日本の企業税制 【第52回】「法案から見た法人税等の電子申告の義務化」
今回の改正の1つの柱である納税手続きの電子化の一環として、大企業に関する申告の電子化が義務化される(法人税、地方法人税、消費税、法人事業税、法人住民税、地方消費税)とともに、申告の簡素化等が行われる。税制改正大綱では様々な措置が盛り込まれているが、今回提出された法案から読み取れるのは次の事項である。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第25回】
平成13年度税制改正前から、合併を行った場合には軽減税率が認められていた。
平成13年度税制改正では、①会社分割による会社の設立・増資に係る登記について、分割の前後で資本金の総額が増加しない部分については、合併並みの税率とする措置、②会社分割による不動産の所有権移転登記について、5年の措置として、合併並みの税率とする措置がそれぞれ設けられた。
〔平成30年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第4回】「「役員給与等の見直し」及び「欠損金の繰越控除限度額の見直し」」
平成29年度税制改正における改正事項を中心として、平成30年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。【第3回】は、所得拡大促進税制の見直し、及び中小企業向け租税特別措置の適用制限について解説した。
【第4回】は、役員給与等の見直し、及び欠損金の繰越控除限度額の見直しについて、平成30年3月期決算申告において留意すべき点を解説する。
「使用人兼務役員」及び「執行役員」の税務をめぐる考察 【第2回】「使用人兼務役員に関する税務上の留意点①」
前回の1(1)において述べた、「その他法人の使用人としての職制上の地位」とは、支店長、工場長、営業所長、支配人、主任等法人の機構上定められている使用人たる職務上の地位をいう。したがって、取締役等で総務担当、経理担当というように使用人としての職制上の地位ではなく、法人の特定部門の職務を統括しているものは、使用人兼務役員には該当しない(法基通9-2-5)。
相続税の実務問答 【第20回】「遺留分減殺請求が見込まれる場合の相続税の申告」
昨年5月に父が亡くなりました。相続人は、母と兄及び私の3人です。長らく私が両親の介護を行ってきたこともあり、父はすべての財産を私に遺贈する旨の遺言を残してくれました。
最近になって兄が、遺言の内容に不満を持っており、遺留分の減殺請求を弁護士に相談していると聞きました。私も法律に定められた遺留分相当額の財産を兄に渡すことはやむを得ないと思っていますが、申告期限が近づいてきた現時点で、まだ、兄から遺留分の減殺請求を受けておりませんし、もちろん具体的にどの財産を兄に渡すのかについての協議はしていません。
このような場合、相続税の申告をどのように行えばよいのでしょうか。
連結会計を学ぶ 【第12回】「債権と債務の相殺消去」
連結貸借対照表の作成に際しては、連結会社相互間の債権と債務の相殺消去が行われる(「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号。以下「連結会計基準」という)18項)。
今回は、債権と債務の相殺消去について解説する。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第138回】研究開発費①「研究開発費の会計処理」
当社は医薬品の開発、製造、販売を行う製薬メーカーです。毎年、新薬開発のために多額の資金を支出しています。このような研究開発に関連する費用を会計処理するにあたっては、どのような点に留意すべきか教えてください。
計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策 【第24回】「これも気づかない!「罫線の消し忘れ」」
罫線に関するうっかりミスは【第7回】で取り上げました。【第7回】では、罫線の「引き忘れ」と「引きすぎ」の事例を紹介しましたが、今回はそれとは異なり、罫線の「消し忘れ」という事例になります。
上の事例には、罫線が1本余計なところがあります。どこだかわかりますか?
会社法計算書類では、決算書のフォームが定められているわけではありませんが、経理の実務としては、罫線をどこに引くかは概ね決まっています。「明文規定はないけれど、普通はこうする」という具合に、決算書を作成しているのです。そういう意味で、【事例24-1】では罫線が1本余計です。
「そう言われてみれば・・・」というところがありませんか?
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第61回】「条文の『見出し』から租税法条文を読み解く(その1)」
法令解釈に当たって、条文の文章自体に最大限の注意を払い、読み解く必要があるのは当然であるが、条文の「見出し」についてはどうであろうか。
条文本体ではないから注意を払う必要がないとしてよいのか、それとも条文本体同様の注意を払うべきであろうか。
見出し自体も法令であるから、例えば、見出しの変更を行う場合にも、国会での審議を要することとされている。すなわち、見出しはその条文と一体として、見出しについても改正対象とされているのである。したがって、新しく見出しを付する場合や、見出しを削る場合なども条文の改正作業と同様に進められることになる。
本稿では、条文の見出しに注目して、見出しが条文解釈にいかなる影響を及ぼすかについて考えてみたい。
