないかと推測されます。

私たちとしては、一度契約を締結した以上、約束通り契約を履行して欲しいと思いますが、今後どのように対応すればよいでしょうか。

また、立場を変えて、契約の相手先企業の代表者が高齢であるケースでは、どのような点に注意すればよろしいでしょうか。

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税理士が知っておきたい
[認知症]相続問題

〔Q&A編〕
【第18回】

「会社代表者が契約締結時に認知症であったとして

契約の無効を訴えられた場合」

 

クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎

 

[設問15]

私は、【設問05】でも相談させていただいた者(高齢社長の息子)です。

そのとき相談した同業他社の買収の件ですが、その後、契約交渉は順調に進み、最終的に当社が相手先企業の全株式を1億円で購入することで合意し、株式譲渡契約を締結しました。

しかし、当社からの代金支払期限の直前になって、相手先の社長が

契約後に念のため調査してみたところ、あなたの会社の社長さんは、高齢のため数年前から法律上の判断能力を有していないことがわかった。
そのような代表取締役が署名捺印した契約は無効であるから、この契約は白紙にしたい。

と言い出したのです。

◆  ◆  ◆

相手先は、表向きは判断能力のことを理由にしていますが、本当の背景は、ここ数年は建設業界の景気が良く、相手先企業の業績も予想以上に高水準となる見込みであることから、1億円で会社を譲渡することが惜しくなったのではないかと推測されます。

私たちとしては、一度契約を締結した以上、約束通り契約を履行して欲しいと思いますが、今後どのように対応すればよいでしょうか。

また、立場を変えて、契約の相手先企業の代表者が高齢であるケースでは、どのような点に注意すればよろしいでしょうか。

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連載目次

税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題

連載が単行本になりました!!
くわしくは[こちら

〔解説編〕

〔Q&A編〕

筆者紹介

栗田 祐太郎

(くりた・ゆうたろう)

弁護士
クレド法律事務所 パートナー弁護士(東京弁護士会所属)

複雑に利害が対立する相続・労働・契約紛争につき、これまで数多く取り扱う。示談交渉のほか、調停・審判・民事訴訟等の各種法的手段を効果的に利用しながら依頼者の納得いく解決を目指す姿勢に、感謝の声が寄せられることも多い。(元 駒澤大学法科大学院 非常勤講師(家事紛争法実務)〔在職期間:2013年9月~2019年8月〕)

【主な著書】
税理士が知っておきたい「認知症」と相続・財産管理の実務』(清文社)
平成25年9月改訂 Q&A遺産分割の実務』(共著、清文社)等

 

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