「収益認識に関する会計基準」及び
「収益認識に関する会計基準の適用指針」の徹底解説
【第8回】
仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋
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13 返品権付き販売
(1) 返品権付き販売
返品権付き販売とは、顧客との契約において、商品・製品(及び一部のサービス)の支配を顧客に移転するとともに、当該商品・製品(及び一部のサービス)を「返品して、以下の(ⅰ)から(ⅲ)を受ける権利」を顧客に付与する場合をいう(適用指針84)。
(ⅰ) 顧客が支払った対価の全額又は一部の返金
(ⅱ) 顧客が企業に対して負う又は負う予定の金額に適用できる値引き
(ⅲ) 別の商品・製品への交換
返品権付きの商品又は製品(及び返金条件付で提供される一部のサービス)の販売では、以下の①から③の会計処理を行う(適用指針85、86、87、88、105)。
① 企業が権利を得ると見込む対価の額(下記②の返品されると見込まれる商品・製品の対価を除く)で収益を認識する。
■企業が得ると見込む対価の額を算定する際には、【STEP3】取引価格の算定の定め(基準47~64)を適用する。
■各決算日に、企業が権利を得ると見込む対価の額を見直し、認識した収益の額を変更する。
② 返品されると見込まれる商品・製品の対価については、収益を認識せず、当該商品又は製品について受け取った又は受け取る額で返金負債を認識する。
■各決算日に、返金負債の額を見直し、認識した収益の額を変更する。
③ 返金負債の決済時に顧客から商品・製品を回収する権利について資産を認識する。
■当該資産の額は、商品・製品の従前の帳簿価額から予想される回収費用(当該商品・製品の価値の潜在的な下落の見積額を含む)を控除し、各決算日に当該控除した額を見直す。
■返金負債の決済時に顧客から商品・製品を回収する権利として認識した資産は、返金負債と相殺表示してはならない。
なお、返品受入期間中に返品される商品・製品の受入れに備えるという約束は、返金を行う義務とは別の履行義務として処理しない(適用指針161)。
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