法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【第4回】「法人税の課税所得計算と損金経理(その4)」
法人税法における損金性、すなわち当該損金をどの年度において計上するのかという年度帰属の問題を理解するにあたり、避けて通れないのが「費用収益対応の原則」と「権利確定主義」についてである。以下でそれぞれの意義を確認しておきたい。
まず費用収益対応の原則(matching principle)であるが、これは一般に、経済活動の成果をなす収益と、それを得るために費やされた犠牲としての費用を、厳密に対応づけその差額を利益として算定することを通じて、各会計期間の経営成績を適切に測定するという、企業会計における利益計算の基本原則であると解されている(※1)。
租税争訟レポート 【第40回】「所得税法第204条第1項第6号に規定する「ホステス等」の意義とは(国税不服審判所平成30年1月11日裁決他)」
本稿では、去る9月27日に公表された裁決事例のうちから、キャバクラを経営する審査請求人がキャストに支払った金銭が給与であると判断された裁決と同じく、自ら経営するキャバクラのホステスの支払った金銭が、給与であるとして納税告知処分を受けた原告(控訴人、上告人)の訴えを裁判所が否定した判決を検討することにより、所得税法第204条1項6号に規定する「ホステス等」の意義を考えてみたい。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q41】「上場外国株式の譲渡損についての損益通算の可否」
私(居住者たる個人)は、国外の証券会社口座において保有していた上場外国株式について、当該証券会社を通じ譲渡したところ、円換算後、譲渡損失(為替換算損益を含む)が発生しました。
上場株式等の譲渡から生じる損失については、申告を行うことにより一定の所得との損益通算が可能という話を聞きましたが、この譲渡損失について他の所得と損益通算することはできますか。
〈桃太郎で理解する〉収益認識に関する会計基準 【第1回】「桃太郎とイヌ・サル・キジは労務サービス契約を結んでいた」
これは単なる新会計基準ではありません。“これ”というのは、2018年3月に公表された「収益認識に関する会計基準」のことです(この連載では以下、収益認識会計基準と呼びます)。
収益認識会計基準は、新しい時代を見据えた、革新性の高い会計基準です。この会計基準には、これまでの日本の会計基準とは明らかに異なる点が1つあります。
それは、「製造業中心思考ではない」という点です。
「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」の徹底解説 【第9回】
顧客から企業に、返金が不要な前払いがなされた場合、将来において企業から財又はサービスを受け取る権利が顧客に付与され、企業は当該財又はサービスを移転する(又は移転するための準備を行う)義務を負うが、顧客は当該権利のすべてを行使しない場合がある。この顧客により行使されない権利を「非行使部分」という(適用指針53)。例えば、商品券等が該当する。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第15回】「労働債務の分析(その3)」-役員に対する労働債務-
毎月、もしくは年俸として金額が確定している報酬に関しては、定款等で報酬の上限のみを定め、各人別の金額の決定は取締役会に一任することも会社法上許容されている。
ただし、最近世間を賑わせた大手製造業の例からすると、極めて強大な権力が一部役員にのみ集中するような場合の株主によるガバナンスの在り方については議論されて然るべきかもしれない。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第145回】金融商品会計⑯「デット・エクイティ・スワップ」
当社(P社)は、AIを使った新サービスの事業化を目論む会社(S社)に対して、開発資金の名目で融資しています。このたび、P社は、S社に対する貸付金を同社に現物出資し、S社から同社普通株式の発行を受けることで貸付金の回収を図るデット・エクイティ・スワップ(以下、「DES」という)を行うことを検討しています。
そこで、P社におけるDES実行時の会計処理について教えてください。
monthly TAX views -No.71-「日本型記入済み申告制度の導入へ」
政府税制調査会の「経済社会のICT化等に伴う納税環境整備のあり方について(意見の整理)」(2018年11月7日、以下「意見の整理」)を読むと、ようやくわが国も、日本型記入済み申告制度に向けて舵を切ったということが見て取れる。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【第3回】「法人税の課税所得計算と損金経理(その3)」
次に、わが国における法人税の課税所得計算に関して、企業会計準則主義とともに重要な原則である「確定決算主義」について確認しておきたい。
確定決算主義とは一般に、法人は確定した決算に基づき、確定申告書を作成し提出すべきことを指す(法法74①)(※1)。ここでいう「確定した決算」とは、会社法上、定時株主総会による計算書類の承認(会社法438②)又は定時株主総会に提出された計算書類の取締役による内容の報告(会社法439)を意味する(※2)。
