理由付記の不備をめぐる事例研究
【第51回】
「前期損益修正」
~過去の事業年度に係る外注費の損金算入が認められないと判断した理由は?~
千葉商科大学商経学部講師
泉 絢也
今回は、青色申告法人X社に対して行われた「過去の事業年度に係る外注費を当該事業年度の損金に算入することはできないこと」を理由とする法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた東京地裁平成27年9月25日判決(税資265号順号12725。以下「本判決」という)を素材とする。
1 更正通知書に記載された更正の理由(本件理由付記)
平成21年3月期
更正の理由
貴法人備え付けの帳簿書類を調査した結果、所得金額等の計算に誤りがあると認められますから次のように申告書に記載された所得金額等に加算して更正しました。
(外注費の損金不算入 9,802,260円)
貴法人は、S(株)に対する過年度の外注費に計上漏れがあったとし、平成21年3月31日付で外注費勘定に「H13、計上漏れ S(株)」として9,802,260円を計上し、当事業年度の損金の額に算入しています。しかしながら、当該金額は、平成12年11月分から平成13年10月分までのS(株)に対する外注費であると認められることから、当事業年度の損金の額に算入されませんので所得金額に加算しました。
以上
(注) 素材とした本判決の判決文から読み取ることができる理由付記の一部を筆者が加工している。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。