基礎から身につく組織再編税制 【第41回】「適格現物出資があった場合の繰越欠損金の取扱い」
今回は、適格現物出資があった場合の繰越欠損金の取扱いについて解説します。
適格合併があった場合には、原則として被合併法人の未処理欠損金額は合併法人に引き継がれますが、適格現物出資があった場合には、現物出資法人の未処理欠損金額は被現物出資法人に引き継がれません。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第80回】
〈Q4〉出荷基準が法人税法22条の2第1項の引渡基準に含まれる場合と、2項の近接日基準に含まれる場合とで、どのような差異が生じるのか。
組織再編成・資本等取引の税務に関する留意事項 【第10回】「グループ通算制度におけるみなし共同事業要件」
グループ通算制度では、時価評価課税の対象にならない法人に対して日本版サーリールールが認められている(法法64の7②一)。日本版サーリールールとは、繰越欠損金の生じた通算法人の個別所得の範囲内で繰越欠損金の使用を認める制度である(このような繰越欠損金を「特定欠損金」という)。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第79回】
〈Q3〉法人税法の収益の計上時期の原則的ルールは、法人税法22条の2第1項の引渡基準であると理解しているが、関連する書籍に目を通すと、「出荷基準は引渡基準に含まれる」という見解と「出荷基準は引渡基準に含まれない」という見解がある。いずれの見解が妥当であるか。
日本の企業税制 【第103回】「本年度末で適用期限を迎える「長期保有土地等の買換え特例」」
本年度末(令和5年3月31日)で適用期限切れとなる法人税関係の主要な租税特別措置のうち、試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(研究開発税制)と並んで減税規模の大きい措置として、所有期間が10年を超える国内にある土地等、建物又は構築物から、国内にある一定の土地等、建物又は構築物への買換え特例(以下、「長期保有土地等の買換え特例」)がある(措法65の7①四)。
〈判例評釈〉ユニバーサルミュージック最高裁判決
本件は、国際的な企業グループであるユニバーサルミュージックの日本法人X(被上告人)が、同グループの日本における組織再編成のため、グループ内の外国法人から多額の資金を借り入れ(本件借入れ)、本件借入れに係る支払利息の額を損金に算入して申告したところ、処分行政庁が、当該支払利息の損金算入は、法人税の負担を不当に減少させるものとして、同族会社の行為計算の否認の規定を適用して更正処分等を行ったため、これを不服として出訴した事例である。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第38回】「M&Aにおける役員給与・役員退職給与の支給」
当社はM&Aの対象会社となっており、現在、株主と買手候補の間で基本合意契約書が締結され、株式譲渡の最終合意に向かって進んでいます。
現状において、役員報酬について留意すべき税務上の論点があれば教えてください。
基礎から身につく組織再編税制 【第40回】「適格現物出資(共同事業)」
前々回は「完全支配関係」、前回は「支配関係」がある場合の適格現物出資の要件を確認しました。
今回は、「共同事業」を行うための適格現物出資の要件について解説します。
“国際興業事件”を巡る5つの疑問点~プロラタ計算違法判決を生んだ根本原因~ 【追補】
令和4年度税制改正の一環として、本年3月31日、法人税法施行令の一部を改正する政令が公布された(※1)。本稿は、同改正のうち、利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当(以下「混合配当」という)の取扱いが争われた国際興業事件最高裁令和3年3月11日判決(※2)(以下「本件最判」という)を踏まえた同施行令23条1項4号の改正を中心に検討する。