固定資産をめぐる判例・裁決例概説
【第21回】
「区分所有のマンションのうち事務所用の部分について、居住部分と異なる経年減点補正率を適用して評価額を計算することが違法か否かで争われた事案」
税理士 菅野 真美
▷地方税法第352条と区分所有の家屋の評価
共有の財産の固定資産税は、共有者に連帯納付義務がある。共有財産について、共有持分に応じて、ある共有者が固定資産税を納付したが、他の共有者が納付しなかった場合は、他の共有者持分相当の固定資産税も納付しなければならない(地方税法第10条の2)。しかし、区分所有のマンションの居住者の1人が固定資産税を納付しなかったことにより、全く関係のない他のマンションの居住者が連帯納付義務を負わされることは不合理である。
このような問題を回避するために、地方税法第352条第1項において、専有部分の床面積の割合により按分した額を固定資産税として納付すれば足り、他の区分所有者の固定資産税まで連帯納付する必要はないとされている。
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