土地評価をめぐるグレーゾーン
《10大論点》
【第7回】
「私道の評価」
税理士法人チェスター
税理士 風岡 範哉
◆ 取扱い ◆
私道には、公共の用に供するもの、つまり、不特定多数の者の通行の用に供されている道路と、袋小路のようにもっぱら特定の者の通行の用に供されている道路とがある。
[1] 不特定多数の者の通行の用に供されている私道
不特定多数の者の通行の用に供されている私道(例えば通り抜け道路)は評価しないこととされている。
これは、公道と同様に不特定多数の者の通行の用に供されていることから公共性が強くなり、私有物としての利用が大きく制限され、私道を廃止して宅地となる可能性は極めて低くなるからである(平成24年11月13日裁決〔裁事89・333〕)。
[2] 特定の者の通行の用に供されている私道
一方、特定の者の通行の用に供されている道路(例えば行き止まり道路)は、30%相当額によって評価することとされている。
これは、袋小路のように専ら特定の者の通行の用に供される行き止まり私道については、容易に私道を廃止して宅地化し、合筆併合して一体化することが可能であり、あるいは、これに、単独又は隣接宅地とともに抵当権等の諸権利を設定したり、これを譲渡することが可能であるから、公衆用道路にはない経済的価値があると考えられている(大阪地裁昭和60年3月28日判決〔税資144・960〕における課税庁の主張)。
なお、特定の者の通行の用に供されている私道の価額は、原則として、正面路線価を基として次の算式によって評価する。
(算式)
私道の価額 = 正面路線価×奥行価格補正率×間口狭小補正率×奥行長大補正率×0.3×地積
ただし、その行き止まり私道に特定路線価を設定した場合は、設定された特定路線価を基に評価しても差し支えないものとされている。
(算式)
特定路線価 × 0.3
◆ ここがグレーゾーン ◆
① 不特定多数の者の通行の用に供されている場合とは?
② 私道評価の30%の合理性とは?
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