固定資産をめぐる判例・裁決例概説
【第36回】
「1月1日に売却した家屋のその年の固定資産税等の納税義務者は売主であるとされた事例」
税理士 菅野 真美
▷誰に固定資産税は課税されるのか
固定資産税は、賦課期日である毎年1月1日に固定資産の所有者に対して課する制度である(地方税法343①、359)。この場合の所有者は、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録がされている者(地方税法343②)である。
したがって、賦課期日現在において上記の登記簿等に所有者として登記等されている者は、賦課期日前に当該不動産を他に譲渡しており、所有権を有しない場合も固定資産税が課されることとなる(※1)。
(※1) 金子宏『租税法(第24版)』(弘文堂、2021年)777頁
これは、固定資産税を賦課徴収する市町村にとって、真実の所有者を調査して賦課徴収することが煩雑であるから、事務の合理化の観点からも一律な方法で課税する仕組みにしたのではないかと考えられるが、この制度に疑問をもつ納税者もいる。
今回は、1月1日に不動産を売却した売主に、固定資産税が賦課されるのは違法であるとして争われた裁決事例を検討する。
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