税理士が知っておきたい
[認知症]と相続問題
〔Q&A編〕
【第14回】
「認知症患者の親族が負う監督責任」
-JR東海認知症事件-
クレド法律事務所
駒澤大学法科大学院非常勤講師
弁護士 栗田 祐太郎
[設問13]
私の父親は91歳で、約7年ほど前からアルツハイマー型認知症の症状が出ていました。そこで、私の母親(父の妻。事故当時85歳)と私の兄、そして私とで家族会議を開き、兄の奥さんが転居して母と一緒に父を介護することになりました。
その後、父の認知症の症状は進行し、最近では週6回前後の頻度で福祉施設に通っていました。
◆ ◆ ◆
そのような中で、父は、福祉施設に行かない日に自宅を飛び出して徘徊し、行方不明になるといった事件も度々起こしました。このときは発見されて自宅まで戻ってこれたのですが、私たちは用心のため、自宅の玄関付近等にセンサーの付いたチャイムを設置するなどしました。
ところが、今回、父と母がふたりきりとなり、母がまどろんでいたところに父が自宅を抜け出して駅に向かい、電車に乗って隣駅で下りた後に線路内に立ち入り、そこで列車に衝突して亡くなってしまったのです。
◆ ◆ ◆
父が突然の事故で亡くなったことにショックを受けたのは当然ですが、私たち家族に追い打ちをかけるように、鉄道会社から遺族である母と兄に対して、父の事故に伴い発生した振替輸送費等として約720万円を支払うよう請求があったのです。
身内である父が大変な迷惑をかけたことは確かですが、他方で、私たち家族としてもできる限りのことはしてきたつもりです。
父のような認知症の高齢者を抱えた家族として、私たちはどのような法的責任を負うのでしょうか。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。