企業の[電子申告]実務Q&A 【第3回】 「義務化の適用開始時期」 -初めての電子申告時期の確認- SKJ総合税理士事務所 税理士 坂本 真一郎 ●○●○解説○●○● 電子申告の義務化は、「2020年4月1日以後開始する事業年度(課税期間)」から適用されることとなります。例えば、申告期限の延長の特例を受けていない3月決算法人の場合、電子申告の義務化の適用開始時期を図示すると、以下のとおりとなります。 【電子申告義務化の適用開始時期の例示・・・3月決算法人(期限延長なし)の場合】 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (※) 義務化対象法人は、その申告の種類に関係なく、対象事業年度(課税期間)開始の日が2020年4月1日以降であれば、電子申告を行う必要があります。 [法人税] ① 法人税確定申告については、2020年4月1日~2021年3月31日事業年度分(2021年5月31日申告期限分)から適用開始。 ② 法人税予定申告については、2020年4月1日~2020年9月30日事業年度分(2020年11月30日申告期限分)から適用開始。 ③ 例えば、3月31日から6月30日へ決算期変更した場合には、2020年4月1日~2020年6月30日事業年度分(2020年8月31日申告期限分)から適用開始。 [消費税] ④ 消費税確定申告については、2020年4月1日~2021年3月31日課税期間分(2021年5月31日申告期限分)から適用開始。 ⑤ 消費税中間申告(年11回)の場合には、1回目(2020年4月1日~2020年4月30日課税期間分)、2回目(2020年5月1日~2020年5月30日課税期間分)の期限となる2020年7月31日申告期限分から適用開始。 ⑥ 例えば、3月31日から6月30日へ決算期変更した場合には、2020年4月1日~2020年6月30日課税期間分(2020年8月31日申告期限分)から適用開始。 ⑦ 期間特例(1ヶ月)の場合には、2020年4月1日~2020年4月30日課税期間分(2020年6月30日申告期限分)から適用開始。 適用開始時期の例示は以上のとおりですが、大企業の場合には消費税の納税額が大きく、毎月中間申告を行っているケースがほとんどですから、⑤のように、2020年7月末に「1回目の中間申告」と「2回目の中間申告」を併せて電子申告するというタイミングが、義務化後初めての電子申告となる企業が多いと思います。 いずれにしても、確定、予定(中間)、修正などの申告区分にかかわらず、その対象事業年度(課税期間)開始の日が2020年4月1日以降であれば、義務化対象法人は電子申告により申告書を提出する必要があります。 (了)
〈平成30年度改正対応〉 賃上げ・投資促進税制(旧・所得拡大促進税制)の 適用上の留意点Q&A 【Q10】 「比較雇用者給与等支給額に関する調整計算」 -(2)合併が行われた場合の調整計算- 公認会計士・税理士 鯨岡 健太郎 [Q10] (再掲) 平成30年度の税制改正によって、組織再編を行った場合の比較雇用者給与等支給額に関する調整計算はどのように変更されたのでしょうか。 [A10] (再掲) ◆新たに「基準日」という概念が設けられ、基準日から適用年度開始の日の前日までの期間が「調整対象年度」と定義されました。 ◆具体的な調整計算については大きな変更はありませんが、計算期間が「前年度」から「各調整対象年度」に変更されています。 【解説】 (2) 合併が行われた場合の調整計算 ① 適用年度において合併が行われた場合 適用年度に合併が行われた場合、合併日の属する月以後、被合併法人から引き継いだ国内雇用者に対する給与等支給額が加味され、雇用者給与等支給額が大きく増加することとなる。 このとき、合併法人の比較雇用者給与等支給額については、調整対象年度(後述)ごとに、被合併法人の各調整対象年度に係る給与等支給額のうち合併日の属する月から適用年度末までの月数に対応する金額を加算調整した金額に基づき計算することとされた。これにより適切な大小比較を可能とする(下図参照)。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 比較雇用者給与等支給額の調整 以下の金額を合計した額となる(措令27の12の5⑦一)。 (※1) 調整対象年度 ・基準日から適用年度開始の日の前日までの期間内の日を含む各事業年度をいう。 ・当該合併法人が「未経過法人」(当該適用年度開始の日においてその設立の日の翌日以後1年(当該適用年度が1年に満たない場合には、当該適用年度の期間)を経過していない法人)に該当する場合には、基準日から当該合併法人の設立の日の前日までの期間を当該合併法人の事業年度とみなした場合における当該事業年度を含む。 (※2) 月別給与等支給額 ・その合併に係る被合併法人の各事業年度に係る給与等支給額をそれぞれ当該各事業年度等の月数で除して計算した金額を当該各事業年度等に含まれる月に係るものとみなしたものをいう(措令27の12の5⑧)。 ・いわば「月平均額」を各月の支給額とみなすものであり、月ごとの支給額の変動を平準化する意味がある。 計算上の留意点 かかる調整計算は調整対象年度ごとに行うこととされており、その結果が直ちに「比較雇用者給与等支給額」になるわけではない。通常の場合には、基準日と前事業年度の開始日が一致するため、調整対象年度と前事業年度は一致するが、当該合併法人が「未経過法人」に該当する場合には異なることとなる。 この場合には、各調整対象年度のうち「前事業年度」に該当する事業年度に係る調整後の給与等支給額が比較雇用者給与等支給額の基礎となる点に留意が必要である。 あわせて、各調整対象年度のうち前事業年度に該当する事業年度の月数が適用年度の月数と異なる場合には、「月数補正」が必要になる点にも合わせて留意されたい(【Q3】参照)。 ② 基準日から適用年度開始の日の前日までの期間に合併が行われた場合 基準日から適用年度開始の日の前日までの期間に合併が行われた場合の比較雇用者給与等支給額については、合併法人の調整対象年度ごとに、被合併法人の各調整対象年度に係る給与等支給額を加算調整することで、適切な大小比較を可能とする(下図参照)。 ※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。 比較雇用者給与等支給額の調整 以下の金額を合計した額となる(措令27の12の5⑦二)。 (了)
特別事業再編(自社株対価M&A)に係る 課税繰延措置等特例制度の解説 【第4回】 (最終回) 「具体例及び認定手続」 太陽グラントソントン税理士法人 マネジャー 税理士 川瀬 裕太 1 具体例 ▷対象会社Bの株主側の処理 ▷認定事業者A側の処理 2 特別事業再編計画の認定手続 ① 認定申請について 特別事業再編計画の認定(【第2回】参照)を受けるには、「特別事業再編計画の認定申請書」を作成・提出する必要がある(認定申請書の様式は経済産業省ホームページからWordデータ等にて取得可能)。 なお、計画の申請を予定している場合には、要件に合致しているかどうかの確認を含め、事業を所管している省庁に事前相談することが必要と思われる。 申請書には主に次の事項を記載する(申請書様式には詳細な記載要領が示されているため、作成に当たってはそちらを参照されたい)。本稿執筆現在、特別事業再編計画の認定申請書の記入例は公表されていない。 計画認定の申請窓口は、計画に関する事業を所管する省庁となり、複数の省庁にまたがった事業を行う場合は複数省庁による共同認定となるケースもある(問い合わせ先は経済産業省ホームページを参照)。 申請を行ってから認定を受けるまでの期間は、事前相談が約2ヶ月程度、計画の申請(審査開始)から認定までが1ヶ月以内の合計3ヶ月程度が⽬安とされている(事業再編Q&A)。 ② 認定後について 認定を受けた計画は、各認定省庁のホームページ等で原則として、ただちに公表されることになる。公表される資料は申請書に記載された計画部分と措置の内容となるが、企業の事実上の機密に該当する部分については公表対象外とすることができるため、各認定省庁に相談する必要がある。 認定後は毎事業年度、所定の様式によって計画の実施状況を報告する必要がある。また、計画に変更が生じた場合には、その変更の程度により、計画変更の手続きが必要となる場合がある(事業再編Q&A)。 ③ 税務申告について 本連載で解説した譲渡利益額又は譲渡損失額の繰延べの適用は選択制ではないため、申告要件等は付されていない(財務省「平成30年度税制改正の解説」P536)。したがって、申告書作成時の手続きは、特段不要である。 (連載了)
税効果会計における 「繰延税金資産の回収可能性」の 基礎解説 【第8回】 「役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱い」 仰星監査法人 公認会計士 永井 智恵 1 はじめに 前回は、固定資産の減損損失に係る将来減算一時差異の取扱いについて、通常の将来減算一時差異とどのように異なるかを説明した。 今回は、役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱いについて説明する。 2 なぜ役員退職慰労引当金が将来減算一時差異となるのか 役員退職慰労引当金は、役員の将来における退職慰労金の支給に備えて設定される引当金である。役員に対する退職慰労金の支給は在任期間の報酬の後払いとしての性質を持ち、株主総会の承認決議を前提とすることから、当該決議前の時点において確定債務ではないものの、会計上は引当金の計上要件に照らして、以下の要件を満たす場合は各事業年度の負担相当額を役員退職慰労引当金として計上することになる。 まずは、なぜ役員退職慰労引当金が将来減算一時差異となるのかを、前回までのおさらいも兼ねて説明していきたい。 (1) 一時差異となる理由 会計上は役員退職慰労金の支給見積額のうち各事業年度までの負担相当額(決算日時点での要支給額)を引当金として計上するが、税務上は原則的に株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度に損金算入される(法人税基本通達9-2-28)ため、引当金の計上時点では損金算入が認められない。 【図1】 役員退職慰労引当金を計上した場合の会計上と税務上の取扱い このように、会計上と税務上で取扱いが異なるため、役員退職慰労引当金は一時差異となる。 (2) 将来減算一時差異となる理由 役員退職慰労引当金を計上すると、会計上と税務上とで次のように異なる。 【図2】 役員退職慰労引当金を計上した場合の会計上と税務上の差異 会計上は、内規等に基づき各事業年度における負担相当額を役員退職慰労引当金繰入額として費用計上する。 一方で、税務上は、前述のとおり引当金の計上時には損金算入が認められないため、会計上の役員退職慰労引当金は加算調整され、株主総会決議等により退職金の額が具体的に確定したときに認容減算することが原則となる。 このように、役員退職慰労引当金は、加算調整していることから税金の前払いをしているに他ならず、また言い換えれば、その分だけ将来事業年度において税額を軽減できることになるため、将来減算一時差異となる(将来減算一時差異についての詳細は連載【第1回】を参照されたい)。 3 役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱い (1) 役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱い 役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異は、スケジューリングが行われている場合とそうでない場合により、繰延税金資産の回収可能性の取扱いが異なる。 【図3】 役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱い 役員在任期間の実績、役員と会社との関係性、役員の退職に関する内規等に基づいて役員の退任時期を合理的に見込む方法等によりスケジューリングが行われている場合は、そのスケジューリングの結果に基づき繰延税金資産の回収可能性を判断する。 一方で、スケジューリングが行われていない場合には、役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異については、スケジューリング不能な将来減算一時差異として取り扱う。 ただし、分類2に該当する企業においては、スケジューリング不能な将来減算一時差異についての特別な定めがなされている。詳しくは以下の各分類における繰延税金資産の回収可能性の判断の項目で解説する。 (2) 役員退職慰労引当金に係る繰延税金資産の回収可能性の判断 役員退職慰労引当金に係る繰延税金資産の回収可能性の判断手順は、連載【第2回】で説明した手順と同じで、他の賞与引当金や未払事業税等の一時差異等と同様に解消見込年度のスケジューリングを行い、回収可能性を判断する。回収可能性の判断にあたっては、連載【第3回】及び【第4回】で説明した会社の分類に応じて取り扱うこととなる。 ① 分類1に該当する場合 〈繰延税金資産の回収可能性の判断指針〉 そのため、解消見込年度のスケジューリングができない役員退職慰労引当金に係る繰延税金資産も含め、すべての繰延税金資産に回収可能性があると判断する。 ② 分類2に該当する場合 〈繰延税金資産の回収可能性の判断指針〉 分類2に該当する会社では、将来において一時差異等加減算前課税所得を安定的に獲得する収益力があるといえるため、一時差異等のスケジューリングが正しく行われている限り、繰延税金資産の回収可能性は問題ないと判断される。 これが先に挙げた役員退職慰労引当金における特別な定めであり、役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異は、役員退職慰労金が支給される時期である税務上の損金算入時期が個別に特定できない場合でも、いずれかの時点では損金算入されるものであるから、企業がそれを合理的な根拠をもって説明する場合は、当該将来減算一時差異に係る繰延税金資産は回収可能性があると判断される。 具体的には、見積り時点において退職慰労金の支給対象となる役員の明確な退職時期は定まっていないものの、当該役員が将来のいずれかの時点で退職するときに、減算できる十分な課税所得が生じる蓋然性があることを会社が合理的に説明する場合は、回収可能性が認められると考えられる。 ③ 分類3に該当する場合 〈繰延税金資産の回収可能性の判断指針〉 そのため、解消見込年度のスケジューリングを行い、その上で、将来の合理的な見積可能期間(おおむね5年)以内の一時差異等加減算前課税所得の見積額に基づいて、繰延税金資産の回収可能性を判断する。 ④ 分類4に該当する場合 〈繰延税金資産の回収可能性の判断指針〉 そのため、解消見込年度のスケジューリングを行い、その上で、翌期の一時差異等加減算前課税所得の見積額に基づいて、繰延税金資産の回収可能性を判断する。 ⑤ 分類5に該当する場合 〈繰延税金資産の回収可能性の判断指針〉 そのため、原則として、役員退職慰労引当金に係る繰延税金資産も含め、すべての繰延税金資産に回収可能性がないと判断する。 (3) 解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異との関係 【第6回】で説明した従業員の退職給付引当金や建物の減価償却超過額等に係る一時差異、すなわち「解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異」については、企業が継続する限り、長期にわたるが将来解消され、将来の税金負担額を軽減する効果を有するため、厳密なスケジューリングでなくとも企業の分類に応じた回収可能性が認められるという例外的な取扱いがなされていた。 これに対して、役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異については、役員在任期間の実績や役員の退職に関する内規等に基づいて解消時期を合理的に見込むことが可能である。そのため、当該一時差異については、解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異とは異なる取扱いが定められている。 4 まとめ 役員退職慰労引当金に係る将来減算一時差異の取扱いは、分類2に該当する企業において当該一時差異がスケジューリング不能である場合の取扱いがポイントとなるため、ぜひ見返していただきたい。 次回は、その他有価証券の評価差額に係る将来減算一時差異の取扱いについて説明する。 (了)
企業経営と メンタルアカウンティング ~管理会計で紐解く“ココロの会計”~ 【第6回】 「無意識のつじつま合わせ」 公認会計士 石王丸 香菜子 * * * 1 つじつまの合ったストーリーが好きなココロ あなたがダイエットを思い立って、減量効果があると話題の高価な健康茶を飲んでいるとしましょう。1ヶ月後、痩せたという結果が出たら、「健康茶の効果だ!」と思いますよね。 『高い健康茶を飲む』→『痩せる』というストーリーは、つじつまが合っていて、すんなり理解することができます。痩せた原因は、夏バテしていたとか、第1事業部長のように検査のために丸一日絶食したとか、思いつかないような別のことにあるかもしれないのですが、誰でも、つじつまの合うわかりやすいストーリーを無意識のうちに仕立ててしまうものです。 また、『痩せた』という良い結果が出たことで、『高い健康茶を飲む』というプロセスも正しかったと評価しがちです。良い結果が出ると、そこに至る前の意思決定も良かったと評価し、逆に悪い結果が出ると、そこに至る前の意思決定も悪かったと評価してしまいます。結果が判明した後に、その前段階の意思決定の質を客観的に評価することは、なかなかできないものです。 こうした傾向をと呼びます。 第1事業部長も、『営業方針が良かった』→『売上高の実績が予算を上回った』というつじつまの合ったわかりやすいストーリーを想定し、良い結果が出たことから営業方針が良かったと評価していますが、これは本当に正しいのでしょうか? 2 予算と実績のズレを分解すると、本当のストーリーが見えてくる 2タイプの水彩色鉛筆セットの予算売上高10,000,000円と実績売上高11,520,000円のズレ+1,520,000円を、原因別に分解して分析してみましょう。まず、デラックス・タイプについて分析してみます。 わかりやすいように、下図のように考えます。縦の辺を単価、横の辺を数量とします(各辺の内側を実績、外側を予定としています)。売上高=単価×数量なので、売上高は四角の面積で表されます。 なお、縦の辺は上に行くほど、横の辺は右に行くほど数が大きくなるわけではないということにも留意してみていきましょう。 予算と実績のズレ+124,000円は、2つの四角の面積の違いです。ここを原因別に分解します。 最初に、単価を原因とするズレと、数量を原因とするズレに分解します。 単価を原因とするズレ(「販売価格差異」)+384,000円と、数量を原因とするズレ(「販売数量差異」)△260,000円を相殺した結果が、+124,000円です。単価を上げたことは売上高増加に貢献した一方、販売数量が減り売上高減少の要因になっていることがわかります。 さらに、数量を原因とするズレについて、細かく分解します。 デラックス・タイプとシンプル・タイプは、同種製品です。消費者が両方を購入することはあまりないでしょうから、一方の販売割合が上がると、もう一方の販売割合は下がる関係にあります。こうした販売割合(セールス・ミックス)の変化が、売上高にどう影響を与えたか、分析してみます。 デラックス・タイプの実際の販売割合は40%でしたが、予定の販売割合50%を維持していたなら、12,000個×50%=6,000個を販売できたはずです。これを分析に取り込みます。 販売割合が変化したことによるズレ(「セールス・ミックス差異」)△1,560,000円と、2タイプ合計の総販売数量自体が変化したことによるズレ(「総販売数量差異」)+1,300,000円を相殺した結果が、△260,000円です。2タイプ合計の総販売数量が増加したことは売上高増加に貢献しましたが、デラックス・タイプは販売割合が予定よりも低かったため、売上高を押し下げてしまったことがわかります。 同様にシンプル・タイプも分析し、2つを並べてみます。全てのズレの累計が、売上高全体のズレ+1,520,000円となっています。 【デラックス・タイプ】 【シンプル・タイプ】 デラックス・タイプは、単価を上げた影響で販売割合が低下し、マイナスのセールス・ミックス差異が多額に生じています。2つのタイプのセールス・ミックス差異だけに注目すると、販売割合の変化が、△1,560,000+840,000=△720,000円、売上高に影響を与えたことがわかります。 このように、予算と実績のズレを細かく分解して分析することを、と呼びます。 予算と実績のズレを合計額でとらえるのではなく、原因別に分解して考えることで、役立つ情報を得ることができます。分析方法は1つではないので、目的に応じて工夫するとよいでしょう。 ◆◇◆今回のキーワード◆◇◆ ▷ 良い結果が出ると、そこに至るプロセスや意思決定も良かったと評価する傾向のこと。 ▷ 予算と実績のズレを分析すること。ズレが生じた原因別に細かく分解して考えると良い。 (了)
M&Aに必要な デューデリジェンスの基本と実務 -法務編- 弁護士法人ほくと総合法律事務所 弁護士 横瀬 大輝 ←(前回) | (次回)→ 《第5章》 -労務- 【第5回】 「労務分野の調査(前編)」 はじめに 法務デューデリジェンスにおいては、対象会社における簿外債務の存在や金額を調査・検討することが行われる。労務分野の法務デューデリジェンスも、この簿外債務の存在や金額の調査・検討を行うことを主たる目的の1つとして行われる。 とりわけ、未払残業代や名ばかり管理職問題、正規・非正規の待遇格差などは、あらゆる業態で問題となり得るものであり、特に注意が必要な問題の1つである。以下の「1」では、簿外債務となる代表的な問題、すなわち、未払残業代、名ばかり管理職、定額残業代制度の問題を取り上げ、「2」では、簿外債務を発見した場合の対応策について取り上げる。 なお、次稿では、簿外債務の代表的な問題のうち、正規・非正規の待遇格差に関する問題を取り上げ、また、労務分野に関するそれ以外の諸問題を取り上げる。 1 簿外債務の調査-未払残業代- (1) 問題の所在 簿外債務の中でも特に問題となるのが、まず、未払残業代問題である。 使用者は、労働基準法37条により、労働者の労働時間に応じて、一定の割増率を掛けた残業代を支払う必要がある。労働基準法上の「労働時間」は、客観的に使用者の指揮命令下にあると評価できる時間を指すが、実務においては、客観的には使用者の指揮命令下にあると評価されるにもかかわらず、そのうち使用者が認めた時間のみを労働時間として計算することがある。 例えば、30分未満の残業は切捨て処理をしている場合(本来は45分残業しているにもかかわらず30分として計算するなど)、始業時間前の着替えや朝礼の時間は労働時間として計算しない処理をしている場合などが、これに当たる。あるいは、そもそもの労働時間の管理体制が不十分であるため、労働時間を計算することができないこともよくある。このような場合には、労働者には一定の残業代の請求権が存在することになる。 例えば、仮に基礎賃金が2,500円の従業員が30名存在する会社で、1ヶ月22日間の労働日数で、全員について一律1時間ずつ未払残業代があると仮定して試算すると、2年間の合計での未払残業代は、下記のとおり、実に4,950万円にもなる。なお、労働債務の消滅時効は、労基法115条により2年間とされている。 2,500円 × 1時間 × 1.25 × 22日 × 30人 × 24ヶ月 = 4,950万円 全従業員について1日1時間の未払残業代があるという極端な例ではあるが、金額のインパクトの程度のイメージは掴めるのではないだろうか。 (2) 未払残業代の算出方法 では、法務デューデリジェンスにおいて、どのような方法で未払残業代を試算するべきか。この点については、例えば以下のような方法が考えられる。 ①は、最も客観的かつ正確な未払残業代を計算することができるため、法務デューデリジェンスにおいては、本来的には①によって未払残業代を算出するのが望ましいといえよう。もっとも、①を採用するためには、十分な資料の収集とそれに基づく計算(労力)が必要となるため、資料の収集状況や法務デューデリジェンスに与えられた期間等との関係で、現実問題として①を採用することができないケースもあるし、そういったケースが多いこともまた事実である。そのため、②~④の方法などを用いて試算対象を限定せざるを得ないケースも多い。 ③は、労力を多少抑えつつも、想定され得る最大の金額を算出したい際に有用であろう。②は①の方法を簡便にしたもの、④は③を簡便にしたものであり、正確性は多少欠けることとなるが、①や③に比べれば労力を一定程度抑えることができる。 ①から④の方法の中で、どのような方法で試算をするかは、未払残業代を算定する目的を踏まえて、予想される未払とされる労働時間の長短、従業員の数、労働時間の管理状況(資料の状況)、従業員が未払残業代の請求をしてくる可能性の程度、調査に要する期間及び法務デューデリジェンス期間の長短、調査に伴う対象事業者への負担の程度、法務デューデリジェンスに充てることのできるコストなどの事情を総合的に考慮したうえで、いずれの方法が合目的的かをクライアントと協議し、クライアントが決定することになる。 ①から④は、タイムカードやパソコンのログなどの客観的な証拠によって労働時間を算出できることが前提となる。他方で、タイムカードやパソコンのログなどの客観的な証拠によって労働時間を算出できない場合はどうか。 筆者が経験した例では、建設会社における現場の現場代理人の例がある。現場代理人は、作業日には毎日日報を提出しているが、日報には毎日いわゆる「9時-5時」で作業をした旨が記載されているものの、毎日「9時-5時」で統一されることは明らかに不合理である。 そこで、マネジメント層のヒアリングにおいて、想定され得る1日の残業時間の平均時間を聴取したうえで、一定の残業があったものと仮定して、⑤の方法によって全体の未払残業代の見込み額を推計するという方法を採用したことがある。 これらを表で整理すると、下表のとおりである。 (3) 名ばかり管理職 未払残業代問題と同様に、よく問題となる類型として、いわゆる名ばかり管理職問題がある。労基法41条2号は、「監督若しくは管理の地位にある者」については割増の残業代を支払う必要はないとしているところ、名ばかり管理職とは、実際には労基法41条2号には該当しないにもかかわらず、会社独自の基準で管理職と定められていることで、割増賃金が支払われていない従業員のことを指す。 仮に会社独自の基準で管理監督者として処遇していたとしても、労基法上の管理監督者には該当しない場合には、割増賃金を支払う必要があるため、この点に簿外債務が存在することになる。労基法41条2号にいう管理監督者に該当するかどうかは、経営への関与の有無・程度、部署・部門を統括する権限の有無・程度、労働時間の裁量の有無・程度、管理監督者としての地位に見合った待遇の有無・程度などによって判断される。 労務に関する法務デューデリジェンスにおいては、基本的には、会社が管理監督者として処遇している人物・役職の全員について、労基法上の管理監督者に該当するかどうかについて業務実態等に関するヒアリングや資料の調査を踏まえて、検討することになるであろう(ただし、会社が管理監督者として処遇している人物・役職が相当多数に上るという例外的な場合は、職位が下位のもの、すなわち管理監督者に該当するかどうかの判断が変わり得る可能性が高い職位のものに限定してヒアリングを行うということも考えられる)。 そのうえで、労基法上の管理監督者に該当しないと判断された人物・役職については、上記(2)と同様の方法により、2年間分の未払残業代の金額を算定(試算)することになる。 (4) 定額残業代制度 定額残業代とは、残業代の金額を、就業規則等で定額(固定)にする制度をいう。多くの会社がこの定額残業代制度を導入しているが、この定額残業代制度が法的に有効といえるために、一定の要件が必要な点に注意が必要である。 例えば、就業規則に「主任職には、月額2万円の定額残業代を支払う。」と定めている例などがある。しかし、定額残業代が法的に有効と認められるためには、①定額残業代と通常の賃金とが明確に区別されていることや、②定額残業代分が具体的に何時間分の労働時間の残業代とされているのかが明確にされていることなどが必要となるため、上記の例では法的に有効な定額残業代制度とはならない。 仮に法的に有効でない定額残業代制度を採用していた場合には、たとえ定額残業代分を支払っていたとしても、それは労基法上の残業代の支払いには該当せず、追加で、残業代を支払わなければならなくなる。そのため、対象会社が定額残業代制度を導入していたとしても、当該制度が有効であるかどうかについて、法務デューデリジェンスにおいて十分な検討が必要である。 なお、定額残業代制度が法的に有効であったとしても、実際の労働時間によって算出される残業代が定額残業代を超過する場合には、当該超過分についても残業代の支払義務があるため、この点にも注意が必要である。 2 簿外債務を発見した場合の対応策 上記1(1)~(4)の調査の結果、簿外債務が発見された場合には、クライアントや財務デューデリジェンスチームとの間で、どのように企業価値評価や買収価格に取り込むか協議をすることになる。 もっとも、簿外債務の正確な金額が把握し得ない場合や金額の増額が見込まれる場合(あるいは増額の可能性があり得る不安がある場合)には、次善策として、表明保証条項による対応をすることが考えられる。 すなわち、対象会社との間のM&A契約において、未払残業代に関する簿外債務が存在しないことについての表明保証条項を追加し、事後、従業員から未払残業代の請求をされた場合に表明保証条項違反として対象会社に対して損害請求をするという方法である。筆者の知る限りは、表明保証条項での対応を採ることが多いようである。 おわりに 本稿では、簿外債務となる代表的な問題のうち、未払残業代、名ばかり管理職、定額残業代制度の問題を取り上げた。 次稿(後編)では、簿外債務代表的な問題のうち、正規・非正規の待遇格差に関する問題を取り上げ、また、労務分野に関するそれ以外の諸問題を取り上げる。 (了)
中小企業経営者の [老後資金]を構築するポイント 【第5回】 「中小企業経営者のリタイア後の支出」 税理士法人トゥモローズ 前回は、老後資金を構築するポイントとして、「中小企業経営者のリタイア後の収入源」について解説を行ったが、今回は収入に対する「支出」について確認をしていきたい。 総務省が毎年公表している「家計調査報告」によると、高齢者夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ)の家計における収支状況は下図のとおり、実収入209,198円に対して支出263,717円(非消費支出28,240円+消費支出235,477円)と、高齢者夫婦無職世帯の平均値ではあるが、実質的に5万円以上の赤字となっている。 【高齢夫婦無職世帯の家計収支-2017年-】 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (出典) 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年)家計の概要」P28 さらに、中小企業の経営者の場合には、その生活水準は勤労者世帯に比べかなり高くなっており、無職世帯となったリタイア後においても、一度上がってしまった生活水準を下げることは難しいはずである。 リタイア後に一定水準の生活を維持するために、リタイア後の収入に対する支出を把握することで、事業承継の前にどれくらいのストックが必要となるか、もしくは前回確認したリタイア後の収入源の確保、そして、事業承継により最低限得ておきたい対価の目安とすることができるであろう。 1 居住費 ① 住宅ローン 中小企業経営者の場合には、事業が軌道に乗るまで自宅の購入を控えているケースが多い。というのも、実際にスタートアップ時期や赤字経営である場合には、住宅ローンの審査が厳しいため、住宅ローン自体が組めないケースが見受けられる。また、物件の購入金額自体も一般のサラリーマンと比較すると高額になる傾向にある。 このような場合には、事業承継後においても、未だ住宅ローンの支払いが残っていることが想定されるため、予め、繰り上げ返済やその分のリタイア後の支出を見計らっておく必要がある。 ② 役員社宅 中小企業経営者の場合、現役時代は役員社宅として法人契約の住居に低額で賃貸暮らしをしている場合がある。しかし、事業承継後には常勤役員を前提とする役員社宅への居住はできないため、そのまま居住を続けるためには、個人契約への切り替えを行い、通常の第三者として支払うべき家賃を支払っていく必要がある。 また、リタイア後に見込まれる家賃総額や個人の相続財産の状況によっては、買い取りや新たな居住用不動産の取得も検討すべきであろう。保有財産の状況に応じて、相続財産の分割状況や相続税の納税資金に問題がないようであれば、対策の一貫として小規模宅地等の特例の適用が採れるような特定居住用宅地等の検討もすべきであろう。 なお、不動産が法人所有である場合には、同族間とはいえ、法人から個人に対する不動産の譲渡として第三者間取引を前提とした時価設定となるので、留意する必要がある。 2 交際費 上述した「家計調査報告」の「世帯主の職業別1世帯当たり1か月間の収入と支出」によると、勤労者世帯における消費支出の内に占める教養娯楽支出の割合は「9.7%」であり、一方で法人経営者の同割合は「12%」となっている。個人支出として法人経営者の交際費が多くなっているのが分かるが、実際には、法人経営者の場合には、個人の財布以外に、むしろ法人の費用としての交際費の支出がより多く計上されている。 中小企業における1社当たりの交際費支出の金額は、下図を見て分かるとおり、資本金1,000万円以下~1億円以下の法人でその規模が大きくなるに応じて高額とはなるが、年間854千円~4,327千円となっている。その全てが経営者関連の交際費ではないとしても、かなりの金額が経営者に関連した交際費であることが想定される。 今までは事業に関連した会食や接待ゴルフ等であれば法人の財布から捻出できていたものが、リタイア後には法人の交際費としては計上できず、個人の財布から出ていくことになる。 【資本金階級別交際費等支出額の状況】 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (出典) 国税庁「会社標本調査結果(平成28年度分)」P20 ※下線筆者 3 老人ホーム 一言に老人ホームといっても、公的施設である特別養護老人ホームから民間が経営する有料老人ホームまで、その対象とする個人や役割に応じて様々な種類の施設が存在する。 費用については、入居一時金と月額利用料から構成される。介護保険施設は入居一時金の設定がなく月額利用料のみで入居できるが、民間の場合には多額の入居一時金が生じるケースがあり、その設定はゼロ円~数億円と施設によってかなりの幅がある。月額使用料についても、居住費、食費など数万円から数十万円、場合によっては100万円超といった高級老人ホームまで様々である。 4 不動産所得経費 現役時代又は引退後に資産運用の一環として投資用不動産を取得していた場合には、その賃料収入は老後の重要な収入源となり得るが、その一方で不動産の維持管理のための支出も見込んでおく必要がある。 通常の維持管理のための管理費はもちろんのこと、投資対象のマンションやアパートの老朽化が懸念される場合には、大規模修繕のための大きな支出が生じる可能性がある。物件の規模や築年数にもよるが、数千万円規模での修繕費用がかかることも珍しくはないので、現状の修繕積立金状況と今後の修繕計画の中で、リタイア後に必要となる支出をあらかじめ見積もっておくことが重要である。 5 相続税の納税資金 相続財産の多くが土地などの不動産である場合や中小企業経営者が事業承継において自社株式を引き継がず保有したままリタイアした場合には、相続財産の内に換銀性の低い資産の占める割合が高くなっていることが想定され、納税資金が不足する可能性がある。 相続税は相続人が納税義務を有するものではあるが、自らが遺した遺産が、むしろ相続人の負担とならないようにするためにも、できるだけ遺産の内で相続税の納税資金の確保ができるように準備する必要がある。不動産や自社株式の相続については、論点が多岐にわたるため「相続対策と老後資金の関係」の項において、改めて詳細を解説することとする。 (了)
《速報解説》 ASBJ、「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」等を改正 ~IFRS第9号適用在外子会社等の資本性金融商品に係る取扱いを規定~ 公認会計士 阿部 光成 Ⅰ はじめに 平成30年9月14日、企業会計基準委員会は、以下のものを公表した。これにより、平成30年5月28日から意見募集していた公開草案が確定することとなる。 これは、在外子会社等において国際財務報告基準(IFRS)第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号「金融商品」」という)を適用し、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の連結財務諸表上の取扱いを規定するものである。 公表に際して、「主なコメントの概要とそれらに対する対応」が公表されている。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅱ 「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」 在外子会社等においてIFRS第9号「金融商品」を適用し、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合、連結決算手続上、次のように修正する。 Ⅲ 「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」 持分法適用関連会社においては、「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」に準じて処理を行う場合には、当該修正を行う。 Ⅳ 適用時期等 (了)
《速報解説》 総務省が「ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況についての調査結果」を公表 ~総務省の自粛要請にもかかわらず高額返礼を行う地方団体は9月1日時点で246団体~ Profession Journal編集部 平成30年9月11日、総務省ホームページにて「ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況についての調査結果」が公表された。 平成20年度の税制改正で創設された「ふるさと納税」は、納税者が自ら選択した地方自治体に対して寄附を行うことで、寄附した人の自己負担分の2,000円を除いた寄附金の額が住民税などから控除される制度であり、平成27年度改正では利便性向上のためワンストップ特例制度も導入された。 同制度が地方活性化に対して一定の成果を上げる一方で、「寄附のお礼」としての位置づけであった返礼品を目的に、各地方自治体を比較検討した上で寄附を行う納税者が急増している。 それに伴い、一部の地方自治体が、寄附を集めるために高額な返礼品や地場産品以外の返礼品を用意するなど、いわゆる「返礼品競争」が加熱し、ふるさと納税の「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」、「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」という主旨からの乖離がみられたため、総務省より地方自治体に対して過度な返礼品の自粛を要請する通知が出されていた。 今回、総務省から公表された資料によれば、平成30年9月1日時点で返礼割合が3割を超える団体は246団体(全体の約14%)となっており、そのうち10月末までに返礼品を見直す意向のない団体は174団体と全体の約10%にのぼる。 【返礼割合3割超の返礼品を送付している団体数の推移】 (出典) 総務省資料「ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況についての調査結果」より また、地場産品以外の返礼品を送っていた235の地方団体の見直し状況も公表されており、各団体の具体的な返礼品の内容を確認することができる。例えば、北海道由仁町の「スカイツリー搭乗関連コース」や東京都八王子市の「ベネチアレースグラス」、千葉県山武市の「スリランカ国の特産品詰合せ」などは特徴的な地場産品以外の返礼品といえよう。なお、9月1日時点で190団体において見直しが完了していない状況だ。 * * * 一部報道では、上記のような高額返礼や地場産品以外の返礼を行うケースを適用対象から除外するといった制度を見直す動きも報じられているが、制度の見直しが行われた場合、返礼品を提供している事業会社への影響も想定されることから、31年度の税制改正における議論を含め、今後の動向には注視が必要だ。 (了)
2018年9月13日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル No.285を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!- - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。