山本守之の法人税“一刀両断” 【第39回】「有姿除却の課税は国のエネルギー政策に反する」
使用を廃止しているが、解撤、廃棄、破砕を行っていない資産についても、既に固定資産としての命数や使用価値が尽きていることが明確なものについて、現状有姿のまま除却処理を認めようとするものが「有姿除却」です。
すなわち、次のような資産については、その帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を、有姿のまま除却損として損金の額に算入することができることとしているのです(法基通7-7-2)。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第6回】
【第3回】で解説したように、被合併法人又は分割法人における譲渡損益の計上は「移転資産に対する支配の継続」で考えるのに対し、株主における株式譲渡損益の計上は「投資の継続」で考えることから、両者は異なるものである。すなわち、被合併法人又は分割法人で譲渡損益を計上する場合であっても、金銭などの株式以外の資産の交付を受けていないのであれば、投資が継続していると考え、株式譲渡損益は認識しないことになる。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第32回】「役員賞与引当金」~事前確定届出給与に係る役員賞与引当金の繰入額の損金算入が認められないと判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して行われた「役員賞与引当金繰入額の損金算入の否認」に係る法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた国税不服審判所平成23年5月19日裁決(TAINSコード:F0-2-496。以下「本裁決」という)を素材とする。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例54(法人税)】 「売掛金が回収不能となった事実を把握したが、その都度貸倒損失の計上をせず、まとめて貸倒損失を計上したため、税務調査で否認された事例」
平成X6年3月期及び平成X7年3月期の法人税につき、平成X1年から平成X3年にかけて、依頼者の有する売掛金が回収不能となった事実を把握したが、その都度貸倒損失の計上をせず、当該事実発生から3年以上経過した平成X6年3月期及び平成X7年3月期に貸倒損失を計上したため、税務調査で否認された。これにより法人税及び消費税等につき過大納付税額が発生し、損害賠償請求を受けた。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第19回】「別表10(5) 収用換地等及び特定事業の用地買収等の場合の所得の特別控除等に関する明細書」〈その2〉
本明細書は、法人が、特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除(措置法第65条の3)、特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除(第65条の4)、農地保有の合理化のために農地等を譲渡した場合の所得の特別控除(第65条の5)の規定の適用を受ける場合に記載する。
本制度は、前回説明した収用換地等の場合の5,000万円の特別控除以外にも、法人の有する土地等が特定の事業のために買い取られた場合に認められる所得の特別控除制度である。
平成29年度税制改正を踏まえた設備投資減税の選定ポイント 【第11回】「設備投資減税と金融支援」
本連載ではここまで、設備投資減税(中小企業投資促進税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制、中小企業経営強化税制)に関する規定の概要、手続き、資産別の選択のポイントについて確認してきた。
最終回となる今回は、この設備投資減税を選択した場合における法的な金融支援について確認する。
中小企業等経営強化法では、経営力向上計画が認定された事業者に対して法的な金融支援を行うことを定めており、政策金融機関の低利融資や民間金融機関の融資につき通常融資とは別枠での融資限度額の設定(利率の軽減を含む)、信用保証、保証債務等の資金調達に関する支援策を行うこととしている。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第13回】「相続の時から譲渡の時までの利用制限(相続後に無償で貸した場合)」-相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲-
Xは、昨年3月に死亡した父親の家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地を相続により取得しました。
相続の開始の直前まで、父親はその家屋で一人暮らしをしていましたが、相続後、Xは、その家屋を海外勤務から帰国した弟家族に一時的に無償で貸し付けました。
弟家族が新居を購入して転居したことから、その家屋を取り壊して更地にし、本年12月に売却しました。
この場合、Xは、「相続空き家の特例(措法35③)」の適用を受けることができるでしょうか。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第9回】「非永住者の所得と社会保険料控除」
私(現在、日本の居住者)甲は乙社(外国法人)の従業員ですが、今年、本国から出向で、日本に派遣されました。日本国内では管理業務に従事し、派遣期間は4年間の予定です。
給料は本国払いと日本払いの両方があります。本国払いの給料については本国にプールして、日本に送金することはありません。他に本国の法人から毎年、配当が支払われますが、これも本国の口座にプールする予定です。
日本での給料については、毎月、いろいろな支払いがなされそうですが、所得税はどの所得について課されるのですか。確定申告は不要ですか。
また、本国で支払われる年金や社会保険料について、日本で確定申告をした場合、控除することができますか。
収益認識会計基準(案)を学ぶ 【第6回】「収益の認識基準④」-履行義務の識別-
収益認識は、履行義務を充足した時に又は充足するにつれて行うので、履行義務の識別は重要なステップである(収益認識会計基準(案)14項(5))。
「収益認識に関する会計基準の適用指針(案)」(以下「収益認識適用指針(案)」という)では、履行義務の識別に関連する設例が多く作成されているので、実務への適用の際に参考になる。
