相続空き家の特例 [一問一答] 【第8回】「被相続人居住用家屋及びその敷地等の範囲②(離れや倉庫などの建築物が未登記であった場合)」-相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲-
Xは、昨年2月に死亡した父親の居住用家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地を相続により取得しました。
相続の開始の直前において、父親は1人暮らしをし、父親名義のその土地(200㎡)は、用途上不可分の関係にある2以上の建築物(父親登記名義の母屋:140㎡、未登記の離れ:40㎡、未登記の倉庫:20㎡)のある一団の土地でした。
Xは、耐震リフォームに伴って母屋を増築し、その床面積を160㎡とした上で、その土地と建築物の全てを売却しました。
この場合、「相続空き家の特例(措法35③)」の適用にあたって、被相続人居住用家屋の敷地に該当する部分の面積はいくらでしょうか。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例53(相続税)】 「相続税の申告において同族会社の敷地の用に供している宅地につき「土地の無償返還に関する届出書」を提出せずに借地権を計上してしまった事例」
被相続人甲の相続税申告につき、同族会社の敷地の用に供している宅地に「土地の無償返還に関する届出書」を提出して、借地人(同族会社)においては借地権を発生させず、地主(被相続人)においては自用地評価額の80%で評価すべきところ、「土地の無償返還に関する届出書」を提出せず、借地人(同族会社)においては借地権を認識(株価計算において自用地評価額の70%を借地権として計上)し、地主(被相続人)においては貸宅地(自用地評価額の30%)で評価していた。
いずれの方法で相続税を申告しても、基礎控除以下であり、相続税は発生しないが、将来、借地権を譲渡した場合等に、法人税や所得税等を課せられる可能性があるとして、賠償請求を受けた。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第8回】「非居住者期間における各種保険料の取扱い」
私(現在、日本の非居住者)甲は、乙社(内国法人)の従業員ですが、今年から4年間の予定で海外駐在となります。給料は引き続き乙社から支払われます。
転勤後は、給料から所得税は差し引かれないはずですが、厚生年金保険料や健康保険料などは差し引かれるのでしょうか。
また、海外に駐在した場合の年金保険料について、日本でも保険料を支払い、現地国でも払う場合は、二重払いになりませんか。また、現地国のみで保険料を支払い、将来、帰国して、年金を受け取るときになって、現地国での支払期間を通算してもらえますか。
平成29年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第9回】「地方税率の改正時期の変更他」
平成29年度税制改正のうち、組織再編税制に係るものについては、以下の改正項目があるが、【第2回】「スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大」で解説した改正内容を除いて、連結納税における取扱いは単体納税と同じ取扱いになる。
収益認識会計基準(案)を学ぶ 【第1回】「範囲と定義」
本シリーズでは、平成29年7月20日から意見募集が開始された「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「収益認識会計基準(案)」という)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針(案)」(以下「収益認識適用指針(案)」という)についての解説を行う。
収益認識会計基準(案)は、わが国における収益認識に関する包括的な会計基準の開発として公表されたものである。意見募集は平成29年10月20日までである。
日本の企業税制 【第46回】「個人所得課税における納税環境の整備(電子化)に向けた動向」
政府税制調査会においては、4月下旬から5月上旬にかけて、経済活動のICT化や多様化を踏まえ、税務手続の利便性向上及び適正公平な課税の実現に向けた検討のため、諸外国の納税実務に係る諸制度やその実際の運用について調査を行い、6月19日の第10回総会で報告を行っている。
9月以降、審議が再開され、年末の平成30年度税制改正にもその成果が反映されることが期待されている。
平成29年度税制改正を踏まえた設備投資減税の選定ポイント 【第6回】「[設備種別]適用税制の選択ポイント②(ソフトウェア)」
ソフトウェアにおいては、商業・サービス業・農林水産業活性化税制は対象外となるため、中小企業投資促進税制と中小企業経営強化税制の選択となる。
〈平成29年度改正対応〉所得拡大促進税制の実務 【第6回】「組織再編が行われた場合の取扱い(その2:分割等)」
前回解説した「合併」と同じく、分割等(分割、現物出資及び現物分配)が行われた場合にも、企業規模が著しく変動することとなるため、基準雇用者給与等支給額及び比較雇用者給与等支給額について一定の調整が必要となる(措法42の12の5⑤)。
平成29年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第8回】「連結法人の申告期限の延長の見直し」
平成29年度税制改正においては、「攻めの経営」を促すコーポレートガバナンス税制の一環として、企業と株主・投資家との充実した対話を促すため、上場企業等が定時株主総会の開催日を柔軟に設定できるよう、決算日から3ヶ月を超えた日に定時株主総会を開催する場合(例えば3月期決算企業が定時株主総会を7月以降に開催する場合)、定時株主総会後に法人税の確定申告を行うことを可能とする措置が講じられた。
相続税の実務問答 【第14回】「法定相続分とは異なる割合による遺産分割」
父が今年の5月に亡くなりました。遺産は、母が引き続き居住している家屋とその敷地(合わせて時価8,000万円)、A銀行の預金6,000万円及びB銀行の預金2,000万円です。相続人は、母、長女である私、それに弟の3人です。
遺産分割協議の結果、母が居住している家屋及びその敷地は母が、A銀行の預金6,000万円は多額の住宅ローンをかかえている弟が、そして、B銀行の預金2,000万円は私が取得することとなりました。
遺産の総額は、1億6,000万円となりますので、それぞれの法定相続分(母:2分の1、私:4分の1、弟:4分の1)どおりに分割するならば、母は8,000万円、私と弟は4,000万円ずつとなりますが、上記の遺産分割協議の結果、私は法定相続分よりも少ない財産を取得し、逆に弟は、法定相続分を超える財産を取得することになります。
法定相続分と遺産分割協議により実際に取得することとなった財産の価額との差額について、私から弟に対して贈与したものとして、贈与税が課されることになりますか。