公開日: 2013/07/25 (掲載号:No.29)
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林總の管理会計[超]入門講座 【第7回】「費目別計算はなぜ大切か?」

筆者: 林 總

林總の

管理会計[超]入門講座

【第7回】

「費目別計算はなぜ大切か?」

 

公認会計士 林 總

 

 前回は総合原価計算がなぜ問題なのかについて触れた。この点を深掘りするまえに、原価計算の手順について説明しよう。

原価計算は、「費目別計算」、「部門別計算」、「製品別計算」という3つのステップから構成される。ちなみに、前回話した総合原価計算は製品別計算のひとつだ。

原価計算基準では「実際原価の計算においては、製造原価は、原則として、その実際発生額を、まず費目別に計算し、次いで原価部門別に計算し、最後に製品別に集計する。販売費および一般管理費は、原則として、一定期間における実際発生額を、費目別に計算する」と書かれている。

このことから分かるように、費目別計算は製造原価だけでなく、販売費及び一般管理費も対象に含まれるんだ。

 1つ気になっていることがあるんですが、費用と原価別は同じですか。

 いい質問だね。経済価値(モノや時間)を消費することで費用が発生する。費用を分類するために費目を使う。費用のうち、製品やサービスに関わらせて把握されたものが原価だ。だから、販売費や一般管理費は製品に集計しないから、費用であって原価ではない。

 分かりました。
ところで費目別計算って大切なんですか。

 原価計算のステップで最も重要といっていい。費目別計算は「財務会計における費用計算であると同時に、原価計算における第一次の計算段階」だからね。

つまり、財務会計と原価計算の費目と金額は共通なんだ。原価計算では、費目別に分類した原価を、部門別、製品別に計算する。財務会計では、費目別原価は製造原価報告書に製造費用として計上する。費目は原則として発生形態別に分類する。

 発生形態って・・・

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 前回は総合原価計算がなぜ問題なのかについて触れた。この点を深掘りするまえに、原価計算の手順について説明しよう。

原価計算は、「費目別計算」、「部門別計算」、「製品別計算」という3つのステップから構成される。ちなみに、前回話した総合原価計算は製品別計算のひとつだ。

原価計算基準では「実際原価の計算においては、製造原価は、原則として、その実際発生額を、まず費目別に計算し、次いで原価部門別に計算し、最後に製品別に集計する。販売費および一般管理費は、原則として、一定期間における実際発生額を、費目別に計算する」と書かれている。

このことから分かるように、費目別計算は製造原価だけでなく、販売費及び一般管理費も対象に含まれるんだ。

 1つ気になっていることがあるんですが、費用と原価別は同じですか。

 いい質問だね。経済価値(モノや時間)を消費することで費用が発生する。費用を分類するために費目を使う。費用のうち、製品やサービスに関わらせて把握されたものが原価だ。だから、販売費や一般管理費は製品に集計しないから、費用であって原価ではない。

 分かりました。
ところで費目別計算って大切なんですか。

 原価計算のステップで最も重要といっていい。費目別計算は「財務会計における費用計算であると同時に、原価計算における第一次の計算段階」だからね。

つまり、財務会計と原価計算の費目と金額は共通なんだ。原価計算では、費目別に分類した原価を、部門別、製品別に計算する。財務会計では、費目別原価は製造原価報告書に製造費用として計上する。費目は原則として発生形態別に分類する。

 発生形態って・・・

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連載目次

筆者紹介

林 總

(はやし・あつむ)

公認会計士
経営コンサルタント

1974年、中央大学商学部会計科卒業。外資系会計事務所、監査法人勤務を経て独立。経営コンサルティング、大学教員、執筆、講演活動などを行っている。

主な著書は『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』、『50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?』、『[新版]わかる!管理会計』(以上、ダイヤモンド社)、『ドラッカーと会計の話をしよう』(中経出版)、『貯まる生活』(文藝春秋)『崖っぷち女子大生あおい、チョコレート会社で会計を学ぶ。』(清文社)ほか多数。

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