公開日: 2020/04/02 (掲載号:No.363)
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〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第1回】「相手を知ることがM&A巧者の第一歩」

筆者: 荻窪 輝明

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕

対象企業見方見られ方

【第1回】

「相手を知ることがM&A巧者の第一歩」

 

公認会計士・税理士
荻窪 輝明

 

中小企業のM&Aは「相手」を知ることから

中小企業のM&Aを進めるにあたって、「相手」の存在を意識して動くことはとても重要です。買い手にとっての売り手売り手にとっての買い手、仲介者から見れば買い手売り手の双方ということもありますが、M&Aは必ず「相手」という自分や自社以外の新たな存在が関わる取引です。

しかも、対象となるのは事業や企業といった大きな単位で、取引成立後に「やっぱりやめておこう・・・」といってすぐに撤回できるようなものでもありません。だからこそ、相手の見方や出方をよく知り行動できるほうが良いに決まっています。

M&A実務の解説では、M&Aの仕組みや手法の詳細やテクニックについて触れるものは多くあります。しかし、M&Aを進める中で関わる相手となる対象企業の見方や、対象企業からどう見られているかについて触れているものは意外と少ないものです。

M&Aの当事者となってから手探りで進めていくうちに自分自身で気づくのは大変ですし、気づかないままM&Aが実行された後に多くのことに気づいたとしても、「時すでに遅し」ではないでしょうか。

中小企業のM&Aを検討する際に、対象企業の見方・見られ方を知って臨むことができるのと、知らないで臨むのとでは大きな違いがあります。

相手企業の「どこを見るか」、相手企業から「どう見られているか」を知るとともに、多くのM&Aで対象企業を調査する際に行われる「財務デューデリジェンスで何を見ているか」の視点も加えながら、M&A巧者への第一歩を踏み出しましょう。

 

1 M&A当事者の関心事は違って当然

M&A当事者、特に買い手と売り手の視点や関心事を知れば、いかに当事者によって興味や関心、考えていることが違うかがよくわかります。それだけに、立場の異なる相手の視点を理解することは、M&A相手先の見方・見られ方を探る際の有益な情報源になるのです。

では、M&Aの当事者が買い手と売り手によってどれだけ視点や考え方が異なるのか、項目ごとに見ていきましょう。

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〔中小企業のM&Aの成否を決める〕

対象企業見方見られ方

【第1回】

「相手を知ることがM&A巧者の第一歩」

 

公認会計士・税理士
荻窪 輝明

 

中小企業のM&Aは「相手」を知ることから

中小企業のM&Aを進めるにあたって、「相手」の存在を意識して動くことはとても重要です。買い手にとっての売り手売り手にとっての買い手、仲介者から見れば買い手売り手の双方ということもありますが、M&Aは必ず「相手」という自分や自社以外の新たな存在が関わる取引です。

しかも、対象となるのは事業や企業といった大きな単位で、取引成立後に「やっぱりやめておこう・・・」といってすぐに撤回できるようなものでもありません。だからこそ、相手の見方や出方をよく知り行動できるほうが良いに決まっています。

M&A実務の解説では、M&Aの仕組みや手法の詳細やテクニックについて触れるものは多くあります。しかし、M&Aを進める中で関わる相手となる対象企業の見方や、対象企業からどう見られているかについて触れているものは意外と少ないものです。

M&Aの当事者となってから手探りで進めていくうちに自分自身で気づくのは大変ですし、気づかないままM&Aが実行された後に多くのことに気づいたとしても、「時すでに遅し」ではないでしょうか。

中小企業のM&Aを検討する際に、対象企業の見方・見られ方を知って臨むことができるのと、知らないで臨むのとでは大きな違いがあります。

相手企業の「どこを見るか」、相手企業から「どう見られているか」を知るとともに、多くのM&Aで対象企業を調査する際に行われる「財務デューデリジェンスで何を見ているか」の視点も加えながら、M&A巧者への第一歩を踏み出しましょう。

 

1 M&A当事者の関心事は違って当然

M&A当事者、特に買い手と売り手の視点や関心事を知れば、いかに当事者によって興味や関心、考えていることが違うかがよくわかります。それだけに、立場の異なる相手の視点を理解することは、M&A相手先の見方・見られ方を探る際の有益な情報源になるのです。

では、M&Aの当事者が買い手と売り手によってどれだけ視点や考え方が異なるのか、項目ごとに見ていきましょう。

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連載目次

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕
対象企業の見方・見られ方

【第1回】~【第40回】

【第41回】~

筆者紹介

荻窪 輝明

(おぎくぼ・てるあき)

公認会計士・税理士
荻窪公認会計士事務所 代表
太陽グラントソントン税理士法人 ディレクター

東京都出身。立命館大学法学部卒業後、証券会社、監査法人、コンサルティング会社で勤務。主な業務分野は、上場・非上場会社や医療法人等に対する会計監査、株式上場、組織再編、事業再生、事業承継、株式価値評価、財務デュー・ディリジェンス等の支援業務、税務相談など。びわ湖放送のTV番組「滋賀経済NOW」にレギュラー出演中。神戸大学非常勤講師(2020~2023年)、関西学院大学非常勤講師(2024年)。

【著書】
・「youのたっくす、meになるカイケイ?~あなたの税金、身になる会計!~」(税務研究会出版局、2020年)
・「経営陣に伝えるための「税効果会計」と「財務諸表の視点」」(税務研究会出版局、2019年)。
・「平成31年3月改訂/Q&A 企業再編のための 合併・分割・株式交換等の実務-その法律・会計・税務のすべて-」(共著、清文社、2019年)
・「事例でみるスタンダード債権回収手続-専門家の視点と実務対応-」(共著、新日本法規出版、2019年)

関連書籍

プロフェッショナル グループ通算制度

公認会計士・税理士 足立好幸 著

会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

詳解 組織再編会計Q&A

公認会計士 布施伸章 著

中小企業の事業再生等ガイドラインの実務

弁護士 福岡真之介 著 弁護士 片井慎一 著 公認会計士・税理士 松田隆志 著

Q&A 中小企業における「株式」の実務対応

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サクサクわかる! M&Aの税務

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中小企業の事業承継

税理士 牧口晴一 著 名古屋商科大学大学院教授 齋藤孝一 著

〔目的別〕組織再編の最適スキーム

公認会計士・税理士 貝沼 彩 著 公認会計士・税理士 北山雅一 著 税理士 清水博崇 著 司法書士・社会保険労務士 齊藤修一 著

M&A 無形資産評価の実務

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 編

【電子書籍版】会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

組織再編税制大全

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

経営危機に陥った社長さんを守る最後の救済策

公認会計士・税理士 橋口貢一 著

中小企業の運営・承継における理論と実務 ファミリービジネスは日本を救う

大阪弁護士会・日本公認会計士協会近畿会・ファミリービジネス研究会 著

非公開会社における少数株主対策の実務

弁護士法人ピクト法律事務所 代表弁護士 永吉啓一郎 著

詳解 グループ通算制度Q&A

デロイト トーマツ税理士法人 稲見誠一・大野久子 監修

相続・事業承継に役立つ生命保険活用術

税理士法人レディング 税理士 木下勇人 著

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