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此の国にも『日本企業』! 【第10回】「《モザンビーク》 水産資源のフロンティア開発に夢を託して~ガルフ食品(株)~」

此の国にも『日本企業』! 【第10回】 「《モザンビーク》 水産資源のフロンティア開発に夢を託して ~ガルフ食品(株)~」   中小企業診断士 西田 純     今回は、アフリカ南東部に位置するモザンビークでハマグリの加工を手掛けようとしているガルフ食品(株)をご紹介します。   〈水産資源で注目されるモザンビークへ〉 モザンビークといえば、独立戦争そして内戦を経験し、つい20年ほど前までは戦火の絶えない国として知られていたところで、筆者が知っていることといえば豊富な天然資源に依存した経済と、内戦の傷跡ともいえる地雷問題くらいの国でした。 日本から遠く離れたそんな国にどうして、と思って調べてみると、モザンビークにはガルフ食品(株)以外にもすでに日系の水産加工メーカー1社が進出しているとのこと。最近ではマグロが取れなくなった、あるいはサンマの資源が減少しているなど、水産国・日本にとって心配なニュースも少なくない中で、モザンビークは日本企業の活躍ぶりが目立つ進出先のようです。   〈モザンビークのハマグリを日本の食卓に〉 それでもどうしてまたモザンビークに?という質問に、同社代表取締役の加藤仁士さんは「現地ではハマグリの資源が豊富で、自社の技術が使えると考えたから」と回答してくれました。 そもそも、貝類は水産資源の中では比較的資源枯渇の心配が少ない分野だそうで、日本に居る貝類が1,500種類くらい、ところが世界中では10万種類を超える貝が生息しているのだそうです。南米やインドにも、品質管理さえしっかりすれば十分に流通可能な資源があることが確認されていて、しかもそれらの国では「貝はあまり食べられていない」のだそうです。 世界を見ればアメリカや欧州など、貝を食用にする国は少なくないそうですが、ホタテや牡蠣などの特定種に限らずさまざまな貝を食し、寿司ネタやつくだ煮などの多様な食べ方をするのも、またハマグリとアサリを厳密に区別するのも日本流の食べ方だそうで、加工段階でも貝の分別と衛生管理にきちんとした技術を適用できれば、世界中に眠る未開拓資源の規模はまだまだ大きいと言えるのだそうです。 イカ・アジ・サンマ・サバ・スケソウなどの水産資源を代行輸入するビジネスを手かげているガルフ食品(株)では、2006年からモザンビークのハマグリ資源に注目しており、すでに欧州系の企業と連携して一度日本へハマグリを出荷している実績があるのだそうですが、当時のパートナーは主な関心がエビに向いており、ハマグリについては対応が二の次で「十分な品質確保が難しかった」のだそうです。その後、新たに韓国系の投資家をパートナーに迎えて自社技術の導入を計画しているのだとか。   〈障害を一つひとつ乗り越えて〉 ところが現在、同社はアフリカならではの難しさに直面しているそうで、たとえば現地で衛生的な水を確保するための殺菌装置が手に入らない、あるいは水質検査を委託できる機関がないなど、食品加工業を始めるための周辺サービスが大変貧弱なため、思うようなスケジュールでビジネスが立ち上がらないという問題をひとつずつ解決する段階にあるのだそうです。 このほかにも、現地の行政手続きが緩慢だったり、不要な規制が幅を利かせていたりと、アフリカならではの問題にも何度も直面されたのだとか。 それでもこのほど、他国で実施した水質検査の結果がどうやら入手できるところまでこぎつけたということで、「(本格的な事業開始を睨み)できればこの秋にも現地へ行きたいと思っている」(加藤氏)とのことでした。   〈現地の未来に寄与できる水産加工業の進出〉 鮮度・品質を確保するため、水産加工業は現地での労働力確保が大変重要なファクターになります。21世紀のフロンティアとして貝類の資源開拓を考えたとき、同社のようなビジネスがアフリカ諸国の沿岸部に新たな雇用をもたらす効果は非常に大きいものがあるのではないでしょうか。 (了)

#No. 139(掲載号)
#西田 純
2015/10/08

《速報解説》 会計士協会、「会社法監査に関する実態調査」をまとめた研究資料を公表~決算短信早期化の影響受け監査期間短縮化の傾向も~

《速報解説》 会計士協会、「会社法監査に関する実態調査」をまとめた 研究資料を公表 ~決算短信早期化の影響受け監査期間短縮化の傾向も~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年9月17日付で(ホームページ掲載日10月6日)、日本公認会計士協会は、公認会計士制度委員会研究資料第2号「会社法監査に関する実態調査-不正リスク対応基準の導入を受けて-」を公表した。 これは、不正リスク対応基準の適用を契機として日本公認会計士協会の会員を対象に実施した会社法監査に関する実態調査の結果を踏まえ、監査実務上の課題の把握とその考察を行うことを目的として取りまとめられたものである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 実態調査の主な内容 1 会社法監査の実施状況の分析 「会社法監査の実施状況の分析」として、平均的な会計監査人の監査報告書日は決算日後44.3日となり、決算日から約6週間程度のタイミングとなっていることなどが分析されている。 これらの分析から、会計監査人及び監査役の監査報告書日は、法的には監査対象とはならない決算短信の発表タイミングの影響を受けており、決算短信の発表の早期化に呼応して監査期間の短縮が図られ、法定の期限前に会計監査報告の内容を通知している会社が多いと推定している。 2 東京証券取引所による決算発表の早期化の要請 東京証券取引所による決算発表の早期化の要請により、次のことが要請されている。 次の分析結果が述べられている。 「実態調査」は、会社の現状の開示スケジュールが大きく変わらないことを前提に置くと、会計監査人の監査報告書を法令が想定する時期よりも早くに提出することはできる限り避け、当該時期に提出することが望ましいと考えると述べている(8ページ)。 「実態調査」では、日本公認会計士協会の会員にアンケートを行い、その結果を考察している。 アンケートは、平成26年12月1日時点で会員登録後10 年以上経過しており、監査法人に所属している会員4,915人に協力依頼をしたものであり、回答者数は484人(約9.8%)であった。このうち、上場会社の監査に従事していると回答があったのは、455人(約9.3%)である。 (了)

#No. 138(掲載号)
#阿部 光成
2015/10/07

《速報解説》 国税庁、「国外居住親族に係る扶養控除等」に関するQ&A等資料を公表~「親族関係書類」及び「送金関係書類」の実務上の取扱いを明記~

 《速報解説》 国税庁、「国外居住親族に係る扶養控除等」に関する Q&A等資料を公表 ~「親族関係書類」及び「送金関係書類」の実務上の取扱いを明記~   公認会計士・税理士 篠藤 敦子   9月25日に、国税庁から国外居住親族に係る扶養控除等について、次のQ&A及びリーフレットが公表された。 平成27年度の税制改正により、給与等の源泉徴収及び年末調整において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける居住者は、「親族関係書類」と「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出又は提示することが義務付けられた。 (注) 平成28年分以降の確定申告において、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合にも、「親族関係書類」と「送金関係書類」を確定申告書に添付又は申告書の提出時に提示する必要がある。ただし、源泉徴収又は年末調整の際、源泉徴収義務者にそれらの書類を提出又は提示している場合は除かれる。 なお、当該制度の概要は、以下の拙稿をご参照いただきたい。 今回公表されたQ&A及びリーフレットでは、主に「親族関係書類」と「送金関係書類」について、実務的な取扱いの詳細を明らかにしている。 主な内容は次のとおりである。 (1) 「親族関係書類」と「送金関係書類」について(共通) (2) 「親族関係書類」について (3) 「送金関係書類」について (4) 扶養控除等申告書への記載方法 平成28年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、国外居住親族に係る記載事項が新たに追加されている。 (※) 国税庁「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について(リーフレット)」p3より(一部筆者追記) 外国政府等が発行する親族関係書類は、国によって様式や記載事項が異なっていることが想定される。また、送金関係書類についても、送金先や、クレジットカードの利用者及び利用内容等を、源泉徴収義務者において確認する作業が必要となる。 この制度が導入された背景をふまえ、各書類は何を確認するために提出又は提示するものなのか等、事前に制度に対する理解を深めておきたい。 (了) ↓関連記事↓

#No. 138(掲載号)
#篠藤 敦子
2015/10/07

《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(平成27年1月~3月)」~注目事例の紹介~

 《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(平成27年1月~3月)」 ~注目事例の紹介~   税理士・公認不正検査士(CFE) 米澤 勝   国税不服審判所は、平成27年9月30日、「平成27年1月から3月分までの裁決事例の追加等」を公表した。今回追加されたのは表のとおり、全6件の裁決であり、このところ、平均して10件以上の裁決を公表してきたことを考えると少なくなっている。 今回の公表裁決では、国税不服審判所によって課税処分等が一部取消された事例が2件、棄却又は却下された事例が4件であった。税法・税目としては、国税通則法と所得税法関係が各2件、相続税法と国税徴収法関係が各1件であった。 【公表裁決事例平成27年1月~3月分の一覧】 ※本稿で取り上げた裁決 本稿では、公表された6件の裁決事例のうち、税務調査手続の違法性と理由付記に関する国税不服審判所の考えが示された事例を紹介したい。 なお、毎回のことであるが、論点を簡素化するため、複数の争点がある裁決については、その一部を割愛させていただいていることを、あらかじめお断りしておきたい。   1 調査手続の違法と修正申告の効果・・・① (1) 争点 審査請求における争点は次のとおりである。本稿では、[争点1]「調査手続の違法と賦課決定処分の取消し」について、審査請求人の主張とこれに対する国税不服審判所の判断を検討したい。 (2) 審査請求人の主張 審査請求人は、各修正申告等について、調査手続の違法又は錯誤により無効となるため、各賦課決定処分は取り消されるべきである、と主張した。 ① 調査手続の違法について ② 錯誤について 請求人は、調査担当職員から、調査対象期間の説明及び調査結果の内容の説明がなかったため、請求人は、どのような内容の書類に署名押印したのかも分かっていない状態で本件各修正申告書等を提出したものであり、仮に、7年間分の修正申告等であると分かっていたら、本件各修正申告書等には署名押印をしなかった。したがって、本件各修正申告等は、錯誤により無効となる。 (3) 審判所の判断 これに対し、審判所は、各修正申告等が調査手続の違法又は錯誤により無効となるかについては、以下の判断に基づき、各修正申告等が無効となることはないとした。 ① 調査手続の違法について 調査手続の違法は、それのみを理由として修正申告及び期限後申告の有効性に影響を及ぼすものではないと解されることから、たとえ調査手続に違法があったとしても、そのことのみで修正申告及び期限後申告が無効となることはないのであるから、請求人の主張は採用できない。 ② 錯誤について 調査経過記録書等には、調査担当職員が請求人に、平成25年11月22日の調査の終了に際し、調査結果の内容の説明を行い各修正申告等の勧奨を行ったとの記述があり、調査担当職員等の答述内容は何ら不自然な点はないことからすると、調査担当職員は、説明資料を用いて調査結果の内容の説明を行い各修正申告等の勧奨を行ったと認められる。 また、請求人は、各修正申告書等に署名押印をしたことについては争っていないことから、署名押印は、請求人の意思に基づいて行われたとの推定ができ、修正申告等は具体的な納税義務を発生させるものであるから、修正申告等の内容を確認しないで署名押印をすることは通常あり得ないこと、調査担当職員は請求人に、7年間分の調査結果の内容の説明を行ったと認められることを総合して判断すると、請求人の主張するような錯誤があったとは認められない。   2 更正・決定通知の理由付記・・・② (1) 争点 審査請求における争点は次のとおりである。本稿では、これらのうち、[争点2]の「理由付記」について、審判所の判断を確認したい。 (2) 審査請求人の主張 請求人は、次のように主張して、所得税各更正等通知書の理由付記に本件所得税各更正処分等を取り消すべき不備があり、また、所得税各更正等通知書において、加算税に係る理由付記も必要である、とした。 (3) 審判所の判断 審判所は、青色申告に係る所得税の更正通知書に更正の理由を付記すべきものとする規定の趣旨について、「更正処分庁の恣意抑制及び不服申立ての便宜」と説示したうえで、帳簿書類との関係において、次のように述べている。 そのうえで、審判所は、「請求人は、事業所得を生ずべき業務について、その事業所得の金額に係る取引を記録する帳簿を作成していない」ことを理由に、所得税各更正処分は、帳簿書類の記載自体を否認することなしに更正をする場合に該当するため、所得税各更正等通知書に記載された、事業所得の金額に加算する金額の判断部分に係る理由は、原処分庁の恣意抑制及び納税者の不服申立ての便宜という理由付記制度の趣旨目的を充足する程度に具体的な記載がされていると認められることから、本件所得税各更正処分を取り消すべき不備はない、とした。 また、請求人による「納税者にとって不利益処分であれば、具体的に理由付記する義務があるので、加算税についての本件所得税各更正等通知書における理由付記及び本件消費税等各決定等通知書における理由付記について必要である」という主張について、審判所は、所得税の更正処分のうち「雑所得の金額」及び各賦課決定処分並びに消費税等の各決定処分等については、その処分の理由を付記すべき旨を定めた法令の規定はないことから、この点についての違法はない、と結論づけている。 (了)

#No. 138(掲載号)
#米澤 勝
2015/10/05

《速報解説》 改正「中小企業会計指針」の公開草案が公表~「重要性の原則」の適用など取扱いを明確化~

《速報解説》 改正「中小企業会計指針」の公開草案が公表 ~「重要性の原則」の適用など取扱いを明確化~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年10月2日、日本公認会計士協会、日本税理士会連合会、日本商工会議所、企業会計基準委員会は、「中小企業の会計に関する指針」の改正に関する公開草案を公表した。 意見募集期間は、11月2日までである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 公開草案の主な内容 以下の改正が提案されている。 (了) ↓お薦め連載記事↓

#No. 138(掲載号)
#阿部 光成
2015/10/05

《速報解説》 「平成27年分 年末調整のための各種書式」公表と同時に、個人番号記入欄が追加された「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等が公表

 《速報解説》 「平成27年分 年末調整のための各種書式」公表と同時に、 個人番号記入欄が追加された 「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等が公表   公認会計士・税理士 篠藤 敦子   9月25日に、国税庁より「平成27年分 年末調整のための各種書式」が記載例とともに公表された。 その中には、個人番号(マイナンバー)の記入が求められる「平成28年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の様式と記載例も含まれている。 保険料控除申告書と配偶者特別控除申告書の様式に、昨年と変わるところはない。平成28年分の扶養控除等申告書には、新たにマイナンバーを記入する欄が設けられている(下図参照)。 申告書を提出する本人のマイナンバーだけでなく、控除対象配偶者や扶養親族のマイナンバーについても記入の上、提出を受けることとなる。 〈平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書〉 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (※) 赤囲み部分が、新たに設けられた個人番号記入欄 平成28年分の扶養控除等申告書は、平成28年最初の給与支払日の前日までに、従業員等から提出を受ければよいものであるが、実務的には今年の年末調整に必要となる平成27年分の保険料控除申告書等とともに、本年10月から11月頃に提出を受ける企業が多いと思われる。 平成28年分の扶養控除等申告書の受取りは、企業にとってマイナンバーを意識する最初の業務であることも多い。制度導入後、間もない時期での対応となるため、マイナンバーの記入について事前に周知しておく等の対策を講じておく必要がある。 なお、源泉徴収や年末調整の業務に関連するマイナンバーの取得手続や注意点については、後日、本誌上において「〈平成27年分〉おさえておきたい年末調整のポイント」として、解説を行う予定である。 (了)

#No. 138(掲載号)
#篠藤 敦子
2015/10/01

《速報解説》 会計士協会、国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直しに伴う監査人の留意事項を公表

《速報解説》 会計士協会、国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直しに伴う 監査人の留意事項を公表   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年9月30日、日本公認会計士協会は、自主規制・業務本部 平成27年審理通達第3号「平成27年度税制改正における国税関係書類に係るスキャナ保存制度見直しに伴う監査人の留意事項」を公表した。 電子帳簿保存法におけるスキャナ保存要件の改正により、すべての契約書、領収書等についてスキャナ保存が可能となるとともに、スキャナ保存後の原本の破棄も可能となる。 このため、監査における監査証拠としての取扱いに関して、審理通達が発せられたものである。 監査を受ける会社にも関係する内容であるので、実務上の対応に注意が必要である。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 電子帳簿保存法におけるスキャナ保存要件の改正 電子帳簿保存法におけるスキャナ保存要件の改正に関しては、国税庁ホームページをご覧いただきたい。 主な内容は、次のとおりである。   Ⅲ 監査上の対応 すべての契約書、領収書等についてスキャナ保存を行って、スキャナ保存後に原本を破棄した場合、監査人としては、重要な監査証拠となり得る書類を利用できない可能性がある(監査基準委員会報告書500「監査証拠」参照)。 このため、審理通達は、次のことを要請している。 (了) ↓参考記事↓

#No. 138(掲載号)
#阿部 光成
2015/10/01

プロフェッションジャーナル No.138が公開されました!~今週のお薦め記事~

2015年10月1日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.138を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2015/10/01

monthly TAX views -No.33-「見えない『日本型軽減税率』の行方」

monthly TAX views -No.33- 「見えない『日本型軽減税率』の行方」   中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員 森信 茂樹   9月10日、財務省が与党税制協議会に提出した「日本型軽減税率」の評判は芳しくない。「国民の7割が反対」という世論調査まである。 おそらくそれを承知で財務省が公表せざるを得なかったのは、以下のような極めて政治的な理由からである。 ◆  ◆  ◆ 今から3年前の税・社会保障一体改革についての3党合意を結ぶ際に、当時与党の民主党は、低所得者対策として給付付き税額控除を主張、当時野党の公明党は、軽減税率の導入を主張した。当時野党の自民党は、本音では軽減税率に反対であるが、そのことはあえて主張しなかった。 この際の約束は、消費税率を10%に引き上げる税制抜本改革法7条に規定された。低所得者対策として、給付付き税額控除か軽減税率の導入を検討する、それまでの間は簡素な給付措置で対応する、というのがその内容である。 公明党は、その後、政権交代につながる衆議院選挙で、軽減税率の導入を公約にした。引き続く2回の選挙もこの公約で戦い、自民党との合意も、「消費税率10%引上げ時に導入」というところまで進んできた。 一方、軽減税率に消極的な自民党は、政権交代後の平成25年度与党税制改正大綱に「軽減税率の導入」を記述したものの、「財源問題」と「事業者をはじめとする国民の合意」を条件として付した。 このような政治状況の下で出てきたのが、今回の財務省案である。 ◆  ◆  ◆ 財務省案は、「軽減税率」という枠の中での「最大限の抵抗」を試みた案といえよう。マイナンバーカードを使う点などは、筆者の目にもハードルが高すぎると映る。今後はさまざまな改善案が出てくると予想される。 軽減税率問題の究極の本質は、インボイスや線引きの難しさ、ではない。 どこまで行っても、財源の問題だ。 飲食(酒を除く)を対象に軽減税率を導入すれば、1.3兆円の税収が吹き飛ぶ。これは、子ども・子育て支援制度の財源である7,000億円の約2倍である。さすがに公明党も、最終局面では、この点に配慮せざるを得ないと考える。 ではどうなるのか。 現段階での予想は全く難しい。 あえて言えば、次の2つの可能性であろうか。 ◆  ◆  ◆ 第1は、(改良)財務省案に加えて、「米・みそ・しょうゆ」プラスα(インボイスの不要な範囲での軽減)である。 「軽減税率の導入」という公明党の顔は立つ。インボイスは入らないので、事業者の反対は少ない。 第2は、簡素な給付措置を拡充した上で継続することである。 法律には、まとまらない場合には「簡素な給付措置」と記されている。しかしこれは先延ばし策なので、公明党から、将来に向けての何らかの証文をとられる可能性がある。また、安保法制への公明党の貢献を配慮せよと、官邸から横やりが入ってくる可能性もある。 いずれにしても、このような議論は、公平な税制の構築という議論ではなく、国民不在の政治の議論である。 ◆  ◆  ◆ 最後に、この問題をややこしくしている要因に、新聞が軽減税率を要求する当事者だという問題がある。 読売新聞は連日軽減税率の導入を主張しているが、「低所得者対策」としての軽減議論ではなく、自らの業界の経営問題を持ち込んだ導入賛成論だ。つまり、「公益」と「私益」を混同した議論といえよう。 自分の業界だけは軽減税率に、ということになれば、住宅など様々な業界から大陳情合戦が起きる可能性がある。 なぜ新聞各社は、国民の立場に立った議論を展開しないのだろうか。 なさけない限りの軽減税率議論である。 (了)

#No. 138(掲載号)
#森信 茂樹
2015/10/01

〈直前対策〉税理士事務所に必要なマイナンバー制度への対応と“おさえておきたい”ポイント 【第1回】「税理士事務所として準備すること」

〈直前対策〉 税理士事務所に必要な マイナンバー制度への対応と “おさえておきたい”ポイント 【第1回】 「税理士事務所として準備すること」   税理士 特定個人情報保護委員会事務局 総務課上席政策調査員 鈴木 涼介     1 安全管理措置とその目的 税理士事務所は、顧問先企業や納税者(以下「顧問先企業等」という)、事務所の従業員に係る個人番号及び特定個人情報(以下「特定個人情報等」という)を大量に保有することになる。 特定個人情報等については、漏えい、滅失又は毀損の防止その他の特定個人情報等の管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければならない(番号法12、33、34、個情法20、21)。 したがって、税理士事務所の事前準備作業としては、特定個人情報等を取り扱う前までに、安全管理措置を講ずることがあげられる。 ここで最も多い誤解が、「最低限、何をやればよいのか」といった視点で安全管理措置を捉えてしまうことである。 安全管理措置の目的は、「特定個人情報等の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の特定個人情報等の管理」である。この目的を達成できるのであれば、その手法は問わない。 例えば、物理的安全管理措置の手法として、個人番号が記載されている書類等について「施錠できるキャビネットに保管する」というものがある。しかし、この手法を採用して、施錠できるキャビネットを購入したとしても、その施錠のための鍵を無造作に机の上に放置したり、誰でも使えるようにしたりしていては、措置を講じた意味がない。 したがって、「何をすればよいか」ではなく、「どのように情報を管理するか」を意識して、安全管理措置を講ずることが重要である。   2 規程類の策定と各種措置 安全管理措置の内容としては、 とがある。 「基本方針」は、いわゆるプライバシーポリシーや個人情報保護方針といったものに相当するものであり、関係法令・ガイドライン等の遵守、安全管理措置に関する事項、質問及び苦情処理の窓口などを記載することになる。基本方針は策定が義務付けられているものではないが、税理士事務所は、特定個人情報等を大量に取り扱うことから、策定することが望ましい。 「取扱規程等」は、事務の流れを整理して、特定個人情報等の具体的な取扱いを定めるものである。取扱規程等の策定は義務であり、税理士事務所は必ず策定しなければならない。 基本方針及び取扱規程等については、「税理士のためのマイナンバー対応ガイドブック」(日本税理士会連合会)(以下、「税理士ガイドブック」)にひな型が掲載されているため、それを参考に策定することが効率的であると考えられる。 この場合、基本方針は、ひな型のとおり利用することが考えられるが、取扱規程等については、それぞれの税理士事務所の規模や事務の流れによって内容が変わりうるものであることから、単にひな型をそのまま書き写すのではなく、各事務所にあった形にカスタマイズすることが重要である。 組織的・人的・物理的・技術的安全管理措置については、まさしく税理士事務所の様々な状況によって変わりうることから、各事務所の規模等に応じて、適切に措置を講ずることとなる。 『組織的安全管理措置』のうち「取扱規程等に基づく運用」は、「取扱規程等に基づく運用の確保」と「監査時等の確認手段の確保」との2段階で考えることが重要である。この点、税理士ガイドブックにおいては、「特定個人情報等の取扱いに関する事務チェックリスト」や「執務記録」を利用する方法が例示されている。なお、このほか、システムに実装されている機能を用いて、アクセスログ等を記録・保存して管理することも考えられる。 『人的安全管理措置』は、事務所の従業員に対して、特定個人情報等の取扱いの許可事項、禁止事項、その理由について周知徹底することが重要である。 『物理的安全管理措置』は、税理士事務所の場合、作業スペースのすべてが取扱区域に該当すると考えられることから、来客スペースとの区分を明確にし、来客などの外部の者に特定個人情報等が漏えい等しないようにすることが重要である。また、盗難等の防止策としては、特定個人情報等が記載された書類は鍵のかかるキャビネットに保管し、パソコンについてはセキュリティーワイヤーなどで固定することが考えられる。さらに、個人番号を廃棄又は削除した場合には、廃棄又は削除したことの記録を保存しておく必要がある。 『技術的安全管理措置』は、特定個人情報等が記録されたパソコンやシステムを使用できる者を制限するとともに、その者が取り扱う特定個人情報等の範囲を制限し、適正な範囲で利用できるようにすることが重要である。また、外部からの不正アクセス等を防止するため、ウィルス対策ソフト等の導入やパソコンに標準装備されている自動更新機能等の活用によるソフトウエア等の更新を行うことが重要である。   3 委託契約の見直し 番号法においては、個人番号利用事務又は個人番号関係事務の全部又は一部の委託をする者は、委託を受けた者において取り扱う特定個人情報の安全管理が図られるように、その委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行うことが求められている(番号法11)。 すなわち、税理士事務所は、委託元である顧問先企業等から「必要かつ適切な監督」を受けることとなる。 この「必要かつ適切な監督」には、「委託先に安全管理措置を遵守させるために必要な契約の締結」や「委託先における特定個人情報の取扱状況の把握」などが含まれ、その契約内容として、秘密保持義務や特定個人情報の目的外利用の禁止など一定の規定を盛り込まなければならない(※)。 (※) 規定すべき事項については、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」(特定個人情報保護委員会)P20を参照。 したがって、税理士事務所は、特定個人情報等を取り扱う前までに、顧問先企業等との業務委託契約の内容を見直す必要がある。 この点、税理士ガイドブックにおいては、 という3つの書類のひな型が示されている。 顧問契約などを締結して契約書を作成している場合には、①の業務契約書の改訂及び②の合意書の作成が必要となる。 この契約書の改訂とは、契約条項の1つとして、以下の条項を追加することとなる。 【税理士ガイドブックより抜粋】 契約書を作成していない場合は、本来的には契約書を作成すべきではあるが、マイナンバー制度への対応という課題については、③の覚書を作成して対応することとなる。 (了)

#No. 138(掲載号)
#鈴木 涼介
2015/10/01
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