検索結果

詳細検索絞り込み

ジャンル

公開日

  • #
  • #

筆者

並び順

検索範囲

検索結果の表示

検索結果 10418 件 / 9361 ~ 9370 件目を表示

「消費税の取扱事項」に関する法人間契約の注意点と対応策 【第3回】「請求者と支払者との税率の齟齬が生じる場合の対応策と法的問題点」

「消費税の取扱事項」に関する 法人間契約の注意点と対応策 【第3回】 (最終回)  「請求者と支払者との税率の齟齬が生じる場合の対応策と法的問題点」   弁護士・税理士 米倉 裕樹   請求者と支払者との間で消費税率の齟齬が生じる場合としては、例えば、以下のような場合が想定される。 上記〔事例1〕から〔事例3〕では、いずれの場合においても、請求者は5%での課税売上、支払者は8%での仕入税額控除を行えそうであり、一見、請求者と支払者との間で消費税率の齟齬が生じている。 このような場合、いずれの消費税率にて統一されるべきかが問題となるが、いずれの場合においても請求者側の税率となる5%にて処理されるべきである。 理由は以下のとおりである。 したがって、例えば、以下のような合意を契約当事者間において締結したとしても、課税庁から否認されることとなる。 ※画像をクリックするとPDFファイルが開きます また、経過措置の適用があることを見過ごして、請求者が8%にて請求した場合も同様である。このような場合には、差額3%相当額について請求者は支払者に対し、不当利得として返還しなければならない。 もっとも、請求者において8%にて請求することが認容されている場合、例えば、国税庁消費税室作成による「平成26年4月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A」問4(施行日を含む1年間の役務提供を行う場合)での との取扱いに従う場合には、施行日前であっても、請求者において8%にて請求することが可能であり、支払者においても8%にて仕入税額控除を行うこととなる。  (連載了)

#No. 53(掲載号)
#米倉 裕樹
2014/01/23

〔税理士・会計士が知っておくべき〕情報システムと情報セキュリティ 【第11回】「海外拠点への基幹システム導入を成功させるために」

〔税理士・会計士が知っておくべき〕 情報システムと情報セキュリティ 【第11回】 「海外拠点への基幹システム導入を成功させるために」   公認会計士 五島 伸二   海外進出の流れは止まらない ここ数年続いた円高の影響もあって、製造業が国内生産から撤退してアジアを中心とした海外に生産拠点を設ける動きが続いた。大企業はもちろん、その下請企業である中小企業も海外に拠点を作るようになり、その流れは、最近では流通業にまで及んでいる。 今後、円安傾向が続いたとしてもこの流れは止まらないだろう。海外、特にアジアの新興国は、流通業にとっては今後も成長が期待される有望なマーケットとして、製造業にとってはより消費地に近い生産拠点として、いずれも魅力的な進出先だからである。 企業が海外への投資に重点をおく傾向が続くのであれば、長期的に抑制傾向にあるIT投資予算も海外分野により多く配分するのが合理的である。 本稿では、今後、多くの企業が直面するであろう海外拠点における情報システムに関する課題と、基幹システム導入の重要なポイントについて説明する。   海外進出する企業が抱える情報システムの課題 海外に拠点を作った当初は、まず製造活動や販売活動を立ち上げることが主眼になり、情報システムの整備に関しては優先度が低くなるのが通常である。現地で使われている安価なパッケージを導入したり、エクセルなどで手管理して業務を回すといったことが多いようである。 しかし、一旦、拠点が立ち上がって活動が活発化すると、それまで見えてこなかった課題が顕在化する。 企業が抱える海外拠点の情報システムに関する課題としては、主に以下のようなものがある。 こういった課題に対しては、現地の人のがんばりでなんとかカバーしているというのが多く企業の現状である。 人材に厚みのある大企業であればそれでも乗り切れるかもしれないが、海外拠点の管理業務に多くの人員をあてることが難しい中小・中堅企業では、課題が積み残しになっているというのが実情ではないだろうか。   「人の問題」から「仕組みの問題」への転化を 海外進出した企業が抱える情報システムの課題をいつまでも「人の問題」にしておくわけにはいかない。 購買、生産、販売、会計といった基幹業務を適切にマネジメントするために基幹システムを導入することで「人の問題」から「仕組みの問題」に転化させることが必要となる。 「人の問題」のままでは、「その拠点に誰がいるか?」によって管理レベルが決まってしまう。「仕組みの問題」とすれば、本社からのコントロールのもとで管理レベルが統制可能となる。 ただし、基幹システムさえ導入すれば上記のような課題は即時に解消されるかというと、残念ながらそういったことにはならない。 基幹システムの導入は、単にアプリケーションソフトウェアをコンピュータにインストールして業務に使用することではない。適切な導入をしないと、期待した効果が得られないばかりか、多くの時間とお金を無駄にすることなる。 以下では、海外拠点への基幹システムの導入を成功させるポイントのうち、重要なポイントとして「導入目的を明確にすること」「スピーディに導入すること」について説明する。   明らかな導入目的はあるか? 筆者がこれまでのコンサルタントとして活動してきたなかで、システムの導入目的を最初に明確にしなかったために、その後の開発、運用のフェーズでシステムの要件が定まらず、導入プロジェクトが大きく混乱した例を多数知っている。 基幹システム導入において、最初に目的を明確にすることは非常に重要なポイントである。 では、海外進出する企業が「基幹システムを導入する目的」とは、具体的にどういったものがあるのであろうか。 以下、代表的と思われるものを5つ挙げる。 以上の(1)から(5)は、総じて言えば となる。 海外拠点に基幹システムを導入することで、個々の拠点ごとのPDCAサイクルはもちろん、グループ全体でPDCAサイクル回すことが可能となる。   導入はスピーディーに 導入目的を明確にして基幹システム導入はスタートする。 海外進出企業が基幹システムを実際に導入するプロセスで重要なのは、何をおいてもスピーディーに導入することであろう。 ビジネス環境の変化の激しいアジアなどの拠点に導入する場合、導入に時間をかけすぎると、導入が完了した時点ですでに環境が変化し、システムと業務がアンマッチを起こす恐れがある。 このため、日本企業にありがちな細かな要件にこだわったりせず、ERPなどのパッケージやクラウド製品を活用して、スピーディーかつシンプルに導入することが極めて重要である。   おわりに 海外拠点への基幹システムの導入を成功させるには、上記以外にも多くのポイントがある。 これらに関しては、本連載の【第4回】「経営者のIT導入の悩みに応える5つの視点」もぜひ一読の上、参考にしていただきたい。 (了)

#No. 53(掲載号)
#五島 伸二
2014/01/23

顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第32回】「経費管理のKPI(その⑥ 経費分析)」

顧問先の経理財務部門の “偏差値”が分かる スコアリングモデル 【第32回】 「経費管理のKPI (その⑥ 経費分析)」   株式会社スタンダード機構 代表取締役 島 紀彦   はじめに 今回は、経費管理を構成する複数のKPIから、経理財務部門が行う「経費分析」のサービスレベルを評価するKPIを取り上げる。 会社において、経費は原価計算対象に賦課又は配賦できないと判断された期間費用なので、財務会計上はそれを販売費及び一般管理費として計上する。しかし、事業の内容が複雑で社内に複数の部門を抱える規模の会社では、そのような費目別集計結果をそのまま経費管理に使っても、経営管理には役に立たないことがある。そこで、経理財務部門には、社内の数多くの主管部門がさまざまな使途で使っている経費に対して、企業価値の向上の観点から複数の分析の光を当てることが期待される。 そこで、今回は、経費分析を通じて経理財務部門が経費管理において担う戦略性を評価するKPIを紹介しよう。   KPIが設定された業務プロセスの確認 まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。 経済産業省スタンダードでは、経費管理において、会社が担う一般的な機能を、「年度予算管理」と「日常管理」に分けている。 このうち、「年度予算管理」を構成する機能は、「年度予算策定」と「予算実績対比」である。 今回解説するKPIは、「年度予算管理」における「予算実績対比」に関連する業務プロセスにおいて設定されている。 〈経済産業省スタンダード:経費管理で会社が担う機能〉 (経済産業省「経理・財務サービス スキルスタンダード」より)   さらに、経済産業省スタンダードでは、「予算実績対比」に関連する業務プロセスを次のようにまとめている。 〈経済産業省スタンダード:7.2.1予算対比検証〉   (経済産業省「経理・財務サービス スキルスタンダード」より)   経費予算に対する実績の検証は、財務会計における費用計算である費目別経費予算を策定することを前提に、その経費予算額に対して、同じく費目別の集計結果である経費実績額を対比させて比較を行い、両者の乖離の原因を分析し、分析結果を日常の経費管理や次年度の経費予算の策定に役立てる。 今回のKPIは、会社の事業規模や事業構成に応じて、経費の年度予算管理において、経理財務部門が、費目別分析以外の分析の視点を持つことが、企業価値を高めるための経営判断に有用な情報の提供につながることに着目し、経費集計の視点の数を問うものである。   定義を理解する 調査項目の文言から、KPIの定義を確認しよう。以下、KPIの項目を再掲する。 「費目別経費集計」とは、財務諸表を作成するために行う財務会計上の経費集計をさす。通常は、販売費及び一般管理費の内訳となる勘定科目である。 「費目別以外の経費集計」とは、経営計画、組織編制、予算策定、目標設定、資源配分、業績管理、業績評価のために行う管理会計上の経費集計をさす。 例えば、経費の機能に着目した集計であれば、部門別集計が該当する。また、経営管理の単位に整合させる集計であれば、セグメントと呼ばれる単位の集計が該当する。セグメント別集計には、顧客別集計、製品・商品・サービス別集計、地域別集計、販売方法別集計等が該当する。   KPIの背景にある価値判断 スコアリングモデルでこのKPIを設定したのはなぜか。 このKPIは、経費の発生状況を適正に捉え、経費管理に関する経営層の適切な経営判断を支援するため、適正な細かさによる複数の視点から期間費用を分析することが望ましいという価値判断に基づいて設定されている。 すなわち、財務会計上の費目別集計以外の複数の視点で、経費を多面的に管理し、経費の発生要因やその削減方法について、経営者が適切な経営判断を下すことができるように経費集計能力を高めることが、経費管理において経理財務部門が担う戦略性であると考えている。 ところで、どうして経費分析に費目別集計方法以外の視点を使うことが有用なのか。 事業構造が単純で事業規模も小さな会社では、財務会計上の費目別集計によっても、経営者は、社内で発生する経費の発生要因を捉えて、自らの責任で適切に管理することが可能かもしれない。 ところが、会社が一定規模を超えて、事業の内容が複雑になり、社内に複数の部門を抱えるようになると、経営者が経営判断の一部を機能やセグメントを管理する部下に権限委譲し、その管理責任を負わせる。部下は、委譲された権限の範囲で経費の支出を行うため、発生する経費の中身が多岐にわたるようになるし、組織の構成が複雑になれば、経費の発生に関連する主管部門の数も増える。 そこで、そのような経費の管理はどうあるべきかが問題となるが、経営者が多種多様の経費を費目別集計だけによって管理することは、経費の発生要因を捉えることができないだけでなく、権限委譲をしている状況を考えれば困難であると分かる。 むしろ、権限委譲された機能やセグメントに応じて、経費を集計し、一義的には権限委譲された部下に経費管理を委ね、経営者は機能やセグメントを横断した全社的な管理を担う方が経営管理上は効率的であるし効果的である。いわゆる責任会計の考え方である。すなわち、経費を使う権限のあるところに経費を管理する責任があり、その責任を全うするためには責任の外延に応じた経費集計の情報が必要ということである。 そこで、スコアリングモデルでは、経費管理における経理財務部門が担う戦略性を比較するため、経費集計の視点の数をKPIとした。 この視点の数が大きい会社が小さい会社よりも相対的に望ましいと考えている。   顧問先のKPIを測定してみる では、実際にどのような手続でKPIを測定するのか。 まず、読者は、顧問先の経理財務業務を観察し、経費の予算実績管理において経理財務部門が一定の分析を行う業務プロセスが組み込まれていることを確認していただきたい。 それを前提に、例えば、経理財務部門が作成する業績管理用報告資料を閲覧し、費目別集計以外に、経費が集計される視点の数を確認していただきたい。 さて、読者の顧問先において、費目別以外の経費集計の視点は何個になったであろうか。 *  *  * 次回は、「予算管理」を構成する複数のKPIから、会社全体の計画統制プロセスを確立するにあたり経理財務部門が担うべきサービスレベルを評価するKPIを取り上げる。 (了)

#No. 53(掲載号)
#島 紀彦
2014/01/23

女性会計士の奮闘記 【第13話】「M子が知った社長の“思い” 」

女性会計士の奮闘記 【第13話】 「M子が知った社長の“思い” 」   公認会計士・税理士 小長谷 敦子   〈所得拡大促進税制の見直し・拡充〉 ◆ワンポントアドバイス◆ 会社の社長の言葉に耳を傾け、社長の思いを実現させるにはどうすればよいか、そのためには、どのような情報を提供すればいいかを考えましょう。 常にアンテナを張り、どんな些細なことでも聞き逃さず、「あの制度が使える」とピンと来ることが必要です。 そうすれば、お客様にとって“かゆいところに手が届く”頼もしい存在となるはずです。 (了)

#No. 53(掲載号)
#小長谷 敦子
2014/01/23

《速報解説》 公益法人等に寄附をした場合の譲渡所得等の非課税制度(措置法40条)の見直し~平成26年度税制改正大綱~

 《速報解説》 公益法人等に寄附をした場合の 譲渡所得等の非課税制度(措置法40条)の見直し ~平成26年度税制改正大綱~   弁護士 木村 浩之   1 はじめに 平成26年度税制改正大綱では、個人所得課税に関する改正として、公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例について、一定の要件の見直し等の措置が講じられることになった。 本稿では、現行制度の概要を解説するとともに、主な改正の内容について概説することとしたい。   2 現行制度の概要 個人が不動産や株式などの現物資産を法人に寄附した場合、その寄附をした時点において時価で譲渡されたものとみなされ(みなし譲渡)、譲渡所得税が課されるのが原則である(所法59①一)。 これに対して、公益法人等(公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的として事業を行う法人)に財産を寄附した場合は、一定の要件の下で国税庁長官の承認を受けることにより、譲渡所得税を非課税とする特例が認められている(措法40)。 ただし、公益法人等が寄附財産を他に移転するなどして、公益目的に使用しないことになる場合には、承認の取消しがなされて、その公益法人等を個人とみなして譲渡所得税が課されることになる(いわゆる「取戻し課税」)。 今回の改正では、寄附財産が他に移転したとしても、この取戻し課税を受けない場合が拡充されるなど、承認(の取消し)に関する要件が整備されることになる。   3 主な改正の内容 (1) 株式交換等が行われた場合の非課税特例の継続 公益法人等が寄附財産を他に譲渡した場合でも、それが収容等の一定の事由による譲渡であり、その譲渡対価で代替資産を取得したときは、承認の取消しはなされず、その代替資産について非課税特例が継続するものとされている。 今回の改正では、この一定の事由に株式交換等(税制適格のものに限る)が追加されることになる。これにより、株式交換等によって交付を受けた株式についても、非課税特例の継続対象とされることになる。 なお、この改正は、平成26年4月1日以後に行われる株式交換等について適用されることになる。 (2) 寄附財産が株式である場合の非課税特例の適用 非課税特例の承認を受けるための要件のひとつとして、「寄附者の所得税等を不当に減少させる結果とならないこと」が定められている。これが認められるための具体的な条件として、寄附を受ける公益法人等の公益性が確保されていることといった条件が定められている。 今回の改正では、寄附財産が株式である場合に、上記条件に加えて、公益法人等が株式の2分の1超を保有することにならないという株式保有制限が追加されることになる。 これにより、株式の寄附の場合は、非課税特例の適用を受けるためには、上記株式保有制限に抵触しないように留意する必要がある。 なお、この改正は、平成26年4月1日以後に行われる株式の寄附について適用されることになる。 (3) 買換えや合併等による移転をした場合の非課税制度の継続 公益法人等が寄附財産について一定の要件の下での買換えや合併等による移転をした場合、国税庁長官に事前届出をすることで、非課税特例の継続が認められている。 今回の改正では、この事前届出の便宜を図るために、非課税特例の承認対象財産であるかどうかの確認を申請することができるようになるとともに、合併等による移転の場合に事前届出を欠いていたとしても、承継法人が引き継いだ財産の中に非課税特例の承認対象財産があることを知ってから2ヶ月以内に届出をすることにより、非課税特例の継続が認められることになる。 なお、この改正は、平成26年4月1日以後に行われる申請又は届出について適用されることになる。 (了)

#No. 52(掲載号)
#木村 浩之
2014/01/20

《速報解説》 「連結の範囲及び持分法の適用範囲に関する重要性の原則の適用等に係る監査上の取扱い」等の改正

《速報解説》 「連結の範囲及び持分法の適用範囲に関する重要性の原則の適用等に係る監査上の取扱い」等の改正   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成26年1月14日付で、日本公認会計士協会は次の実務指針等を公表した。 これらの改正は、平成25年9月に企業会計基準委員会から公表された「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)等の改正を受け、現行の会計基準等との整合性を図るためのものである。 上記①の改正については公開草案を公表しており、その他のものについては用語の修正であるとして公開草案を公表せずに改正するものである。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正事項 1 特別目的会社に関するQ&A 特別目的会社の連結及び開示として、次の会計基準等を用いている(Q2等)。 いずれも現行の会計基準等に合わせるものであり、現行実務に影響はないものと解される。 財務諸表等規則8条7項に合わせて「譲渡会社等」の用語に修正している(Q3等)。 財務諸表等規則8条7項の特則は、特別目的会社が資産を譲り受ける場合のみに適用されるので(連結会計基準7-2項、49-3項、49-5項及び54-2項)、特別目的会社の利用として物件の開発行為を行うタイプについては財務諸表等規則8条7項の特則の適用はないことになる。 これも現行実務と同じなので、影響はないものと解される。 そのほか、「連結財務諸表に関する会計基準」及び「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針」に従って、特別目的会社に関する開示に関する留意点(Q23)をあらためて整理したり、監査基準委員会報告書の参照箇所について、参照先の改正等に合わせて変更を行ったりしている。 適用は平成26年1月14日からとされている。 2 連結の範囲及び持分法の適用範囲に関する重要性の原則 「連結の範囲及び持分法の適用範囲に関する重要性の原則の適用等に係る監査上の取扱い」(監査・保証実務委員会実務指針第52号)が改正されている。 実際に改正された箇所は用語修正の範囲であるが、実務指針第52号1項の最後に次の記載があることに注意が必要である。 平成25年9月に、企業会計基準委員会から「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)などの一連の会計基準等の改正が公表されている。 これらの会計基準等において、当期純利益の表示が改正されており、改正前の会計基準等の「少数株主損益調整前当期純利益」は、改正後の会計基準等では「当期純利益」となっている。また、改正前の会計基準等の「当期純利益」は、改正後の会計基準等では「親会社株主に帰属する当期純利益」となっている。 このように「当期純利益」の内容が変わっているが、実務指針第52号4項の「連結の範囲から除外できる重要性の乏しい子会社について」において、利益基準は、従来と同様に次の算式となっている(持分法については5項)。 これは、平成25年9月に改正された「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号)、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)などの一連の会計基準等を考慮しても、従来の利益基準に係る算式を改正する必要がなかったためと解される。 実務上、「連結の範囲から除外できる重要性の乏しい子会社について」及び「持分法の適用範囲から除外できる重要性の乏しい非連結子会社等について」の適用に際しては、上記の利益基準、実務指針第52号4-2項及び5-2項に注意が必要である。 平成25年9月に改正された「企業結合に関する会計基準」等の適用時期について、連結会計基準第39項の表示方法に係る事項については、平成27年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用するものとし、早期適用は認められていない(連結会計基準44-5項)。 しかしながら、実務指針第52号の適用は平成26年1月14日からとされていることにも注意が必要である。 3 「個別財務諸表における関連会社に持分法を適用した場合の投資損益等の注記に関する監査上の取扱い」などについて Ⅰで述べた③から⑤については、次のような用語修正が行われている。 適用時期については、平成26年1月14日から適用されるものと、平成25年に改正された連結会計基準を適用する連結会計年度から適用するものとがあるので、各実務指針で確認していただきたい。 (了)

#No. 52(掲載号)
#阿部 光成
2014/01/20

産業競争力強化法の成立について(更新)

産業競争力強化法の成立について 12月4日に産業競争力強化法が第185回国会(臨時会)において可決・成立しました。公布後3ヶ月を超えない範囲内において、政令で定める日から施行されます。 〔追記2014/1/17〕 本日付の官報号外第9号において「産業競争力強化法の施行期日を定める政令」及び「産業競争力強化法施行令」等、関係政省令・告示が公布されました。 〔追記2014/1/14〕 「産業競争力強化法」の施行のための政令が閣議決定されました(経済産業省ホームページ)。 公布 平成26年1月17日(金)、施行 平成26年1月20日(月) 〔追記12/11〕 ◆12月11日付け官報(号外第269号)において、産業競争力法が公布されました。 ◆「産業競争力強化法施行令(案)等に対する意見募集について」(パブリックコメント) 10月1日に公表された「民間投資活性化等のための税制改正大網」における各特例措置については、この法律の施行の日から実質適用されるものもあります。下記に関連記事をまとめましたので、ぜひご覧ください。

#Profession Journal 編集部
2014/01/20

《速報解説》 産業競争力強化法の施行日は平成26年1月20日~関係政省令の公布について~

《速報解説》 産業競争力強化法の施行日は平成26年1月20日 ~関係政省令の公布について~   Profession Journal 編集部   平成26年1月17日付の官報号外第9号において「産業競争力強化法の施行期日を定める政令」及び「産業競争力強化法施行令」等、関係政省令・告示が公布され、産業競争力強化法の施行期日が平成26年1月20日と定められた(同法附則第1条第2号に掲げる規定(特許料の軽減措置等に係る規定)の施行期日は同年4月1日)。 「産業競争力強化法」(以下「本法」)は先の臨時国会において成立したもので、アベノミクス戦略として、日本経済の再生と産業競争力強化を目的に、企業の提案に基づく「規制改革」を実行するための新たな特例措置、「産業の新陳代謝」を促進するためのベンチャー投資や事業再編の促進などの措置が規定されている。 本法は昨年(平成25年)12月11日に公布されたが、附則第1条において「公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」と規定されていたところ、上記政令により施行期日が確定したことになる。 「税制秋の陣」として昨年10月に与党が公表した「民間投資活性化等のための税制改正大網」では、景気刺激策としての企業減税に係る特例措置が織り込まれており、「産業競争力強化法の施行の日から適用する」とされているものがあることから、その施行期日がいつになるのか、実務家の間で注目されていた。 詳しくは下記の解説記事をご覧いただきたい。 なお、上記大綱に関する改正法案は、「平成26年度税制改正大綱」(12月24日閣議決定)と合わせて、1月24日に召集される通常国会において審議される予定となっているが、「事業再編等に係る登録免許税の軽減措置」については、本法の附則第29条(租税特別措置法の一部改正)において既に規定されているので留意しておきたい。 なお、施行期日を定める政令と共に、要件や手続規定を定めた関係政省令等についても官報同号にて公布されており、主に以下のようなものがある。 なお、「経済産業省関係産業競争力強化法施行規則」の第5条においては、本法第2条第13項で定義されていた「生産性向上設備等」についてのより詳しい要件が規定されており(官報同号P49)、上記大綱における「生産性向上設備投資促進税制」の適用にあたり参考になると思われる。 (了)

#No. 52(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2014/01/17

Profession Journal No.52 公開のお知らせ

2014年1月16日(木)AM10:30、Profession Journal  No.52 が公開されました。 Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開してまいります。 Web情報誌 Profession Journalは、プロフェッションネットワークのプレミアム会員専用の閲覧サービスです。 Profession Journalについての詳細はこちら。 バックナンバー一覧はこちら。

#Profession Journal 編集部
2014/01/16

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第13回】「土地譲渡に係る所得税と相続税との二重課税問題(その1)」

酒井克彦の 〈深読み◆租税法〉 【第13回】 「土地譲渡に係る所得税と相続税との二重課税問題(その1)」   国士舘大学法学部教授・法学博士 酒井 克彦   いわゆる『年金二重課税事件』と呼ばれる事例の上告審最高裁平成22年7月6日第二小法廷判決(判時2079号20頁。以下「平成22年最判」ともいう)は、相続人が取得した生命保険年金のうち、相続税の課税対象とされた年金受給権の額に相当する部分については、所得税が非課税であると判示した。このことは巷間知られているところである。 さて、この最高裁判決は、原告(被控訴人・上告人)の夫が訴外生命相互会社との間で締結していた生命保険契約(被保険者及び契約者:夫、受取人:原告)に基づき、夫の死亡により原告が受け取った年金払保障特約年金について、所得税法9条1項16号(訴訟当時は15号)の適用により所得税が非課税と判断された事例であるが、この判決の考え方が、他の二重課税が問題とされる事案にまで適用されると解するべきかが議論されている。 近時、この点を直接に争う事案が散見されるところ、本稿では、そのうちの代表的な事案の一つである東京地裁平成25年6月20日判決(判例集未登載。以下「本件東京地裁判決」ともいう)を素材にして、この点につき検討を加えることとしたい。 この事案では、相続した土地の譲渡において、当該土地に係る含み益のうち、被相続人が所有していた期間に係るものについては、相続税と譲渡所得に係る所得税との二重課税が生じているとして、所得税法の非課税規定が適用されると解するべきか否かが問題となっている。   Ⅰ 本件事案の概要 本件は、亡Aから相続により取得した不動産の譲渡に係る所得税を分離長期譲渡所得の金額に計上し、平成21年分所得税の確定申告をしたX(原告)が、上記譲渡に係る譲渡所得のうち、亡Aの保有期間中の増加益に相当する部分については所得税法9条1項15号(現行法16号。以下「本件非課税規定」ともいう)の規定により所得税を課されないことを理由に、S税務署長に対して、平成21年分所得税の更正の請求をしたところ、S税務署長から、更正をすべき理由がない旨の本件通知処分を受けたため、国Y(被告)を相手取り、かかる処分の取消しを求めた事案である。 本件の具体的事実関係はおおむね次のとおりである。 亡Aが平成19年10月7日に死亡したため、亡AとUとの間の子であるXは、本件土地及び建物(以下「本件建物等」という)の亡Aの共有持分を相続により取得した。その結果、XとUは、本件建物等をXが持分6分の5、Uが持分6分の1の割合で共有することとなった。X及びUは、平成21年7月31日に訴外Bに対して、代金2,100万円(Xの持分に相当する金額は1,750万円)で本件建物等を譲渡(以下「本件譲渡」という)した。 Xは、平成22年3月12日にS税務署長に対して、本件譲渡に係る譲渡所得の内訳として、譲渡価額1,750万円、取得費(昭和41年3月19日)282万1,237円、譲渡のための費用51万6,917円、譲渡所得金額1,416万1,846円を含む平成21年分所得税の確定申告を行った。 その後、Xは、平成23年3月2日に、S税務署長に対して、分離長期譲渡所得の金額を零円、還付金の額に相当する税額を48万3,195円とする平成21年分の所得税の更正の請求を行った。この更正の請求は、本件譲渡に係る譲渡所得のうち、亡Aの保有期間中の増加益に相当する部分については、本件非課税規定により所得税が課されないことを理由とするものである。なお、Xは、亡Aの相続に係る相続税の共有持分の相続税評価額を2,034万7,675円としていたところ、本件譲渡の代金2,100万円のうちXの持分に相当する金額は1,750万円であり、この金額は、上記相続税評価額を下回るものであるため、Xは、本件譲渡に係る譲渡所得の金額のすべてが非課税所得になると主張したのである。   Ⅱ 争点 本件の争点は、本件譲渡に係る譲渡所得のうち、亡Aの保有期間中の増加益に相当する部分については本件非課税規定により所得税を課されないか否かである。   Ⅲ 当事者の主張 1 Yの主張 次のとおり、本件譲渡に係る譲渡所得のうち、亡Aの保有期間中の増加益に相当する部分については本件非課税規定の適用はなく、この増加益に相当する部分については所得税が課される。 2 Xの主張 次のとおり、本件譲渡に係る譲渡所得のうち、亡Aの保有期間中の増加益に相当する部分については既に相続税が課税されているため、本件非課税規定が適用される。 さて、いずれの主張が妥当であろうか。 (続く)

#No. 52(掲載号)
#酒井 克彦
2014/01/16
#