公開日: 2013/10/10 (掲載号:No.39)
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林總の管理会計[超]入門講座 【第12回】「部門別計算の仕組みとそのワケ」

筆者: 林 總

林總の

管理会計[超]入門講座

【第12回】

「部門別計算の仕組みとそのワケ」

 

公認会計士 林 總

 

製造部門ごとの集計の流れ

 予算も部門別に配賦するんですか?

 その前に、原価計算基準に沿って、部門別計算について説明しておこう。
そもそも原価部門とは何か。
基準では、「原価の発生を機能別、責任区分別に管理するとともに、製品原価の計算を正確にするための計算組織上の区分」と定義されている。

 何だかよくわかりません・・・

 ザックリ言えば、会社の組織上の部門と考えていい。組織図は機能別に作られ、責任と権限が割り当てられている。この部門を使って部門別費用、さらに製品別原価を計算するんだ。

ここで注意してほしいことは、第一に組織上の部門は仕事別に作られていること。第二に、それぞれの部門には責任者がいることだ。責任者は仕事を遂行する責任と権限を有しているとともに、部門で生じる原価を管理する責任者でもある。

 「原価部門」と呼ぶ意味が何となくわかってきました。部門には仕事と責任が割り当てられている。

 その通り。
さっき「ザックリ」と言った理由だが、厳密には組織図の部門と原価部門とはイコールではない。部や課よりもっと細かな工場の作業工程、さらには機械設備の種類、作業区分等に細分化した単位も原価部門なんだ。
アパレル業を例にとれば、裁断、縫製だけでなく、裁断部門を構成する、延反、検反、裁断、あるいは個々の裁断機も原価部門だ。

 会社で自由に設定できるんですね。

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【第12回】

「部門別計算の仕組みとそのワケ」

 

公認会計士 林 總

 

製造部門ごとの集計の流れ

 予算も部門別に配賦するんですか?

 その前に、原価計算基準に沿って、部門別計算について説明しておこう。
そもそも原価部門とは何か。
基準では、「原価の発生を機能別、責任区分別に管理するとともに、製品原価の計算を正確にするための計算組織上の区分」と定義されている。

 何だかよくわかりません・・・

 ザックリ言えば、会社の組織上の部門と考えていい。組織図は機能別に作られ、責任と権限が割り当てられている。この部門を使って部門別費用、さらに製品別原価を計算するんだ。

ここで注意してほしいことは、第一に組織上の部門は仕事別に作られていること。第二に、それぞれの部門には責任者がいることだ。責任者は仕事を遂行する責任と権限を有しているとともに、部門で生じる原価を管理する責任者でもある。

 「原価部門」と呼ぶ意味が何となくわかってきました。部門には仕事と責任が割り当てられている。

 その通り。
さっき「ザックリ」と言った理由だが、厳密には組織図の部門と原価部門とはイコールではない。部や課よりもっと細かな工場の作業工程、さらには機械設備の種類、作業区分等に細分化した単位も原価部門なんだ。
アパレル業を例にとれば、裁断、縫製だけでなく、裁断部門を構成する、延反、検反、裁断、あるいは個々の裁断機も原価部門だ。

 会社で自由に設定できるんですね。

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連載目次

筆者紹介

林 總

(はやし・あつむ)

公認会計士
経営コンサルタント

1974年、中央大学商学部会計科卒業。外資系会計事務所、監査法人勤務を経て独立。経営コンサルティング、大学教員、執筆、講演活動などを行っている。

主な著書は『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』、『50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?』、『[新版]わかる!管理会計』(以上、ダイヤモンド社)、『ドラッカーと会計の話をしよう』(中経出版)、『貯まる生活』(文藝春秋)『崖っぷち女子大生あおい、チョコレート会社で会計を学ぶ。』(清文社)ほか多数。

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