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《速報解説》 CGS研究会(コーポレート・ガバナンス・システム研究会)、今夏のガイドライン改訂に向け中間整理を公表~社外取締役の再任に関する基準設定の要請等、今後の方向性を示す~

《速報解説》 CGS研究会(コーポレート・ガバナンス・システム研究会)、 今夏のガイドライン改訂に向け中間整理を公表 ~社外取締役の再任に関する基準設定の要請等、今後の方向性を示す~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 2018年5月 18日、経済産業省は「CGS研究会(コーポレート・ガバナンス・システム研究会)(第2期)中間整理」を公表した。 これは、昨年12月に経済産業省の立ち上げたCGS研究会(第2期)における「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」(CGSガイドライン。2017年3月公表)のフォローアップに関する中間整理である。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 概要 上場企業に対するアンケート調査などに基づいて、コーポレートガバナンス改革を形式から実質へと深化させていく上で重要と考えられる事項に関して、CGSガイドラインの見直しも含めた今後の対応の方向性について取りまとめている。 1 社外取締役の活用 社外取締役には、最低限のリテラシーとして、財務・法務を含め、企業経営に関する基礎的な知識・知見を有していることに加えて、社外取締役としての役割を果たすためのアベイラビリティ(社外取締役として企業のために費やせる時間や労力があること)やコミットメント(企業価値向上への意思・意欲があること)も求められると考えられている。 また、取締役会・社外取締役を総体(集合体)として捉え、それら全体として必要な資質・能力を備えること、また、企業経営に対して複合的・多様な視点を有する構成とすることを検討することも有益であると考えられている。 CGS研究会では、社外取締役の選任・再任プロセスの明確化、在任期間の上限の設定などに関して議論され、CGSガイドラインでは、社外取締役の再任に関する基準を設けることを検討するよう記載することが考えられている。 2 指名委員会・報酬委員会の活用 指名委員会・報酬委員会における議論の対象や企業の置かれた状況によって差異があり得ることを踏まえ、CGSガイドラインにおいて、企業価値の向上に向け、社外者中心の委員会をより有効に活用するためのベストプラクティスを示すという観点から、委員会の構成や運営方法等について、かかる差異に応じて場合を分けて記載することが考えられている。 3 社長・CEO等の指名・後継者計画 社長・CEO等の指名・後継者計画について、CGSガイドラインにおいて、指名・再任・解任プロセスの客観性・透明性の確保や後継者計画の実効性確保を図ろうとする企業が参照できるベストプラクティスを示す必要性が高いと考えられている。 4 経営陣の報酬設計 CGSガイドラインにおいて、例えば経営陣幹部の報酬の方針や設計のあり方のベストプラクティス(例えば、業績連動指標の選択に当たって考慮すべき事項、グローバルに事業展開しておりグローバルな経営人材市場において人材確保をしようとする企業において役員報酬の設計を行う際の留意点など)について整理を行うことなどが考えられている。 5 取締役会の議長 取締役会や社外取締役を有効に機能させる環境を整備し、企業価値の向上を実現するという観点から、CGSガイドラインにおいて、どのような場合に業務執行者以外が取締役会議長を務めることが望ましいか(例えば、監督機能の強化を志向する企業や、社外取締役が少数しかいない企業において社外取締役が発言しやすい環境を作ろうとする場合など)について改めて明確にすることが有益であると考えられている。   Ⅲ 今後の予定 中間整理において示された今後の対応の方向性を受けて、今夏を目途に、CGSガイドラインの改訂を行う予定である。 (了)

#No. 268(掲載号)
#阿部 光成
2018/05/23

《速報解説》 消費税の軽減税率制度の実施に伴う適切な価格表示について関係省庁から具体例等が示される~事業者の判断によりテイクアウトと店内飲食で税込価格を統一する例も~

《速報解説》 消費税の軽減税率制度の実施に伴う適切な価格表示について 関係省庁から具体例等が示される ~事業者の判断によりテイクアウトと店内飲食で税込価格を統一する例も~   Profession Journal編集部   来年(2019 年)10 月1日から実施される消費税の軽減税率制度では、「酒類及び外食を除く飲食料品」及び「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」が軽減税率の適用対象品目とされている。 前者に関しては、テイクアウトや出前には軽減税率(8%)が適用され、店内での飲食の場合は標準税率(10%)が適用されることとなり、テイクアウト等のできる外食店やイートインスペースのあるコンビニ、ファーストフード店などでは、同一の飲食料品の販売において、適用される消費税率が異なる場面が生じる。このため飲食業界では、軽減税率適用後の価格設定や価格表示について、来店客への説明や従業員への周知方法等、早めの検討が必要といえる。 このような状況から、このほど消費者庁や中小企業庁等の関係省庁は連名で、適切な価格表示を推進し事業者間の公正かつ自由な競争を促進するため、上記のような場面における価格表示の具体例等を示した。 今回示された具体例は、「事業者がどのような価格設定を行うかは事業者の任意である」としたうえで、まず、 という価格設定に関する考え方に大きく分けられる。 さらに(1)(テイクアウト等と店内飲食で異なる税込価格を設定する場合)を、 という表示方法に分けて、それぞれ具体例等を示している。 まず、上記(1)の①(両方の税込価格を表示する方法)は、例えば、「テイクアウト等」と「店内飲食」が同程度の割合で利用され、消費者の価格判断を行う際の利便性を向上するためなどの理由で事業者が判断する方法としており、次のような価格表示の具体例が示されている。なお、両方の税込価格に併せて、税抜価格又は消費税額を併記することも認められる。 (※) 中小企業庁ホームページより 次に(1)の②(どちらか片方のみの税込価格を表示する方法)は、例えば、「テイクアウト等」の利用がほとんどである小売店等において「店内飲食」の価格を表示する必要性が乏しい場合や、「テイクアウト等」と「店内飲食」両方の価格を表示するスペースがない等の理由により事業者が判断するとしており、次のような価格表示の具体例が示されている。 (※) 中小企業庁ホームページより 上記のように、片方の税込価格を表示しないという判断に対しては、あらかじめ価格を表示しない場合にまで課されるものではないとして、消費税法上の総額表示義務(63条)には違反しないとしている。ただし、テイクアウト等の場合であることを明瞭に表示せずその税込価格のみを表示している場合には、消費者への誤認を与え景品表示法上の有利誤認に該当するおそれがあるとしている。 続いて(2)(テイクアウト等と店内飲食で同一の税込価格を設定する場合)だが、例えば、軽減税率(8%)が適用されるテイクアウト等の税抜価格を102円とし、標準税率(10%)が適用される店内飲食の税抜価格を100円とすることで、税込価格を共に110円とする方法がこれに当たる。 事業者がこのような価格設定を判断する理由の例としては、「出前」について配送料分のコストを上乗せするためにテイクアウト等の税抜価格を上げる、「店内飲食」の需要を喚起するために店内飲食の税抜価格を下げる、さらには、従業員教育の簡素化や複数の価格を表示することに伴う客とのトラブル防止に資する等が示されており、次のような価格表示の具体例が示されている。 (※) 中小企業庁ホームページより なお、上記で示した3つの具体例に加え、参考として「税抜価格を表示する方法」も次のように具体例と共に示されているが、総額表示義務の特例(消費税転嫁対策特別措置法10条1項)は2021年3月31日までの適用であるため、現在この特例により税抜価格の表示によっている場合も、軽減税率実施のタイミングで総額表示へと切り替えたほうがよさそうだ。 (※) 中小企業庁ホームページより なお上記に示した具体例の他、それぞれの場合の注意事項や消費者への対応にあたって参考となる情報も示されているため、すでに価格設定及び表記方法の方針を決めている場合でも、今回取りまとめられた情報については、一度目を通しておきたい。 【参考図】 (※) 中小企業庁ホームページより (了)

#No. 268(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2018/05/22

《速報解説》 「統合報告・ESG対話フォーラム」、開示と対話促進に必要な“4つの視点”を提言~積極的に開示を行う企業の支援等、“4つのアクション”を実行へ~

《速報解説》 「統合報告・ESG対話フォーラム」、 開示と対話促進に必要な“4つの視点”を提言 ~積極的に開示を行う企業の支援等、“4つのアクション”を実行へ~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成30年5月18日、経済産業省は「統合報告・ESG対話フォーラム報告資料」を公表した。 これは、昨年12月に経済産業省の立ち上げた「統合報告・ESG対話フォーラム」がとりまとめた報告資料であり、「開示と対話の促進のために必要な4つの視点」と「今後のアクション」を示すものである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 開示と対話の促進のために必要な4つの視点 報告資料では、開示と対話の促進のために必要な4つの視点として、次のものをあげている。 各項目では、企業経営者の意見と投資家の意見が記載されており、4つの視点に関する様々な意見が記載されている。 また、参加者・有識者からのメッセージも記載されており、様々な意見があることがわかる。 ① 「目的を持った対話」を理解する 企業と投資家がともに、開示・対話を単なるコストではなく、企業価値向上に向けた投資として捉え、「目的」を明確にして取り組むことである。 ② 共通言語を活用する 企業や投資家の多様性・独自性を尊重しつつも、「価値協創ガイダンス」等の共通言語を使うことで、より効果的・効率的な情報開示や対話を行うことである。 ③ 社内でも対話する 「価値協創ガイダンス」を活用した開示や対話を契機として、経営者のみならず社外取締役や実務担当者も含む社内の対話を深め、自社の価値創造プロセスを理解することである。 ④ 投資家が企業評価手法を示す ESG等の非財務情報や対話が、どう投資判断に反映されるかが見えないことで、企業が開示・対話に消極的にならないよう、「価値協創ガイダンス」等を使って投資家が自らの評価手法を示すことである。 なお、ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉である。   Ⅲ 今後のアクション 報告資料では、上記で掲げた4つの視点の実現を後押しするため、今後のアクションとして次の“4つのアクション”を実行、展開するとしている。 「価値協創ガイダンスロゴマーク」や「アクティブ・ファンドマネージャー宣言」など、上記報告内容に関連するウェブサイトや解説資料も紹介されている。 (了)

#No. 268(掲載号)
#阿部 光成
2018/05/18

プロフェッションジャーナル No.268が公開されました!~今週のお薦め記事~

2018年5月17日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.268を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2018/05/17

日本の企業税制 【第55回】「地方法人課税の偏在是正の動向」

日本の企業税制 【第55回】 「地方法人課税の偏在是正の動向」   一般社団法人日本経済団体連合会 経済基盤本部長 小畑 良晴   〇「地方法人課税に関する検討会」の設置 総務省は、5月11日、地方法人課税における税源の偏在を是正する新たな措置について検討を行うため、地方財政審議会に「地方法人課税に関する検討会」を設置することを発表した。第1回検討会は5月23日に開かれる。 今回の設置は、与党の平成30年度税制改正大綱における次の指摘を踏まえたものである(下線は筆者)。 平成30年度地方財政計画によれば、道府県税の税収(176,930億円)のうち地方法人二税の占める割合は26.5%(46,904億円)であり、市町村税(218,092億円)のうち法人住民税の割合は9.1%(19,915億円)である。地方税合計(395,022億円)では、地方法人二税の割合は16.9%(66,819億円)となる。なお、このほかに、地方法人特別譲与税となる地方法人特別税の税収は20,260億円である。   〇税収の偏在の状況 都道府県ごとの税収の人口1人当たりの額で比較すると(平成28年度決算速報ベース)、最大の自治体と最小の自治体の金額の倍率は、地方税合計では2.4倍に対して、地方法人二税においては6.1倍(地方法人特別譲与税を合わせると4.4倍)であり、地方法人二税の偏在の大きさがわかる(表参照)。 こうした税収の状況から、都道府県レベルでは、財政力指数が1を超え、地方交付税交付金が支給されない不交付団体となっているのは東京都のみであり、同指数が0.3を下回るのは鳥取、高知、島根の3県である(平成28年度)。 これまで、このような偏在の状況を踏まえ、地方法人二税においては、地方法人特別税及び地方法人税の創設によりその是正措置が講じられてきた。   〇地方法人特別税による是正措置 地方法人特別税は平成20年10月1日に創設され、法人事業税(所得割)のうち、消費税1%相当の税源交換と同等の効果を有する規模(従前の法人事業税収の5割弱)である約2.6兆円を地方法人特別税の規模として設定された。人口及び従業者数によりその全額を都道府県に譲与される仕組みである(なお、前年度の地方交付税の算定における財源超過団体に対しては、この改正による減収額として算定した額が財源超過額の2分の1を超える場合、減収額として算定した額の2分の1を限度として、当該超える額を譲与額に加算する激変緩和策が講じられた)。 創設当時、地方団体の間での財政力格差が拡大し、例えば、東京都及び23区の財源超過額(基準財政需要を基準財政収入が上回る額)は1.6兆円に達しており、財政力指数の下位8県の財源不足額の合計に匹敵する規模となっていた。こうした状況を改善すべく、あくまでも税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの措置として本税は創設された。 そうした背景から、その後、平成26年10月1日の消費税率8%段階の対応として、その規模は3分の2に縮小(148%→67.4%、なお、平成27年度税制改正による所得割の税率引下げに伴い、地方法人特別税の実質的な税率を一定に保つため、平成27年度は93.5%、平成28年度からは152.6%とされている)、法人事業税(所得割)への復元がなされ(2.9%→4.3%、なお、平成27年度税制改正により平成27年度3.1%、平成28年度から1.9%に引き下げられている)、平成31年10月1日の消費税率10%段階において、法人事業税(所得割)に復元される(4.8%)こととなっている。   〇地方法人税による是正措置 平成26年10月1日の消費税率8%段階の対応として、地方法人特別税を縮減し、法人事業税への復元を行う一方で、地方法人税が創設された(道府県民税5.0%→3.2%、市町村民税12.3%→9.7%、地方法人税4.4%)。地方消費税の実質増収額(地方消費税の増収額から社会保障充実化等分を控除した額)を偏在是正額の目途として、その税収全額を地方交付税原資とした。したがって、東京都のような不交付団体には交付されない。 平成31年10月1日の消費税率10%段階において、地方法人特別税が廃止される一方、地方法人税が拡大し10.3%となり、道府県の法人住民税の税率はわずか1.0%(市町村は6.0%)となることとされている。   〇見直しに向けて 平成31年度税制改正に向けて、偏在是正策の検討が行われるが、消費税率10%の段階においては、道府県民税の税率はわずか1.0%であり、その見直しを行ったとしても偏在是正規模はわずかである。だとすれば、復元される法人事業税において、地方法人特別税に代わる新たな偏在是正策を講じる必要があるのではないか。 (了)

#No. 268(掲載号)
#小畑 良晴
2018/05/17

〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第58回】「印紙税一括納付承認申請手続の改正(平成30年度税制改正)」

〈Q&A〉 印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第58回】 「印紙税一括納付承認申請手続の改正(平成30年度税制改正)」   税理士・行政書士・AFP 山端 美德   平成30年度税制改正により、平成30年4月に印紙税法の一部が改正され、印紙税一括納付承認申請手続について改正があったとのことですが、どのような内容ですか。 [改正の概要] 預貯金通帳等については、その預貯金通帳等を作成しようとする場所の所轄税務署長の承認を受けることによって、預貯金通帳等に係る印紙税を、印紙を貼り付けることに代えて、金銭にて一括して納付することができることとされている。 この一括にて納付する場合の特例は、その年の4月1日から翌年3月31日までの期間内に作成する預貯金通帳等については、毎年、2月16日から3月15日までの間に承認申請書を税務署に提出し、承認を受ける必要があったが、今回の改正により、承認を受けようとする課税期間(4月1日から翌年3月31日までの期間)の開始前に承認を受けていれば、その承認の日以後の各課税期間内に作成する預貯金通帳等について、一括納付の特例が適用されることとなった。 ただし、承認内容に変更があった場合は、改めて承認を受ける必要がある。 (注1) 「預貯金通帳等」・・・普通預貯金通帳、通知預金通帳、定期預金通帳、当座預金通帳、貯蓄預金通帳、勤務先預金通帳、複合預金通帳及び複合寄託通帳をいう。 (注2) 承認内容の変更により改めて承認を受ける必要がある場合の例 ・預貯金通帳等の作成場所が変更となった場合 ・通帳の種類を普通預金通帳のみの承認を受けていたが、新たに定期預金通帳の承認を受けようとする場合等 (注3) 一括納付の適用を受ける必要がなくなった時には、「印紙税一括納付承認不適用届出書」の提出を行う必要がある(新設の様式)。 [適用時期] 平成30年4月1日以後に作成する預貯金通帳等に係る承認について適用される。 (※) 承認を受けようとする最初の課税期間の開始の日の属する年の3月15日までに提出する。   (了)

#No. 268(掲載号)
#山端 美德
2018/05/17

〔ケーススタディ〕国際税務Q&A 【第2回】「海外企業の買収(M&A)に係る課税関係」

〔ケーススタディ〕 国際税務Q&A 【第2回】 「海外企業の買収(M&A)に係る課税関係」   弁護士 木村 浩之   [Q] 日本法人である当社(J社)は、余剰資金を海外のM&Aに充てる計画であり、現在、X国法人であるX社の株式を全部取得する方法によってX社を買収することを検討しています。 税務上の観点から留意すべき点があれば教えてください。 [A] 株式譲渡によって海外の企業を買収する場合、株式を取得する側としては、買収後の課税関係について検討することが必要となります。 特に重要な点として、日本法人であるJ社が直接株式を取得するのか、それとも他国(例えば、A国)に設立された実体ある株式取得法人であるA社を通じて間接的に株式を取得するのかによって、X社からの配当の支払に対するX国(源泉地国)における源泉徴収課税、支払を受けた法人の居住地国における課税関係が異なり得ることになります。 さらに、買収したX社(子会社)の株式を将来において売却して譲渡益を得る可能性もありますので、その場合の課税関係についても検討しておくことが重要といえます。 ・・・[解説]・・・ 1 源泉地国における源泉徴収課税 X社の株式を取得することでX社はJ社(又はA社)の子会社となる。そこで、買収後は、X社からJ社(又はA社)に対して、配当の支払がなされることになる。そのほか、グループ間取引によって利子やロイヤルティ等の支払がなされる可能性もある。 これらの支払がなされる際には、源泉地国であるX国の国内法によっては源泉徴収がなされることになる。この源泉徴収課税については、その支払を受ける者の居住地国とX国との間で租税条約が締結されていれば、一定の減免を受けられる可能性がある。 この点、配当について、その支払を受けるのは直接の親会社であり、J社が直接株式を取得した場合は日本とX国との間の租税条約が適用されることになる。これに対して、A社を通じて株式を取得した場合はA国とX国との間の租税条約が適用されることになる。 これらの租税条約の内容が異なる場合、いずれが株式を取得するかによって配当の支払時にX国で適用される源泉徴収税率が異なる可能性がある。   2 居住地国における課税関係 X社から配当その他の所得を受領する側においても、J社とA社のいずれがその主体になるかによって当然課税関係が異なることになる。 この点、日本では、25%以上の株式(又は議決権)を6ヶ月以上保有する外国子会社からの配当については、子会社の所在地国で配当が費用として控除されるものでない限り、その95%を課税所得から除外することが認められる(外国子会社配当益金不算入制度)。 なお、課税されない配当に対応する費用については本来控除を否定して課税所得に含めるべきところ、これを個別に特定することが困難であるため、その控除を認める代わりに一律に配当の5%を課税所得に含めることとされている。 これに対して、A国の国内法によっては、一定の資本関係を有する子会社から受領する配当についてはその全額が免税とされる可能性がある(一定の資本参加を要件とすることから、資本参加免税といわれる)。また、そもそも配当が課税所得に含まれていない可能性もある。   3 子会社株式の譲渡益課税 将来、買収したX社(子会社)の株式を譲渡することがあり得る。仮に譲渡益(キャピタルゲイン)が生じた場合、J社とA社のいずれが株主であるかによってその帰属主体が異なることになる。 この点、日本では、配当の場合と異なり、子会社株式の譲渡益について益金不算入制度はなく、通常の所得と同様に課税所得に含まれることになる。 これに対して、A社の国内法によっては、子会社株式の譲渡益についても配当と同様に資本参加免税の適用が認められる可能性やそもそも課税所得に含まれていない可能性がある。ただし、その場合には、日本の外国子会社合算税制の適用関係についても検討が必要となる。 以上に加えて、A社を通じてX社の株式を保有する場合には、J社としては、X社の株式を直接譲渡するのではなく、その代わりにA社の株式を譲渡することによって間接的にX社を売却するという選択肢を採ることも可能となる。 この点、X社の株式が直接譲渡される場合、その譲渡益に対してX社の所在地国であるX国の国内法によっては源泉地国課税がなされる可能性があるが、A社の株式を譲渡することで間接的にX社が譲渡される場合は、X国の国内法でも課税の対象とされないことが多い。仮に国内法で課税の対象にされていても、租税条約では一般に源泉地国課税が否定され、X国では免税となる可能性がある。 このように、間接的に子会社株式を譲渡する場合には、その譲渡益に対して源泉地国課税がなされる可能性が低くなるといえる。   (了)

#No. 268(掲載号)
#木村 浩之
2018/05/17

相続税の実務問答 【第23回】「他の相続人の相続税を負担した場合」

相続税の実務問答 【第23回】 「他の相続人の相続税を負担した場合」   税理士 梶野 研二   [答] あなたが妹さんの相続税を負担することが、遺産分割協議の際の合意事項であると認められる場合には、それは代償分割の合意であると考えることができます。 その場合には、あなたが負担することとなる妹さんの相続税相当額を代償金の額として、あなたの相続税の課税価格の計算上、控除するとともに、同額を妹さんの相続税の課税価格に加算して、相続税額を計算することとなります。 また、遺産分割協議において、特に合意がなかった場合には、あなたが妹さんの相続税を立替払いしたと認められる場合を除き、妹さんの負担すべき相続税額に相当する金額をあなたから妹さんに対して贈与があったものとして、妹さんに贈与税が課されることとなります。 ● ● ● ● ● 説 明 ● ● ● ● ● 1 他の相続人の相続税を負担した場合 相続又は遺贈により財産を取得した者は、相続税法の規定に従って計算した相続税を納める義務があります(相法1の3、11)。相続税の納税義務者の納めるべき相続税を当該納税義務者に代わって他の相続人が納めた場合には、相続税法第8条の規定に基づき、原則として、当該納税義務者が当該相続税相当額を負担した他の相続人から、当該相続税相当額の贈与を受けたものとして贈与税が課されることとなります。   2 相続税相当額が代償金と認められる場合 しかしながら、例えば、法定相続分相当額以上の財産を取得した相続人が他の相続人の相続税相当額を負担することが、遺産分割協議の際に合意されていたならば、そのような遺産分割は、一種の代償分割が行われたものと考えることができます。 そうすると、相続税を負担することとなった相続人から、相続税相当額を負担してもらうこととなった相続人に対して、相続税相当額の代償金が支払われるものとして各相続人の相続税の課税価格を計算することとなります。この場合には、贈与税の課税問題は生じません。 (注) 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算については、【第9回】「代償分割により取得した財産への課税」及び【第10回】「代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算」を参照してください。 なお、遺産分割協議書にその旨が記載されていないとしても、相続税相当額の負担をも織り込んだところで分割協議が調ったことが確認できるのであれば、その合意自体は有効であり、遺産分割協議書にその旨が記載されていないという理由で直ちに贈与税の課税がされることとなるものではありません。しかしながら、相続税相当額の負担が遺産分割協議の際に合意されていたことが立証できない場合には、課税当局から、贈与との指摘がされたとしても、反論することは難しいと思います。 したがって、遺産分割協議時に、相続人のうちの1人が、他の相続人の相続税相当額を負担することが合意されたならば、その旨を遺産分割協議書に記載しておくことが必要です。   3 相続税相当額の立替え 相続税の納税義務のある者が相続税の納期限に納税資金を準備できない場合に、他の相続人又は相続人以外の個人に、相続税相当額を立替払いしてもらうことがあります。他の相続人又は相続人以外の個人に立替払いしてもらった金額は、いずれは返済すべきものですから、当該相続税の納税義務のある者に贈与税が課されることはありません。 しかしながら、当該相続税の納税義務のある者の返済が見込めないような場合には、相続税相当額の贈与があったと認定されることもあり得ます。 このような指摘を回避するためには、他の相続人又は相続人以外の個人に一時的に相続税の立替払いしてもらったときには、その金額、返済の方法、返済の期限等を文書に明確に定め、かつ、その定めに従って、確実に返済しておくことが求められます。   4 ご質問の場合 あなたが妹さんの相続税を負担することが、遺産分割協議の成立時における合意事項であるならば、妹さんに贈与税が課税されることはありませんが、その場合、妹さんの相続税相当額は、代償分割によりあなたから妹さんに支払われる代償金の額として、相続税の課税価格の計算をすることになります。 また、あなたが妹さんの相続税を負担することが、遺産分割協議の成立時における合意事項ではないならば、あなたから妹さんに対する贈与とみなされて贈与税が課税されることとなります。ただし、あなたが、一時的に妹さんの相続税を納付したものの、その金額相当額を妹さんから返済を受けることが確実であるならば、贈与税が課されることはありません。   (了)

#No. 268(掲載号)
#梶野 研二
2018/05/17

組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第37回】

組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第37回】   公認会計士 佐藤 信祐   (《第5章》 平成18年度税制改正) 3 株式交換等に係る税制 (1) 改正の概要 平成18年度税制改正により、株式交換・移転を行った場合には、合併を行った場合と同様の取扱いをすることになった。すなわち、非適格株式交換・移転に該当した場合には、完全子法人の保有する資産に対して時価評価を行うことが必要になった。なお、合併と異なり、資産及び負債を移転するわけではないため、保有している資産の時価評価という整理になっている(※1)。 (※1) 『平成18年版改正税法のすべて』299頁。 これに対し、株主が保有していた子法人株式については、合併と同様に、親法人株式以外の資産が交付されない場合には、投資が継続していると考えられるため、譲渡損益が実現しないこととされた。ただし、非適格株式交換・移転に該当する場合であっても、子法人から株主への資産の交付がないことから、みなし配当の対象からは除外された(※2)。 (※2) 前掲(※1)299頁。 このように、合併と足並みを揃えた理由としては、①会社法における合併と株式交換・移転の手続きが似ていること、②株式交換・移転を行った場合には、株式取得を通じて子法人の事業、資産を実質的に取得するのと同様の効果があること、③株式交換・移転は、合併を行った後に現物出資をしたのと同じ形態になること、であると説明されている(※3)。 (※3) 前掲(※1)299頁。 そして、親法人が取得した子法人株式の取得価額についても、非適格株式交換・移転を行った場合には時価になるものの、適格株式交換・移転を行った場合において、完全子法人の株主の数が50人未満である場合には、完全子法人の株主が有していた完全子法人株式の帳簿価額の合計額、完全子法人の株主の数が50人以上である場合には、完全子法人の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額(株式交換の前に、株式交換完全親法人が株式交換完全子法人の株式を有していた場合には、適格株式交換により株式交換完全親法人が取得した株式交換完全子法人の株式の数の占める割合を乗じて計算した金額)を基礎にそれぞれ計算することとされた。 さらに、被合併法人の完全子会社が、適格合併により連結子法人になる場合における時価評価課税の取扱いとの整合性のために、適格株式交換を行った場合における連結納税開始・加入時の時価評価の特例が定められた(※4)。 (※4) 前掲(※1)320頁。 (2) その後の影響 株式交換・移転税制の導入は、M&A業界に大きな衝撃を与え、様々な批判があったと記憶している。とりわけ、実務で問題視されたのは、営業権の時価評価課税である。この点については、平成29年度税制改正により、帳簿価額が1,000万円未満の資産を時価評価課税の対象から除外することにより解決された。 しかし、それまでの間は、株式交換・移転税制の脱法手段として、全部取得条項付種類株式を利用したスキームが生み出され、平成26年改正会社法では、株式併合・株式等売渡請求が導入されることにより、会社法上、堂々と株式交換・移転税制を逃れることを容認するような改正が行われた。 そして、平成29年度税制改正では、ブート税制が導入されるとともに、全部取得条項付種類株式、株式併合、株式等売渡請求により少数株主を締め出した場合であっても、株式交換・移転を行った場合と同様に取り扱われるようになった。 しかし、ブート税制と足並みを揃えた結果、ほとんどの事案において時価評価課税の対象から除外されるようになり、本稿校了段階では、非適格株式交換等・移転はほとんど用いられていない。むしろ、連結納税開始・加入における時価評価課税を逃れる手段として、適格株式交換等・移転が用いられていると言った方が、実態に合致している状態となっている。   4 新株予約権を対価とする費用 平成17年12月にストック・オプション等に関する会計基準が公表されたことに伴い、会計上、ストック・オプションの付与日における公正な評価額を付与日から権利確定日までの期間にわたって費用計上することとされた。 平成18年度税制改正では、従業員等において給与所得その他の勤労性の所得として課税される場合に限り、その課税される事由が発生する時点で損金算入することが認められた。すなわち、平成18年当時の法人税法施行令111条の2第2項では、 と規定されたことから、新株予約権者で付与時課税の対象になる場合には、譲渡制限が付されていないため、本税制の適用から除外される。 しかしながら、本税制の規定は、損金の額に算入する時期について定めた規定に過ぎず、付与時に課税される新株予約権については、役務提供の対価として支払うべき「未払金」という負債を「新株予約権」という負債に振り替えたのと変わらないため、新株予約権を付与した時点で損金の額に算入されると考えられる(※5)。ただし、新株予約権者が役員である場合には、役員給与の損金不算入の適用を受けるか否かの検討を行う必要がある。 (※5) 前掲(※1)347頁。 次に、新株予約権者で権利行使時課税の対象になる場合には、それが役務提供の対価である場合に限り、損金の額に算入することが認められる(また、当然のことながら、新株予約権者が役員である場合には、役員給与の損金不算入の適用を受けるか否かの検討を行う必要がある(※6))。そして、具体的な損金算入時期については、新株予約権の交付を受ける個人において、給与等課税事由が生じた時点であるとされた。これは、発行法人における損金が個人における所得に先行することを避けるためである(※7)。 (※6) 前掲(※1)346頁。 (※7) 前掲(※1)344頁。 ただし、損金の額に算入することができる金額は、新株予約権の発行が正常な取引条件で行われた場合には、新株予約権の発行の時の時価に相当する金額であるとされている。これに対し、新株予約権者では、「当該権利行使により取得した株式のその行使の日における価額」から「当該新株予約権の行使に係る当該新株予約権の取得価額にその行使に際し払い込むべき額を加算した金額」を控除した金額に対して所得税が課税されることから、発行法人において損金の額に算入することができる金額と、新株予約権者において所得税が課されるべき課税標準は一致しないという点に留意が必要である。 これに対し、税制適格ストック・オプションを発行する場合には、新株予約権の交付を受ける個人において、給与所得、事業所得、退職所得及び雑所得が発生しないことから、給与等課税事由が生じないため、損金の額に算入することができないという整理になる(※8)。 (※8) 前掲(※1)348頁。   5 新株予約権の有利発行又は不利発行 新株予約権は負債であることから、有利発行又は不利発行を行った場合には、資本等取引に該当せず、発行法人において益金の額又は損金の額に算入すべきではないかという疑問が生じる。この点につき、平成18年度税制改正では、これらを益金の額又は損金の額に算入しないこととされた。 この点について『平成18年版改正税法のすべて』349頁では と説明されている。 この取扱いは、募集株式の有利発行、不利発行においても同様に考えることができる。すなわち、時価と異なる価額で募集株式を発行したとしても、株主課税として取り扱われるものの、発行法人において課税は生じない。さらに、擬似DESにおいても、時価よりも高い金額で募集株式を発行したものとして整理せざるをえないが、株主において寄附金として認定され、有価証券の取得価額を構成しないものとされたとしても、発行法人において受贈益が生じることはないということが言える。 *   *   * 次回では、欠損等法人の取扱いについて解説を行う予定である。 (了)

#No. 268(掲載号)
#佐藤 信祐
2018/05/17

〔平成30年4月1日から適用〕改正外国子会社合算税制の要点解説 【第8回】「部分合算課税②」-各特定所得の計算(非損益通算グループ所得)-

〔平成30年4月1日から適用〕 改正外国子会社合算税制の要点解説 【第8回】 「部分合算課税②」 -各特定所得の計算(非損益通算グループ所得)-   税理士 長谷川 太郎   1 押さえておきたいポイント   2 各特定所得の概要 部分合算課税の対象となる金額(部分課税対象金額)の計算構造については、前回解説を行った。今回からは、その計算の基礎となる各特定所得について、その内容の確認を行う。 各特定所得の概要は以下の通りとなっている。租税回避リスクを所得類型ごとに判断し、外国関係会社にその所得を得るだけの実質を備えていると考えられるものについて、事務負担も考慮して個別に除外することとされている(改正前は「事業(特定事業を除く)の性質上重要で欠くことのできない業務から生じたものを除く」とされていた(旧措法66の6④))。 【各特定所得の概要】 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 上記のうち、今回は「非損益通算グル-プ所得」(①~⑥)について取り上げ、次回は「損益通算グル-プ所得」(⑦~⑪)を取り上げることとする。   3 非損益通算グル-プ所得の内容及び留意点 ① 剰余金の配当等(措法66の6⑥一、措令39の17の3②~⑥) 剰余金の配当等に係る特定所得は、以下の計算により算出される。 (※1) 持株割合が25%以上(一定の資源投資法人から受ける配当等にあっては10%以上)かつ支払義務確定日以前6ヶ月以上(設立保有の場合には設立時から確定日まで)継続して保有している株式等に係る配当等を除く。ただし、配当支払法人において損金算入される配当等については、除外対象から除く(特定所得に含める)。 (※2) 「剰余金の配当等の額に係る費用の額として計算した金額」とは、以下の算式により計算した控除負債利子のことをいう。ただし、「剰余金の配当等の額を得るために直接要した費用の額」とされる負債利子の額がある場合には当該金額を控除した金額とし、控除した金額がマイナスとなる場合には「0」とする。 ② 受取利子等(措法66の6⑥二、措令39の17の3⑦⑧) 受取利子等に係る特定所得は、以下の計算により算出される。 (※3) 受取利子等に含まれるもの ・手形の割引料 ・償還有価証券に係る調整差益 ・その他経済的な性質が支払いを受ける利子に準ずるもの(リ-ス資産の引渡しを行ったことにより受けるべき対価の額に含まれる利息に相当する金額を除く。) ⇒リ-ス資産に係る利息相当については、「固定資産の貸付けによる対価の額」に含まれることから、受取利子等の範囲からは除かれている。 (※4) 受取利子等から除かれるもの その本店所在地国において活動するための十分な経済合理性があると認められる一定の利子については、特定所得の対象から除かれている。 具体的には、預貯金の利子、割賦販売の利子、グル-プファイナンス会社の収受する関連者からの利子、グル-プファイナンス会社等に貸し付けたことによる利子が除外対象となるが、詳細は以下の通りである。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 (※5) 受取利子等の額を得るために直接要した費用の額は、「例えば、その受取利子等について課された源泉税や借入金を原資に金銭の貸付けを行う場合におけるその借入金に係る支払利子等のような、その受取利子等の額を得るために直接紐付きの関係が確認できる費用が想定されています。」とされている(財務省「平成29年度税制改正の解説」国際課税関係の改正P.694)。 (※6) 「通常必要と認められる業務」については、「平成29年度改正 外国子会社合算税制に関するQ&A(情報)」のQ11において解説がされており、「財務業務」及び「貸付け業務」として具体的な業務内容や業務委託をしている場合の考え方等についても解説がされている。「全て」に従事しているかどうかの考え方については、Q12において解説がされているため、詳細は各Q&Aを確認されたい。 ③ 有価証券の貸付けによる対価(措法66の6⑥三) 有価証券の貸付けの対価に係る特定所得は、以下の計算により算出される。 ④ 固定資産の貸付けの対価(措法66の6⑥八、措令39の17の3⑮~⑰、⑳㉑) 固定資産の貸付けの対価に係る特定所得は、以下の計算により算出される。 (※7) 以下の固定資産の貸付けについては、対象から除かれている。 (イ) 主としてその本店所在地国において使用に供される固定資産(不動産及び不動産の上に存する権利を除く)の貸付けによる対価の額 (ロ) その本店所在地国にある不動産及び不動産の上に存する権利の貸付けによる対価の額 (ハ) その本店所在地国においてその役員または使用人が固定資産の貸付けを的確に遂行するために通常必要と認められる業務の全てに従事していること等の一定の要件を満たす部分対象外国関係会社が行う固定資産の貸付けによる対価の額 (※8) 減価償却費 減価償却費の額は、会社単位の合算課税の計算と同様に、原則として法人税法第31条(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)の規定の例に準じて計算した場合に算出される償却限度額に達するまでの金額とされているが、部分対象外国関係会社が有する固定資産に係るその事業年度の償却費の額としてその本店所在地国の法令の規定によりその事業年度の損金の額に算入している金額をもって固定資産の償却費の額とすることができるとされている。 ただし、償却費の額としてその事業年度の損金の額に算入している金額が、その固定資産の取得価額を各事業年度の損金の額に算入する金額の限度額として償却する方法を用いて計算されたものである場合には、法人税法第31条の規定の例によるものとした場合に損金の額に算入されることとなる金額に相当する金額をもって償却費の額とされるとされている。これも会社単位の合算課税の計算と同様である。 ⑤ 無形資産等の使用料(措法66の6⑥九、措令39の17の3⑱~㉑) 無形資産等(※9)の使用料に係る特定所得は、以下の計算により算出される。 (※9) 無形資産等 無形資産等とは、工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるもの(これらの権利に関する使用権を含む)または著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む)をいう。 (※10) 以下の使用料は、対象範囲から除外されている。 (イ) 部分対象外国関係会社が無形資産等の研究開発を主として行った場合のその無形資産等の使用料 (ロ) 部分対象外国関係会社が取得した無形資産等につき相当の対価を支払い、かつ、その無形資産等をその事業(株式等若しくは債券の保有、無形資産等の提供または船舶若しくは航空機の貸付けを除く。以下の(ハ)において同じ)の用に供している場合のその無形資産等の使用料 (ハ) 部分対象外国関係会社が使用を許諾された無形資産等につき相当の対価を支払い、かつ、その無形資産等をその事業の用に供している場合のその無形資産等の使用料 (※11) 減価償却費 「④ 固定資産の貸付けの対価」と同様の考え方により計算を行う。 ⑥ 異常所得(資産、人件費、減価償却の裏付けのない所得)(措法66の6⑥十一、措令39の17の3㉓~㉗) 異常所得に係る特定所得は、以下の計算により算出される。 (*) 財務省「平成29年度税制改正の解説」P712より抜粋 (了)

#No. 268(掲載号)
#長谷川 太郎
2018/05/17
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