経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第21回】減損会計②「減損会計のステップ」─減損損失の測定までの流れ
当社は外食事業を営んでいます(当期は×4年3月期)。主力のA外食事業は順調ですが、以前始めたB外食事業の業績がおもわしくないため、当期に撤退を決定しています。
このB外食事業に必要な事業用のC固定資産400百万円を追加で×3年3月期の期首に取得しています。
この場合には、減損処理は必要でしょうか。減損会計の手順を教えてください。
monthly TAX views -No.9-「デジタル財の消費税課税の検討を急げ」
消費税率の引上げが決まると、平成26年度税制改正を決める党税調の議論が始まる。それに合わせて、政府税制調査会も議論を始める。
この場での主要議題は、番号制度(マイナンバー)と国際課税だ。国際課税分野での課題といえば、総合主義・帰属主義の問題とBEPSの問題にわが国がどう対応していくかという点だが、忘れてならないのは、デジタル財の国境を越えた取引への消費税をどう課税するのかという問題である。
実はこれについては、昨年の秋口に、筆者も加わって、財務省で研究会が開催され、その成果をまとめてある。OECDのパブコメ部分を加えた上で公表ということなので、未だ公表されていないが、筆者の個人的見解は以下のとおりである。
法人・個人の所得課税における実質負担率の比較検証 【第2回】「実質負担率の比較と有利不利の境界線」
第1回では、法人の所得に対する課税制度と個人の所得に対する課税制度を整理した。そのうえで、どちらの形態をとるのが有利なのか、これは実質負担率を計算しなければ、比較できないことも述べた。
税理士業務を行うなかでしばしば遭遇するのが、法人の所得に対する税と個人の所得に対する税、いずれが有利なのか、という問題である。
いわゆる「法人成り」を行うにあたって有利となるラインはどこか、という問題もそのひとつである。これは個々人の家族体系や事業規模形態にも左右されるため、一概にラインを示すことは難しいが、目安として「所得1,000万円」を超えるか超えないかがひとつの目安とされることが多い。
では、その1,000万円という数字は、何を根拠に導き出した金額であろうか。
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第6回】「相続財産を確定し評価することの意義」
法律上、相続人になるは誰なのか(相続人の範囲)、その確定手続については、本連載の第3回から第5回にかけて説明してきた。
今回からは、相続の対象となる財産(*1)にどのようなものがあり、その評価をどうするか、という点について説明を行う。
まず、相続の対象となる財産であるが、基本的には、他界した人の所有するすべての財産が対象となる(民法896条)。
なお、死亡保険金、死亡退職金は、法律上は基本的には相続の対象とならないため、遺産分割協議の対象にはならない。また、生前に贈与した財産は、他界した人の財産ではなくなっているため、これも相続の対象とはならない。
交際費課税Q&A~ポイントを再確認~ 【第10回】「法人税申告書[別表15]記載のポイント」
第10回では、平成25年度税制改正により様式に変更のあった法人税申告書別表15「交際費等の損金算入に関する明細書」を記載する際の留意点について解説する。
平成25年度改正により、交際費課税(平成25年度末まで)は次のとおりに改正された。
小説 『法人課税第三部門にて。』 【第17話】「源泉徴収に係る所得税の調査(その3)」
「ということは・・・」
山口調査官は、少し考えながら、言葉を続けた。
「・・・もし、支給者である徴収義務者が受給者に対して源泉所得税を徴収しなかった場合でも、受給者は、本来支払うべき源泉所得税を、確定申告から控除をすることができるんですね」
山口調査官は、田村上席の顔を見て、確認する。
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載38〕 民事再生法において資産評定がある場合とない場合
民事再生法による再生手続開始の決定を受け、財産評定の作成に着手しています。
民事再生等では、資産評定がある場合とない場合で、欠損金等の取扱いに違いがあるといわれていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第20回】減損会計①「減損会計の目的」─損失の早期計上
当社は外食事業を営んでいます(当期は×4年3月期)。主力のA外食事業は順調ですが、以前始めたB外食事業が過去2期連続して赤字であり、今後も黒字に転じる見込みはありません。
このB外食事業に必要な事業用のC固定資産400百万円を追加で×3年3月期の期首に取得しています。
この場合には、どのような会計処理が必要になるのでしょうか。
税効果会計を学ぶ 【第19回】「連結財務諸表における税効果会計の取扱い④」~連結会社相互間の債権と債務の相殺消去による貸倒引当金の減額修正
「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第6号。以下「連結税効果実務指針」という)3項では、連結財務諸表固有の一時差異として、「連結会社相互間の債権と債務の相殺消去による貸倒引当金の減額修正」を規定している。
そこで、本稿では、連結財務諸表における税効果会計として上記に関する一時差異を取り上げる。
文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。