企業結合会計を学ぶ 【第32回】「①単独で株式移転設立完全親会社を設立した場合の会計処理、②単独で新設分割設立子会社を設立した場合の会計処理、③単独で分割型の会社分割が行われた場合の会計処理」
今回は、共通支配下の取引等の会計処理のうち、次の3つを解説する。
① 単独で株式移転設立完全親会社を設立した場合の会計処理
② 単独で新設分割設立子会社を設立した場合の会計処理
③ 単独で分割型の会社分割が行われた場合の会計処理
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第83回】「立法資料から税法を読み解く(その2)」
ここでは、国税通則法が制定される前の行政当局内の議論を参照してみたい(昭和35年7月2日付け「国税通則法小委員会総会議事速記録」より。なお、下記の引用については、議事を速記したものであるため、読みやすさを考慮し必要に応じて筆者が区切っている。なお、下線も筆者加筆。)。
谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」 【第25回】「租税法律主義と租税回避との相克と調和」-租税回避論の沿革(淵源)-
「租税あるいは税法のあるところ必ず租税回避あり。」(第21回Ⅰ)といえる以上、わが国における税制の歴史を振り返って、「租税回避」という言葉の使用はともかく、そのような「租税現象」の淵源を突き止めることは実際上不可能といってよかろう。
ただ、第二次大戦後「独立した学問分野」として発展してきた税法学における租税回避研究(清永敬次『租税回避の研究』(ミネルヴァ書房・1995年/復刻版2015年)はその代表的業績といえる)では、その「淵源」を大正12年の所得税法改正による同族会社の行為計算否認規定(73条の3)の創設に見出すことについて、おそらく異論はないであろう。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第12回】「兄弟間で株式を相互保有している場合」
私たちは、建設業を営むA社を経営する長男Xと、サービス業を営むB社を経営する二男Yの兄弟です。A社とB社は、いずれも私たち兄弟の父(故人)が創業した会社で、現在はXがA社の代表取締役を、YがB社の代表取締役を務めています。
15年前に父の相続があった際、自社株に対する相続税の負担がとても大きかったため、税理士のアドバイスに従って、私たちの母Zが自社株の半数を相続し、残りの株式をXとYが半分ずつ取得することにしました。
創業者であった父の死後、私たち兄弟は、力を合わせて2つの会社を経営してきましたが、会社が成長する過程において、A社はXが、B社はYが経営を担い、お互いに経営を任せ合う関係になりました。
母は来年80歳になります。兄弟で相談した結果、A社の株式はXが、B社の株式はYが相続する方向で相続対策を進めることになりました。それぞれが経営する会社の株式を相続し、ゆくゆくは自分の子供にも会社を継がせたいと考えています。
このような場合、私たち兄弟が相互に持ち合っている株式は、どのように整理すれば良いでしょうか。
租税争訟レポート 【第46回】「同族会社等の行為計算の否認(法人税法132条)-ユニバーサル・ミュージック事件-(第一審:東京地方裁判所2019(令和1)年6月27日判決)」
音楽事業を営む日本法人であるユニバーサル・ミュージック合同会社(以下「原告」という)は、平成20年12月期から平成22年12月期までの3事業年度において、同族会社であるユニバーサル・ミュージック・インターナショナル・ファイナンス(フランス法人、以下「UMIF」という)からの借入金に係る支払利息を、法人税の申告に当たり損金の額に計上して申告していたところ、処分行政庁である麻布税務署長は、この支払利息の損金算入は原告の法人税の負担を不当に減少させるものであるとして、法人税法132条1項に基づき、その原因となる行為を否認して原告の所得金額を加算し、各事業年度に係る法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分を行った。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第42回】「「所有期間が10年超の軽減税率の特例」との適用関係」-相続空き家の特例と他の特例との重複適用関係-
Xは、昨年8月に死亡した父親の家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地を相続により取得した後に、その家屋を取り壊して更地にし、本年11月に6,200万円で売却しました。
取り壊した家屋の、相続の開始の直前の状況は、父親が一人暮らしをし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家で、その敷地も相続の時から譲渡の時まで未利用の土地でした。
なお、その家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において、その家屋も土地も所有期間が10年を超えています。
この場合、Xは、「相続空き家の特例(措法35③)」に係る3,000万円の特別控除額を差し引いた後の課税長期譲渡所得について、「軽減税率の特例(措法31の3)」の適用を受けることができるでしょうか。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q50】「仮想通貨(暗号資産)の売買を行った場合の所得計算」
私(居住者たる個人)は、資産運用の一環としてビットコインの売買を行い、当年中に下記の取引を行いました。この取引で得た収益については確定申告をする必要があると聞きましたが、具体的な所得の計算方法を教えてください。また、資金が必要になったことから、来年には残りのビットコインも売却する予定です。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第54回】「航空機リース事件」~名古屋地判平成16年10月28日(税務訴訟資料254号順号9800)、名古屋高判平成17年10月27日(税務訴訟資料255号順号10180)~
Xは、組合契約を締結して任意組合の組合員となった。そして、その組合が行った航空機リース事業に基づく所得は不動産所得であるとして、同事業における減価償却費等を損金計上し、損益通算の上、所得税の確定申告を行った。
これに対し、Y税務署長は、原告が締結したのは組合契約ではなく利益配当契約であって、得た所得も雑所得であるから、損益通算は許されないとして、Xに対する更正処分を行った。そこで、Xは、これを争って出訴した。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第18回】
法人税法22条の2第1項の「別段の定め」から22条4項を除いた趣旨については、次のとおり説明されている。
すなわち、資産の販売等に係る収益を益金の額に算入するかどうかについては引き続き法人税法22条2項の規定によることとし、その時期及び金額について22条の2で規定された。
