措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第12回】「「寄附者の税負担を不当に減少させないこと」とは」
現物寄附を行った際、取得価額と時価との差額についてのみなし譲渡課税が非課税となるための条件として、現物寄附を受領する公益法人等への寄附が「寄附者の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税もしくは贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められること」が課されています。
この「寄附者の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税もしくは贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められること」とは、具体的にどういうことですか。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第8回】
法人税法22条2項は、無償取引に係る収益の額も益金の額に算入する旨を定めている。その趣旨や実質的な根拠については種々の議論がある。有力な学説は、「収益とは、外部からの経済的価値の流入であり、無償取引の場合には経済的価値の流入がそもそも存在しないことにかんがみると、この規定は、正常な対価で取引を行った者との間の負担の公平を維持し、同時に法人間の競争中立性を確保するために、無償取引からも収益が生ずることを擬制した創設的規定である」(適正所得算出説)と解している(金子宏『租税法〔第23版〕』338頁(弘文堂2019))。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第30回】「コスト構造の分析(その2)」-スタンドアローン・イシュー等-
前回はM&A対象企業のコスト構造の主な分析手法について述べたが、多くの中小企業ではこうした切り口での分析に必要なデータが抽出できない場合が多い。
例えば、売上高は主要得意先ごとに区分把握できたとしても、対応する仕入原価や外注費などは「仕入先」、「外注先」別には区分できても、「得意先ごと」の紐付けは「やってできないことはないが、これまでにやったことがない」というケースがほとんどであろう。
日本の企業税制 【第69回】「政府税調専門家会合で検討進む「連結納税制度の見直し案」」-第4回会合資料(2019.6.26)から-
6月26日、政府税制調査会の連結納税制度に関する専門家会合の第4回会合が開かれた。今回の課題は主に、税額控除や損金計算における連結調整計算の見直しと新制度への移行措置であった。
定期保険及び第三分野保険に係る改正法人税基本通達の取扱いとその影響 【第3回】「改正前後の対策効果の検証」
今回は、通達改正前後における保険加入対策の効果を見てみることとする。
前回解説の通り、最高解約返戻率が85%を超えると資産計上割合が高くなってしまい対策効果がほとんどなくなってしまうので、以下では、最高解約返戻率が85%のケ-スを前提に検証を行う。
前提条件は、次のとおりとする。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第4回】「事前交付型リストリクテッド・ストック概説」
上場企業である当社は、欧米に倣い、新たな役員報酬制度としていわゆるリストリクテッド・ストック、譲渡制限付株式報酬制度の導入を検討しています。このような株式報酬型を導入する企業が増加してきており、当社も検討を開始しました。
この制度は法人や役員にとってどのようなメリットがあり、税制上どのような取扱いになっているのか教えてください。
相続税の実務問答 【第37回】「遺留分減殺請求に対し価額弁償が行われた場合の相続税の課税価格の計算」
母が平成29年11月に亡くなりました。相続人は、私(甲)と妹(乙)及び弟(丙)の3人です。母の遺産は、母が亡くなるまで住んでいたM市の建物及びその敷地と身の回りの品だけでしたが、遺言によりすべての財産が私に遺贈されました。
そのため、妹と弟から遺留分の減殺請求が申し立てられていましたが、本年6月に「甲、乙及び丙は現在のM市の建物及び敷地の価額が1億5,000万円であることを確認し、甲は、乙及び丙それぞれに対し、価額弁償金として遺留分(各6分の1)に相当する金額2,500万円を支払う」との合意が成立しました。
私は、この合意に基づき、妹と弟に2,500万円ずつ支払いましたので、相続税の更正の請求をしたいと考えていますが、妹と弟に支払った価額弁償金5,000万円を債務として相続税の課税価格を計算することができますか。
なお、相続開始時のM市の建物及び敷地の価額(相続税評価額)は、1億2,000万円でした。
平成31年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第4回】「研究開発税制の見直し(その4:特別試験研究費の税額控除制度の見直し)」
特別試験研究費に係る税額控除制度について、特別試験研究費の対象範囲を拡充するとともに、控除上限を10%に引き上げる。また、研究開発型ベンチャーとの共同研究・委託研究の税額控除割合を25%とする。
特別試験研究費に係る税額控除制度について、改正前後の取扱いは以下のとおりとなる。
基礎から身につく組織再編税制 【第6回】「適格合併(完全支配関係)」
適格組織再編成には、100%グループ内での組織再編成(完全支配関係がある場合の組織再編成)、50%超100%未満のグループ内の組織再編成(支配関係がある場合の組織再編成)、共同事業を行うための組織再編成がありますが、今回は完全支配関係がある場合の適格合併の要件について解説します。
完全支配関係及び支配関係の定義については、それぞれ本連載の【第2回】及び【第3回】を参照して下さい。
改めて確認したいJ-SOX 【第4回】「5W1Hで理解する「全社的な内部統制の評価」」
前回は、内部統制の評価範囲をどのように決定するかについて説明しました。
その中で、内部統制の有効性を評価するにあたっては、まず、全社的な内部統制を評価し、その結果を踏まえて業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を決定し、有効性を評価することに触れました。
これはいわゆる「トップダウン型のリスク・アプローチ」というもので、内部統制の有効性評価の成否は全社的な内部統制の評価にかかっていると言っても過言ではありません。
一方で、全社的な内部統制は、業務プロセスに係る内部統制と比べて抽象的となる上、実務上は「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準」(以下、「実施基準」という)で例示されている42項目をチェックリストに見立てて確認していく(評価する)ことが業務の中心となるため、“何をやっているのかよくわからない”といった感想を抱いている担当者の方も多いのではないでしょうか。
