固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第1回】「5年超前の過誤納固定資産税の還付が認められた判例」
筆者:菅野 真美
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固定資産をめぐる判例・裁決例概説
【第1回】
「5年超前の過誤納固定資産税の還付が認められた判例」
税理士 菅野 真美
▷固定資産税の課税
固定資産税は、その年1月1日に土地、家屋、償却資産を有する者について、市町村(東京都特別区においては東京都)がこれらの価額に基づいて課税するものである。所得税等は納税者の申告に基づいて課税される制度であるが、固定資産税は賦課決定という課税主体(市町村)が課税標準や納付すべき税額を決める制度である。課税標準となる固定資産の価格は、固定資産評価基準によって決定しなければならない(地方税法403条1項)。どのようにして決めていくかというと、市町村の職員が、納税者とともにする実地調査、納税者に対する質問、納税者の申告書の調査等のあらゆる方法によって、公正な評価をするように努めなければならないとされている(地方税法403条2項)。
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連載目次
固定資産をめぐる判例・裁決例概説
- 【第1回】 5年超前の過誤納固定資産税の還付が認められた判例
- 【第2回】 納骨堂は境内建物・境内地として固定資産税が非課税になるか否かで争われた判例
- 【第3回】 固定資産を年の中途で取得した場合の2分の1償却は違法か否かで争われた判例
- 【第4回】 大学附属病院を建築中の土地の固定資産税は非課税か否かで争われた判例
- 【第5回】 造成中の墓地の固定資産税は非課税か否かで争われた判例
- 【第6回】 賃借人が負担した建物附属設備の固定資産税(償却資産税)の納税義務者は誰になるのかが争われた判例
- 【第7回】 地目の認定について異議のある納税者が固定資産評価審査委員会を経ずに直接異議申立てを行った判例
- 【第8回】 請求の追加的併合が行われ、後で訴訟を提起した日が出訴期限を超えた場合にその訴訟が適法なものか否かが争われた判例
- 【第9回】 行政庁が間違って固定資産税を非課税として処理した過年度分について、遡って課税処分をすることは、「禁反言の法理」により違法とされるか否かが争われた判例
- 【第10回】 新築した建物が1月1日に登記されていない場合は、固定資産税の納税義務があるか否かが争われた判例
- 【第11回】 小規模住宅用地特例の適用誤りにつき、申告書の不提出が過失相殺に該当するか否かが争われた判例
- 【第12回】 不動産を買い受けたが賦課期日である1月1日時点の所有者でない者が、固定資産の価格に不服がある場合に訴えの原告適格者になることができるか否かが争われた判例
- 【第13回】 年の中途に不動産を取得した者が固定資産の価格に不服がある場合に、不動産取得税の課税標準である固定資産の価格の適法性について訴えることができるか否かが争われた判例
- 【第14回】 不動産取得税の課税標準である「固定資産の適正な時価」が何かについて争われた判例
- 【第15回】 家屋の増築が1月1日前に行われたかどうかについて、1月3日時点の航空写真に基づいて推測できるか否かが争われた裁決例
- 【第16回】 登記の名義人が真実の所有者と異なる場合の納税義務者は誰か、1月1日現在の名義人がその後死亡した場合の納税義務者は誰かが争われた事案
- 【第17回】 区分所有された複合ビルについて、住宅用地に対する課税標準の特例の適用は、建物全体を1個の家屋として居住部分の割合を算定するか、各専有部分自体を1個の家屋として算定するかで争われた事案
筆者紹介
菅野 真美
(すがの・まみ)
税理士・社会福祉士・CFP
関西学院大学法学部政治学科卒業後、平成2年税理士試験合格。
平成18年まで新日本監査法人大阪事務所並びに関係会社において、監査並びに税務コンサルティング業務に従事。
その後、日本租税綜合研究所主任研究員を経て、税理士事務所開業。現在、東京税理士会芝支部、信託法学会会員、成年後見法学会会員。【主な著書】
・『老後の備え・相続から教育資金贈与、事業承継まで 「信託」の基本と使い方がわかる本』日本実業出版社
・『税理士のために国外転出時課税と国際相続について考えてみました』中央経済社
・『申告なし・税金なしの贈与使いこなしQ&A 教育・結婚・子育て資金一括贈与+ジュニア NISA』中央経済社
・『顧問税理士なら答えて!個人の国際課税Q&A 結婚・転勤・移住・留学・運用・相続アラカルト80』(共著)中央経済社
・『教育資金の一括贈与非課税制度完全ガイド』中央経済社
他多数
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