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プロフェッションジャーナル No.528が公開されました!~今週のお薦め記事~

2023年7月20日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.528を公開! - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2023/07/20

日本の企業税制 【第117回】「児童手当と扶養控除」

日本の企業税制 【第117回】 「児童手当と扶養控除」   一般社団法人日本経済団体連合会 経済基盤本部長 小畑 良晴   〇税制調査会中期答申 6月30日、政府の税制調査会(中里実会長)は、答申「わが国税制の現状と課題 -令和時代の構造変化と税制のあり方-」を取りまとめた。税制調査会の答申としては令和元年の答申「経済社会の構造変化を踏まえた令和時代の税制のあり方」以来4年ぶりのものとなる。 今回の答申では、租税の役割や民主主義との関わり、租税原則(公平・中立・簡素)やわが国の税制の歴史などを詳述した上で、働き方やライフコースの多様化、経済のグローバル化・デジタル化、格差をめぐる状況の変化、エネルギー・環境問題などの変化、安全保障環境の変化、人口減少・少子高齢化、わが国財政の構造的な悪化など、経済社会の構造変化について幅広く分析し、それらを踏まえ、所得税、消費税、法人税など国税及び地方税の個別税目ごとに制度の現状と課題を中期的な視点から整理している。 所得税に関しては、扶養控除について、平成22年度税制改正における子ども手当創設に伴う15歳以下の扶養控除廃止や、高校無償化に伴う16歳~18歳の扶養親族の特定扶養控除の対象からの除外が紹介され、「子どもの扶養に伴う家計負担への税制上の配慮については、給付のあり方も踏まえながら、子どもの年齢によって区々となっている」ことが指摘されている。   〇児童手当倍増 一方、6月13日に閣議決定された「子ども未来戦略方針」では、児童手当については所得制限を撤廃するとともに、高校生の年代まで支給期間を3年間延長し、そして第3子以降は3万円に倍増、大学に進んだ場合の高等教育について、授業料減免の対象を年収600万円までの多子世帯などに拡大することが盛り込まれている。 児童手当は、1972(昭和47)年1月から実施されている。創設当初は、第3子以降を対象とし、月額3,000円で、義務教育終了前までが支給対象であった。その後、1974(昭和49)年に月額4,000円、1975(昭和50)年に月額5,000円に引き上げられた。1986(昭和61)年には、第2子(義務教育就学前)も対象に加えられた(第2子月額2,500円、第3子以降月額5,000円)。さらに、1992(平成4)年には、対象が第1子(3歳未満)まで拡大されるとともに、第1子・第2子月額5,000円、第3子以降月額1万円と定められた。その後も適用対象の拡大は続き、2000(平成12)年度には第1子についても義務教育就学前まで拡大、2001(平成13)年度には所得制限が緩和され、2004(平成16)年度には小学校3学年終了前まで拡大、2006(平成18)年度には小学校6学年終了前まで拡大、対象児童の約90%が支給できるように所得制限も緩和された。2007(平成19)年度には、第1子・第2子でも3歳未満については月額1万円に引き上げられた。 2009(平成21)年の第45回衆議院議員総選挙の結果、衆議院第1党となった民主党を中心とした新政権が発足した。民主党の政権公約では、所得税改革として、相対的に高所得者に有利に働く所得控除から、低所得者への支援策や負担軽減策として効果の高い手当等への転換が掲げられ、その第一歩として、児童手当を「子ども手当」に改めることとされ、2010(平成22)年に、所得制限が撤廃されるとともに、中学生以下の子ども1人当たり月額1万3,000円が一律に支給されることとなった。翌年には3歳未満は月額1万5,000円、3歳から小学6学年終了前までは月額1万円(第3子以降1万5,000円)、中学生は月額1万円に見直された。さらに2012(平成24)年には、名称が「児童手当」に戻されるとともに、所得制限(夫婦、子ども2人の家庭の場合年収960万円)が設けられた。なお、所得制限に抵触する場合であっても特例給付(月額5,000円)が設けられた。特例給付に関しては2022(令和4)年から所得制限(年収1,200万円)が設けられている。   〇扶養控除 自己と生計を一にする扶養親族を有する納税者に対して、その担税力の減殺を調整する趣旨から、扶養控除が設けられている。扶養控除は扶養親族の年齢によって控除額が設定されており、16歳~18歳及び23歳~69歳の一般の扶養控除については所得税38万円(個人住民税33万円)、19歳~22歳の特定扶養控除については63万円(同45万円)とされている。 かつては15歳以下の扶養親族についても扶養控除が適用されていたが、前述のように民主党政権下での子ども手当の創設に伴い、平成22年度税制改正において、15歳以下の扶養控除は廃止された。 一方、特定扶養控除は、消費税の創設を含む1988(昭和63)年の税制抜本改革の一環として創設され、教育費を含む種々の支出がかさむ世代の所得者の税負担の軽減を図る見地から、16歳以上23歳未満の者を特定扶養親族として、一般の扶養控除35万円に代えて45万円の控除を認めるものであった(その後、平成5年の総合経済対策で50万円、平成7年度税制改正の課税最低限の引上げに伴い53万円、平成10年度税制改正で58万円、平成11年度税制改正(負担軽減措置法による恒久的減税)で63万円に順次引上げ)。 その後、民主党政権下の平成22年度税制改正において、前述のとおり、高校の実質無償化に伴い、16歳以上18歳未満の者については、特定扶養控除の対象から除外され、一般の扶養控除の対象となっている。 (了)

#No. 528(掲載号)
#小畑 良晴
2023/07/20

相続税の実務問答 【第85回】「居住用宅地を内縁の配偶者が遺贈により取得した場合の小規模宅地等の特例の適用」

相続税の実務問答 【第85回】 「居住用宅地を内縁の配偶者が遺贈により取得した場合の 小規模宅地等の特例の適用」   税理士 梶野 研二   [答] 被相続人又は被相続人と生計を一にしていた親族が居住の用に供していた宅地を、被相続人の配偶者又は一定の要件を満たす被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した場合には、租税特別措置法第69条の4第1項に規定する相続税の課税価格の計算の特例を適用することができます(この特例を「小規模宅地等の特例」といいます)。 しかしながら、内縁の配偶者は、被相続人の配偶者には当たらないと解されており、また、質問者は被相続人の親族でもないことから、小規模宅地等の特例を適用することはできません。 ● ● ● ● ● 説 明 ● ● ● ● ● 1 内縁関係 内縁関係とは、社会的には夫婦共同生活体の実態を備えているものの婚姻の届出がされていないために法律上の夫婦とは認められない事実上の夫婦関係をいい、このような関係にある配偶者を内縁の配偶者といいます。 内縁関係を巡る法律の適用については、これまで様々な議論がなされてきましたが、現在では、婚姻に関する民法の規定のうち、夫婦としての共同生活にかかわる規定については、一般的に内縁関係の夫婦間においても適用されると解されています(昭和33年4月11日最高裁判決)。 昭和33年4月11日最高裁第二小法廷判決(最高裁判所民事判例集12巻5号789頁) また、社会法の分野においては、「配偶者」には内縁の配偶者も含む旨の規定が設けられている法律もあります。例えば、国民年金法第5条第7項では、「この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする」との規定が設けられています(他に、厚生年金法第3条第2項、健康保険法第3条第7項第1号など)。 これに対して、夫婦同氏(民法750)や配偶者相続権(民法890)など、婚姻の届出(あるいは戸籍)を基準とする客観的・画一的な制度を定める規定は事実婚である内縁関係の配偶者には適用されないと解されています(松川正毅・窪田充見編『新基本法コンメンタール「親族」(第2版)』(2019年、日本評論社)117頁)。   2 租税法における「配偶者」の解釈 租税法においては、「配偶者」の文言には、内縁の配偶者は含まれないものと解されています。例えば、所得税法における配偶者控除及び配偶者特別控除の規定の中に内縁の者を含む文言はなく、また、これを含む趣旨が明らかであるとはいえませんし、所得税法上の用語の定義規定にも内縁の者を含む旨を定めた規定はないことから、所得税法上の「配偶者」については、婚姻の届出をした者を意味し、内縁の者は含まれないと解するのが相当であるとして厳格な解釈がされています(名古屋高判平成7年12月26日訟務月報44巻6号1025頁、札幌地判平成9年3月13日税務訴訟資料222号810頁)。 相続税法にも、「配偶者」に関する規定があります。相続税法第19条の2(配偶者に対する相続税額の軽減)は、配偶者が相続又は遺贈により取得した財産に対する相続税について、配偶者の課税価格を基に算出された相続税額から一定額を控除して配偶者が実際に納付する相続税額を計算するとの規定ですが、この規定は、配偶者が民法上の相続人に該当することを前提に、その法定相続分を基に軽減額を計算する仕組みとなっていることからも、民法上相続人に該当しない内縁の配偶者は、同条の「配偶者」には該当しないものと解されます(相基通19の2-2)。 また、相続税法第21条の6(贈与税の配偶者控除)の規定についても、同条が、婚姻の届出の行われている夫婦間の贈与を前提に、婚姻期間が20年以上であることを特例の適用要件としていることから、内縁の配偶者については、同条を適用する前提を欠いているといえます。   3 小規模宅地等の特例における配偶者 被相続人等の居住の用に供されていた宅地をその被相続人の配偶者が相続又は遺贈により取得した場合には、その宅地は特定居住用宅地等として、他の要件を満たす限り面積330平方メートルまでの部分の価額について、相続税の課税価格の計算上、80%の減額をすることができるとされています(措法69の4①、②、③二)。この特例措置は、被相続人等の居住の用に供されていた宅地のうち一定の面積までの部分については相続人等の生活基盤の維持のために不可欠のものであり、その処分には相当の制約があることから設けられているものです。内縁の配偶者についても、被相続人が亡くなった後の生活基盤の維持のために居住用の宅地は不可決といえるかもしれません。しかしながら、租税特別措置法を含む相続税の根拠法が、民法の相続の概念を基に構築されていること、税法における「配偶者」の意義については厳格に解されていることに照らすと、小規模宅地等の特例における特定居住用宅地等の規定の「配偶者」についても、被相続人との婚姻の届出をした者を意味し、内縁の配偶者は含まないものと解すべきと考えられます。   4 ご質問の場合 あなたは、内縁関係にあった被相続人甲とM市の住宅に同居しており、遺贈によりこの住宅を取得した後も、引き続きこの住宅に住み続けるとのことです。あなたが、被相続人の配偶者であれば、この住宅の敷地について特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例を適用することができましたが、あなたは甲の配偶者には該当しません。 また、あなたが甲の配偶者には該当しないとしても、租税特別措置法第69条の4第3項第2号のイ、ロ又はハに掲げる一定の親族に該当すれば、この特例を適用することができますが、あなたは被相続人の親族でもありません。 したがって、あなたが甲からの遺贈により取得した住宅の敷地について、小規模宅地等の特例を適用することはできません。 (了)

#No. 528(掲載号)
#梶野 研二
2023/07/20

〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第51回】「代表取締役一任決議と形式基準」

〈ポイント解説〉 役員報酬の税務 【第51回】 「代表取締役一任決議と形式基準」   税理士 中尾 隼大   ○●○● 解 説 ●○●○ (1) 過大役員給与の判定における形式基準 法人が役員に役員報酬を支給した場合において、過大役員給与に該当する部分があった場合、その部分は損金不算入となる。この過大額は、形式基準と実質基準という2つの基準によって判定されることとなる。このうち、形式基準については本連載【第3回】や【第19回】等で触れている通り、役員報酬は定款又は株主総会によって定めるという会社法上の取扱いが存在するため(会社法361①)、定款や株主総会、社員総会等で定めた支給限度額よりも実際に支給された金額が上回っているかどうかによって判断することとなる(法令70一ロ)。 役員報酬の額の定め方について、実務上は、株主総会にて個々の役員報酬額を定めるケースのほか、株主総会ではその総額のみ定めた上で、取締役会で各々の支給額を定めるケースが多いと思われる。 ここで、仮に株主総会にて「代表取締役に一任する」旨の決議がなされ、その通りに代表取締役が各役員への支給額を定めた場合、形式基準をどのように判断すればよいのだろうか。   (2) 代表取締役一任決議によって定められた金額が形式基準上争点となった事例 このような点が争点となった事例として、国税不服審判所令和4年7月1日裁決がある(※1)。以下にその概要について紹介したい。 (※1) TAINS:J128-3-04。 本件は、決定書が取締役Bに係る形式基準限度額を定めた根拠資料であるか否かについて争われたものである。課税庁が決定書に記載された金額を超える部分は損金不算入であると主張したことに対し、納税者は、取締役Bが法人税法上の使用人兼務役員に該当しないとしても、労働保険や民法、会社法上は使用人兼務役員であるため雇用契約に基づく給与を決定書に記載することは適当ではないと認識していた旨を反論した。 結果として、国税不服審判所は、決定書や明細書の作成経緯等を重視し、決定書は積算根拠に過ぎないと示し、決定書が形式基準限度額を定めたものではなく、他にこのような証拠はないと結論付けている。   (3) 本件裁決例の意義 本件は、社員総会にて代表取締役一任決議を経た上で、代表取締役Aは取締役Bが法人税法上の使用人兼務役員に当たると認識しつつ、役員部分と使用人部分とに区分する形でそれぞれの書類に給与額を記載したというものである。そして、国税不服審判所は、代表取締役Aが決定書に取締役Bの使用人分を記載することは適当でないと判断したという点を重視し、当該決定書を積算根拠に過ぎないとしている。すなわち、国税不服審判所は、代表取締役一任決議を認めた上で、決定書の作成経緯に鑑みて、形式基準に該当する書類はないと判断したのである。 具体的には、「定時社員総会において取締役の役員報酬の額を年額・・・円以内と決定し、各取締役の受けるべき役員報酬の額の決定については、業務執行機関である代表取締役に委任していたことが認められる」と示した部分がある。この部分こそ、上記のように、代表取締役へ各支給額の決定を一任すること自体について問題ではないことを示唆したものであると思われる。 本件のような形式基準自体が問題となる事例は実務上少ない。というのも、法人税法施行令70条1号ロは、各決議によって役員給与額等を定めている内国法人について形式基準額を示すものであるため、本件裁決例のように形式基準限度額を定めた書類が存在しない場合、形式基準が問題とはされない。現にこのような書類が存在しない場合には形式基準の判定はなく、実質基準のみで過大役員給与の判定を行う旨を説く実務解説書があることからも(※2)、形式基準は実務上さほど問題となっていない実情があるためであると思われる。 (※2) 宝達峰雄『実務解説 役員給与等の税務~役員、使用人に支給する報酬、給料、退職金等に関する税制上の措置と取扱い』(税務研究会出版局、2019)182頁。 しかし、会社法に準拠し、取締役ごとの役員報酬の額を明らかにしておくことは、役員の適切な業務執行を促すためにも必要であろう。税理士としては、法人顧客に存在する議事録等の有無を確認し、必要に応じて形式基準限度額の改定等を指導しつつ、法人が支給した役員報酬の額が損金不算入とならないように留意していくべきであるといえる。また、代表取締役一任決議がなされている場合には、本件のような事情がないか、バックデートによるものでないか等について最低限チェックしておくべきであろう。   (了)

#No. 528(掲載号)
#中尾 隼大
2023/07/20

令和5年度税制改正における『グループ通算制度』改正事項の解説 【第5回】

令和5年度税制改正における 『グループ通算制度』改正事項の解説 【第5回】 (最終回)   公認会計士・税理士 税理士法人トラスト 足立 好幸     Ⅱ 残余財産が確定した通算子法人の確定申告書の提出期限の見直し 清算中の通算子法人につきその残余財産が確定した場合、その通算子法人は、その残余財産の確定の日の翌日において、通算承認の効力が失われることとなる(法法64の10⑥五)。 そして、その通算子法人は、その通算事業年度開始の日からその残余財産の確定の日までの期間を最終事業年度(残余財産確定事業年度)として法人税及び地方法人税、住民税、事業税の確定申告書を提出することとなる。 令和5年度税制改正では、次のように、残余財産が確定した通算子法人の確定申告書の提出期限の見直しが行われている。 [法人税及び地方法人税] [事業税] これは、残余財産が確定した通算子法人について、残余財産の確定の日が通算親法人の事業年度終了の日以外の日である場合、その残余財産の確定の日までの事業年度(最終事業年度)では、通算子法人のステータスではあるが、損益通算等のグループ通算制度を適用せずに単独で申告を行うことになるため、その確定申告書の提出期限も通算子法人以外の法人と同様に、その最終事業年度終了の日の翌日から1ヶ月以内又は同日から1ヶ月以内に残余財産の最後の分配若しくは引渡しが行われる場合にはその行われる日の前日までとすることとなる。 一方、残余財産の確定の日が通算親法人の事業年度終了の日である場合、その残余財産の確定の日までの事業年度(最終事業年度)では、他の通算法人とともに損益通算等のグループ通算制度が適用される申告を行うこととなる。 そこで、通算子法人の残余財産の確定の日が通算親法人の事業年度終了の日である場合は、その確定申告書の提出期限について通算親法人の確定申告書の提出期限と一致させることが令和5年度税制改正で実現することとなった。 また、残余財産が確定した通算子法人について、事業税の申告期限についても同様の見直しが行われることとなった。 (出典) 与党税調資料 改正前と改正後の取扱いの比較は次のとおりとなる。 [通算子法人の残余財産確定事業年度の確定申告書の提出期限の改正比較] 改正後の取扱いは、令和5年4月1日以後に改正前の提出期限が到来する確定申告書について適用される(令5改所法等附13、令5改地法附6③)。 (連載了)

#No. 528(掲載号)
#足立 好幸
2023/07/20

基礎から身につく組織再編税制 【第54回】「非適格株式分配を行った場合の現物分配法人、現物分配法人の株主の取扱い」

基礎から身につく組織再編税制 【第54回】 「非適格株式分配を行った場合の 現物分配法人、現物分配法人の株主の取扱い」   太陽グラントソントン税理士法人 ディレクター 税理士 川瀬 裕太   今回は、非適格株式分配を行った場合の現物分配法人、現物分配法人の株主の取扱いについて解説します。   1 非適格株式分配があった場合の現物分配法人の取扱い (1) 資産の譲渡 非適格株式分配により現物分配法人の株主に完全子法人株式の移転を行った場合には、完全子法人株式を現物分配法人の株主に時価で譲渡したものとされ、譲渡損益が生じます。 (2) 非適格株式分配により減少する資本金等の額 非適格株式分配を行った場合に減少する資本金等の額は、次のとおりです(法令8①十七)。 (3) 非適格株式分配により減少する利益積立金額 非適格株式分配を行った場合に減少する利益積立金額は、次のとおりです(法令9①十一)。 (4) 源泉徴収 非適格株式分配が行われた場合には、利益積立金額が減少するため、みなし配当相当額について、源泉徴収を行う必要があります。 (5) 具体例 ① 前提 ② 現物分配法人の税務仕訳 (※1) 減少する資本金等の額 = 株式分配直前の資本金等の額(5,000)× 完全子法人株式の帳簿価額(1,000)/前事業年度終了時の簿価純資産価額(10,000)= 500 (※2) 減少する利益積立金額 = 完全子法人株式その他の資産の価額の合計額(2,000)- 減少する資本金等の額(500)= 1,500   2 非適格株式分配を行った場合の現物分配法人の株主の取扱い (1) 完全子法人株式の取得価額 完全子法人株式の取得価額は、次のとおりです。 (2) みなし配当 非適格株式分配が行われた場合には、現物分配法人の株主においてみなし配当を認識します。このみなし配当の金額は、受取配当益金不算入の規定の対象となります。 みなし配当の金額については、次の算式で計算します。 (3) 現物分配法人株式の譲渡損益 非適格株式分配を行った場合には、現物分配法人の株主は、現物分配法人株式のうち、完全子法人株式に対応する部分の譲渡を行ったものとみなされます。 金銭等が交付されない(完全子法人株式のみ交付される)場合の譲渡損益の計算については、譲渡対価と譲渡原価が、いずれも完全子法人株式対応帳簿価額となり、譲渡損益は生じません(法法61の2⑧、法令119の8の2①)。 金銭等が交付される場合の譲渡損益の計算については、現物分配法人株式を時価で譲渡したものとして、譲渡損益が生じます。 (4) 具体例 ① 前提 ② 現物分配法人の株主の税務仕訳 (※3) 金銭等が交付されない場合の完全子法人株式の取得価額 = 完全子法人株式対応帳簿価額(80)+ みなし配当の金額(150)= 230 (※4) 完全子法人株式対応帳簿価額 = C社における現物分配法人株式の帳簿価額(800)× A社における完全子法人株式の帳簿価額(1,000)/A社の前事業年度終了時の簿価純資産価額(10,000)= 80 (※5) みなし配当 = 移転を受けた資産の価額の合計額(200)- 資本金等の額のうち交付の基因となった法人の株式等に対応する部分の金額(500×10%)= 150 非適格株式分配があった場合の課税関係をまとめると下記のとおりです。 ◆非適格株式分配を行った場合の 現物分配法人、現物分配法人の株主の取扱いのポイント◆ 非適格株式分配があった場合には、現物分配法人は完全子法人株式を時価で譲渡したものとされ、譲渡損益が生じます。 非適格株式分配があった場合には、現物分配法人において資本金等の額と利益積立金額が減少します。 非適格株式分配があった場合には、現物分配法人の株主に移転する完全子法人株式の取得価額は金銭等の交付の有無により異なります。 非適格株式分配があった場合には、現物分配法人の株主は、現物分配法人株式のうち、完全子法人株式に対応する部分の譲渡を行ったものとみなされますが、金銭等が交付されない場合には譲渡損益が認識されません。   (了)

#No. 528(掲載号)
#川瀬 裕太
2023/07/20

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第20回】「今治造船移転価格事件(地判平16.4.14、高判平18.10.13、最判平19.4.10)(その1)」~租税特別措置法66条の4第1項、2項~

〈一角塾〉 図解で読み解く国際租税判例 【第20回】 「今治造船移転価格事件 (地判平16.4.14、高判平18.10.13、最判平19.4.10)(その1)」 ~租税特別措置法66条の4第1項、2項~   税理士 水野 正夫   1 はじめに 本件は、被控訴人(課税庁)が、わが国に所在する船舶の製造及び修繕を業とする控訴人(納税者)のパナマ共和国所在の国外関連者との船舶建造請負取引について、いわゆる移転価格税制を適用し、平成4年3月期及び平成6年3月期の法人税等について更正処分等を行ったところ、控訴人がこれらの処分に違法があると主張して、その取消しを求めた事案である(※1)。 (※1) 本判決の評釈として、太田洋・北村導人「今治造船事件高松高裁判決」『移転価格税制のフロンティア』有斐閣(2011年)102頁、及び本論文に掲げられている文献を参照。 本事案を検討するにあたり、地裁判決、高裁判決で納税者が敗訴し、最高裁は納税者による上告を棄却、上告受理申立てを不受理としたことから、本稿では高松高裁判決(以下、「本判決」という)を検討することにする。 いわゆる移転価格税制を定める租税特別措置法66条の4第1項は、「法人が、・・・各事業年度において、当該法人に係る国外関連者・・・との間で資産の販売、資産の購入、役務の提供その他の取引を行った場合に、当該取引・・・につき、当該法人が当該国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格に満たないとき、又は当該法人が当該国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超えるときは、当該法人の当該事業年度の所得に係る同法その他法人税に関する法令の規定の適用については、当該国外関連取引は、独立企業間価格で行われたものとみなす。」と規定する。 また、同条第2項は独立企業間価格の算定方法につき、「前項に規定する独立企業間価格とは、国外関連取引が次の各号に掲げる取引のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める方法・・・により算定した金額をいう」として、独立価格比準法(以下、「CUP法」という)について「イ 独立価格比準法(特殊の関係にない売手と買手が、国外関連取引に係る棚卸資産と同種の棚卸資産を当該国外関連取引と取引段階、取引数量その他が同様の状況の下で売買した取引の対価の額(当該同種の棚卸資産を当該国外関連取引と取引段階、取引数量その他に差異のある状況の下で売買した取引がある場合において、その差異により生ずる対価の額の差を調整できるときは、その調整を行った後の対価の額を含む。)に相当する金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法をいう。)」として、「同種の棚卸資産」を「同様の状況の下で」、「差異がある状況の下で売買した取引がある場合はその差異の調整後の対価の額」を独立企業間価格とする旨を規定している。 本件では、課税庁は、控訴⼈が⾏うパナマ共和国所在の国外関連者との取引(国外関連取引)について、控訴⼈が独⽴第三者と⾏う取引を⽐較対象取引とし、仕様の差、契約時期、決済条件等に起因する差異の調整を⾏った上で、CUP法を独⽴企業間価格の算定⽅法として適⽤した。 本件は、船舶建造請負取引について、CUP法の適用要件である「同種の棚卸資産」か否か、差異がある状況下での「差異の調整」の要否が争われた事案である。控訴人は、①船舶建造取引は個別性が強くCUP法は適用できない、②船舶建造の特殊性のため比較対象となる取引を想定できない、③調整項目には価格に影響を及ぼす可能性のあるものがすべて含められるべきであり、事業戦略、投下費用、取引数量に起因するものが含まれるべきである、と主張した。また、控訴人は仮にCUP法によるとしても「独立企業間価格」は「幅」のある概念であり、統計学手法によれば、その幅の適正な範囲について証明することができる、と主張した。本稿では、主に本件各取引にCUP法を用いることの適否、及び差異の調整の要否について検討する(※2)。 (※2) 移転価格税制の適用による経済的二重課税の救済については、わが国と国外関連者の所在国の租税条約上の相互協議条項に基づいた二国間の相互協議によって二重課税を排除するというルートも用意されており、相互協議を通じて二重課税の排除を求めるケースも多くあると思われるが、本件の場合、わが国と国外関連者の所在地国であるパナマとの間で租税条約が締結されておらず、相互協議を利用できなかった事案である。 〈本件の概要図〉   2 判示 (1) 本件各取引にCUP法を用いることの適否 本判決は、「棚卸資産の売買取引に関して独立企業間価格を算定する方法には『独立価格比準法』の他に、・・・再販売価格基準法、原価基準法及びその他の方法が認められているところ、課税庁が、これらのうちのいずれの方法を採るべきかについては規定がなく、課税庁の判断にゆだねられているところである。そして、船舶建造請負取引が個別性の強いものであるとしても、・・・国際的な船舶建造請負取引については取引相場が存在しており、一定の価格水準なるものを観念することができるのであるから、本件各取引に係る船価を他の取引と比較することによって独立企業間価格を算定することが、一般的に不合理ということはできない」とした。 また、「独立価格比準法は、・・・法人と国外関連者との取引に係る棚卸資産と同種の棚卸資産について、特殊の関係にない売手と買手が、国外関連取引と取引段階、取引数量その他の条件が同種の状況の下で売買した場合のその取引の対価の額に相当する金額をもって独立企業間価格とする方法であり、同方法は、理論的には最も適切かつ容易な方法であって、基本的に他の方法よりも優れているものと理解されている」とした上で、「また、被控訴人は、独立価格比準法を用いるにつき、その比較対象取引を控訴人と非関連者間の取引に限定しているところ(内部取引価格比準法)、これは、純粋に第三者間の取引を対象とする方法(外部取引価格比準法)に比べて調整すべき項目が少なく、調整自体も容易であるから、基本的に優れていると理解できるものである」、「なお、控訴人から、独立企業間価格を算定するにつき、独立価格比準法を用いるよりも、上記の他の方法によることがより適切であり、優れているとの主張、立証もされていない」との理由から、「被控訴人が本件について独立企業間価格を算定するに当たって独立価格比準法を採用したことは相当と認めることができる。」と判示している。 また、控訴人の船舶建造の特殊性のため比較対象となるべき取引を想定できないとの主張については、以下のように判示している。 (2) 差異の調整の要否 (a) 差異調整の考え方 本判決は、控訴人が、租税特別措置法66条の4第2項1号イに規定する差異の調整につき、この調整項目には価格に影響を及ぼす可能性のあるものがすべて含まれるべきであり、被控訴人が本件課税処分をする際に考慮した5つの項目(決済条件に起因するもの、建造延期に起因するもの、追加発注に起因するもの、契約時期に起因するもの、追加装備等に起因するもの)のほか、①事業戦略に起因するもの、②投下費用に起因するもの、③取引数量に起因するもの等が含まれるべきであるとの主張に対し、以下のように判示している。 (b) 投下費用に起因する差異の調整の要否 控訴人が主張する投下費用に起因する差異については、以下のように判示している。 (c) 取引数量に起因する差異の調整の要否 控訴人が主張する投下費用に起因する差異については、以下のように判示している。 (3) 独立企業間価格の「幅」について 本件において、控訴人は、本件国外関連取引は個別性・特異性が強く、仮にCUP法によるとしても、1つの「点」をもって独立企業間価格を定めることは困難であり、独立企業間価格の「幅」の概念を認めるべきであり、統計学的な手法に基づく経済分析(回帰分析)によって「幅」の適正性を主張したが、本判決は、以下の理由で、独立企業間価格の「幅」の概念は採用する必要はないと判示している。 また、統計学的手法については、「上記分析は、①国外関連取引に係る棚卸資産と同種の棚卸資産の取引であること、②国外関連取引と取引段階、取引数量その他が同様の状況の下でされた取引であることという特別措置法66条の4第2項の要件を無視し、上記のとおり、控訴人が過去23年間に製造・販売した2つの船種の船舶の実際の船価を、仕様、性能、取引条件等を考慮しないまま分析するものであり、そもそも、同条項の解釈論として失当といわざるを得ない。」としている。 ((その2)へ続く)

#No. 528(掲載号)
#水野 正夫
2023/07/20

暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第22回】

暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第22回】   東洋大学法学部准教授 泉 絢也   (2) 譲渡所得該当性を否定する国税庁の根拠 国税庁のFAQ「2-2 暗号資産取引の所得区分」は、暗号資産取引により生じた利益は、所得税の課税対象になり、原則として雑所得に区分されるとしており、暗に譲渡所得に区分されることを否定しているといえる。 かかる説明に接すると、暗号資産の譲渡による所得の所得区分に関して、次のような疑問が浮かぶ。 これらの疑問に関連して、暗号資産の譲渡による所得の譲渡所得該当性を否定する国税庁の見解の根拠を推察する。 所得税法33条1項は次のとおり定めている。 すなわち、譲渡所得とは「資産の譲渡」による所得である。 よって、ある所得が譲渡所得に該当するか否かについては、基本的に、「資産」該当性と「譲渡」該当性を検討することになる。 ただし、譲渡所得になりうる資産の譲渡であったとしても、営利を目的として継続的に売買している場合には、譲渡所得に該当せず、事業所得や雑所得になる(所法27、33②、35)。 また、例えば、BTCの場合、ブロックチェーン上、BTCが送り手から受け手にそのまま移転するような仕組みになっていないから、資産の「譲渡」に該当しないのではないかという見解がありうる。それは所得税法33条の「譲渡」の意味をどう考えるかという論点であるが、国税庁がこのような見解を採用していることをうかがわせる手掛かりは見当たらない。 このように、国税庁は暗号資産の譲渡による所得について、所得税法33条の譲渡該当性を否定するものではないという理解を前提とした上で、本連載では、譲渡所得該当性を否定する国税庁の根拠として、営利継続性肯定説と資産性否定説を確認しておく。 営利継続性肯定説の根拠は明確である。所得税法33条2項1号が「たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得」は譲渡所得に含まれないと定めているから、営利目的で継続的に暗号資産を譲渡している場合の所得はこれに該当して譲渡所得から除かれることになる。 他方、次の資産性否定説の根拠はややわかりづらい。 この説の背後には次のような考え方((増加益)清算課税説。最高裁昭和43年10月31日第一小法廷判決・集民92号797頁など)が存在する。 ここから、資産の値上りを観念できないようなものは譲渡所得の基因となる資産に該当しないという考え方に向かう。 あるいは、次のような考え方を背後に有している可能性もある(最高裁昭和29年11月5日第二小法廷判決・刑集8巻11号1675頁、最高裁昭和39年1月24日第二小法廷判決・集民71号331頁)。 ここから、金銭は、それ自体が他のものや利益の価値をはかる価値尺度であり、値上がりや値下がりを考えることができないため、資産の値上り益というキャピタルゲインを生まず、譲渡所得の基因となる資産に該当しないと解するのである。いわば譲渡所得に固有の資産概念に依拠する理解である。 資産性否定説を採用する場合には、暗号資産の譲渡による所得が譲渡所得に該当する余地はないという帰結になるはずである。 譲渡所得とは資産、とりわけ譲渡所得の基因となる資産を譲渡したことによる所得をいうところ、暗号資産はこの場合の譲渡所得の基因となる資産に該当しないというのであるから、暗号資産の譲渡による所得が譲渡所得に該当する余地はないということである。 他方、営利継続性肯定説は暗号資産の譲渡による所得が譲渡所得に該当する余地を認めるものである。同説は、暗号資産が譲渡所得の基因となる資産に該当することを認めた上で、言い換えれば、譲渡所得該当性を判断する際に暗号資産を門前払いするようなことはしないことを前提とした上で、個別の事案において、暗号資産の譲渡の態様等が、たな卸資産の譲渡その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡に該当するため、譲渡所得に該当しないという立場であると解される。 このように、営利継続性肯定説は、営利目的性や継続的譲渡性が否定される場合などに、暗号資産の譲渡による所得が譲渡所得に該当する余地を残すものである。 両説のこの相違は実務への影響が大きいため、よく理解しておく必要がある。 以上により、①暗号資産の譲渡による所得が譲渡所得に該当する余地を認めるものであるか、②なぜ暗号資産の譲渡による所得が原則として雑所得となるのかという、冒頭で掲げた2つの疑問に対する回答も示されたことになる。 注意すべきは、仮に暗号資産の譲渡所得の基因となる資産該当性が認められた場合でも、暗号資産の譲渡による所得が、譲渡所得から除外される「たな卸資産・・・の譲渡その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得」(所法33②一)に該当する場合には、当然、その譲渡所得該当性は否定される。 さて、FAQにおいて暗号資産の譲渡による所得の譲渡所得該当性を暗に否定している国税庁は、営利継続性肯定説と資産性否定説のいずれを採用しているのであろうか。 詳しくは後述するが、筆者は、国税庁は資産性否定説の立場であると理解しつつ、最近の説明を見る限り、少なくとも、およそあらゆる種類の暗号資産に対して、同説の立場から譲渡所得該当性を否定することはしないという姿勢に傾きつつあるのではないかと推察している。 日々、利ザヤを稼ぐ目的で暗号資産の売買を繰り返しているような場合は、営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡の典型例であろう。他方、数年前に購入し、そのまま塩漬けにしていた暗号資産を譲渡するような場合や、(この点は反論もありうるが)純粋に支払手段として暗号資産を利用しているような場合については、たな卸資産の譲渡その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡には該当しない可能性がある。   (了)

#No. 528(掲載号)
#泉 絢也
2023/07/20

〔まとめて確認〕会計情報の四半期速報解説 【2023年7月】第1四半期決算(2023年6月30日)

〔まとめて確認〕 会計情報の四半期速報解説 【2023年7月】 第1四半期決算(2023年6月30日)   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 3月決算会社を想定し、第1四半期決算(2023年6月30日)に関連する速報解説のポイントについて、改めて紹介する。公開草案及び適用時期が将来のものは、基本的に記載の対象外としている。 基本的に2023年4月1日から6月30日までに公開した速報解説を対象としている。 具体的な内容は、該当する速報解説をお読みいただきたい。   Ⅱ 会計関係 企業会計基準委員会から次のものが公表されている(②については、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所とともに公表)。 ① 「グローバル・ミニマム課税に対応する法人税法の改正に係る税効果会計の適用に関する当面の取扱い」(実務対応報告第44号)(内容:グローバル・ミニマム課税制度を前提として税効果会計を適用することについては、実務上困難であるとの意見があることから、必要と考えられる特例的な取扱いを示す。公表日(2023年3月31日)以後適用) ② 改正「中小企業の会計に関する指針」(内容:収益の計上基準の注記に関する改正) また、国際会計基準審議会(IASB)によるIAS第12号「法人所得税」の修正が公表されている。これは、国際的な税制改革から生じる繰延税金の会計処理からの一時的な救済措置を企業に与えるものである。   Ⅲ 監査法人等の監査関係 監査法人及び公認会計士の実施する監査などに関連して、次のものが公表されている。 ① 倫理規則実務ガイダンス第2号「倫理規則に関するQ&A-監査法人監査における監査人の独立性について-(実務ガイダンス)」(内容:2022年7月25日付けで倫理規則が改正されたことに伴い、監査法人の計算書類を対象とする監査業務における倫理規則の適用上の留意点などを示す) ② 法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」 の改正(内容:報酬関連情報の開示、独立性に関する規定の強化などに対応) ③ 監査基準報告書300実務ガイダンス第1号「監査ツール(実務ガイダンス)」の改正(内容:「監査事務所における品質管理」(品質管理基準報告書第1号)などの改正や、2022年7月の倫理規則の改正に対応し、多くの様式を見直している) ④ 「2022年度 品質管理レビューの概要」等(内容:のれんの評価・固定資産の減損会計に係る改善勧告事項等を解説している) ⑤ 「品質管理レビュー基本方針(2023年度~2025年度)」及び「2023年度品質管理レビュー方針」(内容:上場会社等監査人登録制度の導入や、改訂品質管理基準の適用を踏まえて、品質管理レビューの3ヶ年及び単年度の方針を明文化するもの) ⑥ 「上場会社等の監査を行う監査事務所の適格性の確認のためのガイドライン」(内容:上場会社等の監査を行う監査事務所が、上場会社等の財務書類に係る監査証明業務を公正かつ的確に遂行するに足りる体制を備えているかどうかを判断するに当たっての着眼点及び判断基準を示す)   Ⅳ 監査役等の監査関係 監査役等の実施する監査などに関連して、次のものが公表されている。 〇 改定版「監査役監査実施要領」(内容:会社法の改正及び改正会社法に係る法務省令の改正及びコーポレートガバナンス・コードの改訂などを反映したもの)   Ⅴ 過年度に公表されている会計基準等 過年度に公表されている会計基準等のうち、2023年4月1日以後に適用されるもの(早期適用を含む)として、次の会計基準等がある。 ① 「電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い」(2022年8月26日、実務対応報告第43号)(内容:「金融商品取引業等に関する内閣府令」における電子記録移転有価証券表示権利等の発行・保有等に係る会計上の取扱いを示すもの。2023年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用する。ただし、実務対応報告の公表日(2022年8月26日)以後終了する事業年度及び四半期会計期間から適用することができる) ② 「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年10月28日、改正企業会計基準第27号)等(内容:税金費用の計上区分(その他の包括利益に対する課税)及びグループ法人税制が適用される場合の子会社株式等(子会社株式又は関連会社株式)の売却に係る税効果についての取扱いを示すもの。2024年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用する。ただし、2023年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することができる) (了)

#No. 528(掲載号)
#阿部 光成
2023/07/20

給与計算の質問箱 【第43回】「遅刻・早退と残業の相殺」

給与計算の質問箱 【第43回】 「遅刻・早退と残業の相殺」   税理士・特定社会保険労務士 上前 剛   Q 以下の①~③において、遅刻・早退と残業を相殺して給与計算することはできるのでしょうか。 なお、給与計算に関して前提となる情報は以下のとおりです。 A 以下、①~③の場合についてそれぞれ解説する。 * * 解 説 * * 労働基準法第37条は、1日の労働時間が法定労働時間である8時間を超えた場合、超えた部分の割増賃金を支給することを使用者に義務付けている。 上記①の当日の労働時間は、「所定労働時間8時間 - 遅刻1時間 + 残業1時間 = 8時間」なので、法定労働時間8時間を超えていない。したがって、残業1時間は割増賃金の対象にならず、遅刻と残業を相殺できる。 上記②と③の翌日の労働時間は、「所定労働時間8時間 + 残業1時間 = 9時間」なので、法定労働時間8時間を超えている。したがって、残業1時間は割増賃金の対象となり、遅刻・早退と残業は相殺できず残業手当を支給しなければならない。 上記①~③の場合の給与計算例(税金・社会保険料の控除前)は以下のとおりである。 〔①の場合〕 〔②と③の場合〕 (了)

#No. 528(掲載号)
#上前 剛
2023/07/20
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