〔税理士・会計士が知っておくべき〕
情報システムと情報セキュリティ
【第12回】
(最終回)
「情報システムと不正発見」
公認会計士 神崎 時男
◎公認会計士業界の状況
情報システムの内部には、大量のデータが保存されていることは言うまでもない。
昨今「ビッグデータ」という言葉も登場しているが、こういった大量のデータは、販売促進を行うためのデータ分析に利用することが多い。
しかしながら、大量のデータは不正な取引を実施したときに現れるデータの異常性の検出に利用することも可能である。公認会計士業界の周辺においても、CAATを利用することによって、そういった対応が始まっている。
◎CAAT
CAATとは、“Computer Assisted Auditing Techniques”の略で、「コンピュータ利用監査技法」と訳される。
一般的な方法としては、監査人が基幹システム等から監査対象期間のデータを入手し、様々な観点からデータを検証する。勘定残高の合計チェック、利息や償却費の再計算、不正仕訳データの抽出など、対象となる企業やデータの特性に応じて必要な検証を行っている。
紙ベースの台帳や元帳からサンプルベースで検証するのに比べ、全件を検証対象とすることに大きな特徴がある。
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