相続税の実務問答 【第69回】「相続税の申告時に把握できなかった貸付金の返済があった場合」
令和元年8月に父が亡くなり、相続人である私たちは、相続税の申告書の提出期限内に相続税の申告書を提出し、納税を済ませました。
今年の2月になって、父の学生時代からの友人である甲氏が訪ねてきて、15年前に甲氏が代表取締役を務めるA社の運転資金として父から300万円を借りていたこと、その300万円でA社は何とか倒産を免れたこと、その後会社の再建もうまくいき、今期は配当をすることができるようになったことなどの説明があり、今回は父から借りていたという300万円のうちの100万円を返済したいとの申し出がありました。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第28回】「区分登記がされている場合の特定居住用宅地等の特例の適用(別居親族の要件の留意点)」
被相続人である甲(相続開始日:令和4年3月1日)は、下記の土地及び家屋を所有していました。土地建物の生前の利用状況は、下記の通り、1階部分は甲が居住の用に供し、2階部分は長女である乙家族が居住の用に供しています。区分登記はされており、建物の各階ごとに玄関があり、甲は1階で1人で生活をしていました。また、甲は乙から賃料は収受していませんでした。
給与計算の質問箱 【第27回】「死亡退職金に係る源泉徴収義務」
私の父は株式会社を経営していましたが、先日亡くなりました。
私は父の保有していた株式を相続し代表取締役に就任しました。父の死亡退職金を相続人である私を受取人として支給したいと考えています。
死亡退職金から源泉所得税を徴収するかどうか、また、いくらまで死亡退職金を会社の損金にできるのかご教示ください。
基礎から身につく組織再編税制 【第38回】「適格現物出資(完全支配関係)」
前回は組織再編税制における「現物出資」に関する基本的な考え方を解説しました。今回からは数回にわたり適格現物出資の要件について整理していきます。今回は、「完全支配関係」がある場合の適格現物出資の要件について確認します。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第74回】
収益認識会計基準では、契約において顧客への移転を約束した財又はサービスが、所定の要件を満たす場合には別個のものであるとして、当該約束を履行義務として区分して識別する(基準17(2))。
2022年3月期決算における会計処理の留意事項 【第2回】
2020年3月31日に企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準(以下、「収益会計基準」という)」及び企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針(以下、「収益適用指針」という)」が改正された。そのため、2022年3月期決算では、収益認識に関する表示及び注記の検討が必要である。
マスクと管理会計~コロナ長期化で常識は変わるか?~ 【第2回】「予算の役割は変わる?」
PNザッカ社は、キッチン雑貨や生活雑貨の製造・販売を手掛ける会社です。お昼休みの時間になり、経理部ではサキちゃんがお弁当を食べています。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第123回】株式会社旅工房「外部調査委員会調査報告書(開示版)(2022年3月2日付)」
2022年3月2日、旅工房が公表した「当社グローバル・アライアンス部門におけるGo Toトラベル事業給付金の受給申請に関する調査委員会からの調査報告書の受理について」と題するリリースから、旅工房がまとめた「調査委員会からの調査結果概要」は次のとおりである。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第105回】「節税義務が争点とされた事例(その8)」
本件は、医療法人であるX(原告)設立の際、X代表者である甲野が、当時自身の顧問税理士であったY(被告)との間で、その設立手続の一部をYが行う旨の契約(以下「本件契約」という。)を締結したことに端を発する事案である。
