公開日: 2023/10/26 (掲載号:No.541)
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固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第31回】「同族会社の行為計算否認規定が適用された2つの転貸方式の事例」

筆者: 菅野 真美

固定資産をめぐる判例・裁決例概説

【第31回】

「同族会社の行為計算否認規定が適用された2つの転貸方式の事例」

 

税理士 菅野 真美

 

▷同族会社の行為計算否認規定

同族会社の行為計算否認規定は、課税庁の伝家の宝刀といわれ、課税庁において、納税者の課税所得を想定で算定して税額を確定させてしまうことである。所得税法157条1項では次のとおり定められている。

税務署長は、・・・法人(筆者注:同族会社等)の行為又は計算で、これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと・・・特殊の関係のある居住者(その法人の株主等である非居住者と当該特殊の関係のある居住者を含む。・・・)の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に係る更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の・・・(確定所得申告)、・・・(還付等を受けるための申告)又は・・・(確定損失申告)に掲げる金額を計算することができる。

(以下省略)

所得税は申告納税が前提であるが、同族会社の行為計算否認は、例外的に課税庁に認められた権限であるため適用事例は限定される。将来、裁判等で争われる可能性が高いため、裁判で課税処分が覆されないように算定合理性の論理が積み上げられていく。

今回は不動産賃貸について、同族会社を介して転貸したことにより、通常受け取るべき賃貸料が著しく減少され、所得税の負担を不当に減少する結果になると認められるとして、同族会社の行為計算否認規定の適用を受けた2つの事案について、課税庁が示した算定根拠を検討する。

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「同族会社の行為計算否認規定が適用された2つの転貸方式の事例」

 

税理士 菅野 真美

 

▷同族会社の行為計算否認規定

同族会社の行為計算否認規定は、課税庁の伝家の宝刀といわれ、課税庁において、納税者の課税所得を想定で算定して税額を確定させてしまうことである。所得税法157条1項では次のとおり定められている。

税務署長は、・・・法人(筆者注:同族会社等)の行為又は計算で、これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと・・・特殊の関係のある居住者(その法人の株主等である非居住者と当該特殊の関係のある居住者を含む。・・・)の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に係る更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の・・・(確定所得申告)、・・・(還付等を受けるための申告)又は・・・(確定損失申告)に掲げる金額を計算することができる。

(以下省略)

所得税は申告納税が前提であるが、同族会社の行為計算否認は、例外的に課税庁に認められた権限であるため適用事例は限定される。将来、裁判等で争われる可能性が高いため、裁判で課税処分が覆されないように算定合理性の論理が積み上げられていく。

今回は不動産賃貸について、同族会社を介して転貸したことにより、通常受け取るべき賃貸料が著しく減少され、所得税の負担を不当に減少する結果になると認められるとして、同族会社の行為計算否認規定の適用を受けた2つの事案について、課税庁が示した算定根拠を検討する。

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連載目次

固定資産をめぐる判例・裁決例概説

第1回~第20回 ※クリックするとご覧いただけます。

筆者紹介

菅野 真美

(すがの・まみ)

税理士・社会福祉士・CFP

関西学院大学法学部政治学科卒業後、平成2年税理士試験合格。
平成18年まで新日本監査法人大阪事務所並びに関係会社において、監査並びに税務コンサルティング業務に従事。
その後、日本租税綜合研究所主任研究員を経て、税理士事務所開業。現在、東京税理士会芝支部、信託法学会会員、成年後見法学会会員。

【主な著書】
・『老後の備え・相続から教育資金贈与、事業承継まで 「信託」の基本と使い方がわかる本』日本実業出版社
・『税理士のために国外転出時課税と国際相続について考えてみました』中央経済社
・『申告なし・税金なしの贈与使いこなしQ&A 教育・結婚・子育て資金一括贈与+ジュニア NISA』中央経済社
・『顧問税理士なら答えて!個人の国際課税Q&A 結婚・転勤・移住・留学・運用・相続アラカルト80』(共著)中央経済社
・『教育資金の一括贈与非課税制度完全ガイド』中央経済社
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