遺贈寄付の課税関係と実務上のポイント 【第9回】「不動産や株式等を遺贈寄付した場合の取扱い(その3)」~清算型遺贈の課税関係~
清算型遺贈とは、不動産などの財産を売却して現金化し、その得られた現金を遺贈するということを遺言書に盛り込んだものをいう。遺言者がお亡くなりになった後には、その遺言に基づき、遺言執行者が手続きを実行することになる。
2022年3月期決算における会計処理の留意事項 【第5回】
現在の世界情勢の不安定及び物価上昇等が企業に重要な影響を及ぼす可能性があります。そこで、以下では、このような状況下における3月決算で留意すべき主な論点を解説します。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第25回】「M&Aの形態によって異なる相手の見方・相手からの見られ方」~形態別で考えるM&A検討のきっかけ・目的・着目点~
中小企業のM&Aと一口に言っても、様々な形態があります。コロナ禍では、自社の行う事業と全く異なる事業、特に、自社の業績の動き方とは逆方向になるような事業をM&Aによって取得することによって、互いのリスクをヘッジし合い、有事における最悪の展開を回避できるような相手先を探す例も見られます。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第12回】「借用概念論の伝統的・本来的意義とその形式的外縁」-サプリメント購入費医療費控除事件・東京高判平成27年11月26日訟月62巻9号1616頁-
本連載では、基本的には、拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)の叙述の順に従って、それぞれの箇所で取り上げている「税法基本判例」を順次検討していくことにしているが(第1回Ⅰ参照)、今回は、借用概念論(上掲拙著【50】以下参照)に関して特にその議論の射程を検討しておきたい。
これからの国際税務 【第30回】「グローバルミニマム税の行方」
昨年10月に約140ヶ国から成るOECD/IFで合意されたGloBEルール(グローバルミニマム税構想)については、昨年12月に、各国が国内法立法をする際のモデルとなる法令案をOECD/IFが公表した。そして、その後、同法令案の技術的内容を詳述するコメンタリーが3月14日に追加発表された。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第30回】「部屋ごとに区分登記がされていない場合の特定居住用宅地等の特例の適用」
被相続人である甲(相続開始日:令和4年3月26日)は、下記の土地及び家屋を所有していました。土地建物の生前の利用状況は、下記の通り、1階及び2階部分は甲及び長男である乙が居住の用に供し、3階及び4階部分は甲の賃貸の用に供し、5階部分は長女である丙家族が居住の用に供しています。
街の税理士が「あれっ?」と思う税務の疑問点 【第5回】「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(3,000万円控除)」~数次相続の場合の遺産分割~
父親が所有し、父母が2人で住んでいた1戸建て建物(昭和50年築、非耐震)とその敷地について、令和2年9月に父が死亡し、父死亡後は母が1人で住んでいましたが、令和3年3月に母が死亡(数次相続)しました。
なお、法定相続人は、父死亡時は母と別居の子供2人(長男・次男)であり、母死亡時は子供2人(長男・次男)です。令和3年10月に、相続人が建物取壊しの上、第3者の他人に土地全部を5,000万円で売却した場合、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、「空き家特例」という)は、どう遺産分割していれば土地全体の売買につき適用できますか。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第75回】
企業会計原則が採用する販売基準による収益の発生の時点は、財貨又は役務の移転に対する現金又は現金等価物の取得の時点であるとされている。
このため、伝統的な実現主義(企業会計原則第二の三B参照)の考え方では、次の時点で収益認識することが一般的であった。
2022年3月期決算における会計処理の留意事項 【第4回】
令和3年法務省令第45号「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(以下、「本省令」という)」が2021年12月13日に公布され、同日付けで施行されている。
なお、本省令と同様の改正は,2020年5月15日に公布・施行した会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(令和2年法務省令第37号)、2021年1月29日に公布・施行した会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(令和3年法務省令第1号)でも行われているが、いずれも効力を失っているため、改めて同様の改正として行われたものである。
