〔平成29年度税制改正大綱からみた〕組織再編税制の改正内容と実務への影響【後編】
現行法上は、現金交付型株式交換を行うと非適格株式交換として時価評価課税の対象になっていたことから、その代替的手法として、全部取得条項付種類株式、株式併合又は株式等売渡請求が利用されてきた。しかしながら、そもそも租税回避ではないかという批判があったことは事実である。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例45(法人税)】 「「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却」に該当する太陽光発電設備を設置したが、即時償却の処理をせずに消耗品費で処理したため、税務調査で否認されてしまった事例」
《事例の概要》平成27年3月期の法人税につき、「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却」(以下、「エネルギー設備の特別償却」という)に該当する太陽光発電設備を設置したが、即時償却の処理をせずに消耗品費で処理したため、税務調査で否認されてしまった。これにより、過大納付税額につき賠償請求を受けた。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第6回】「大規模災害時の特例措置(その1)」~災害損失特別勘定~
阪神大震災や東日本大震災のように、災害の被害状況が甚大である場合には、特例法や国税庁の個別通達による特例措置がとられることがある。【第6回】から【第8回】においては、これらの大規模災害時の特例措置について解説する。
これらの特例措置は、大規模災害の都度設定されるものであり、今後も必ず同様の内容となるとは限らない。しかし、平成28年4月に発生した熊本地震における特例措置(個別通達)は、東日本大震災時の特例措置を参考として概ね同様の内容となっていることから、今後特例措置が設定される際も同様であると考えられる。
裁判例・裁決例からみた非上場株式の評価 【第22回】「租税法上の評価⑥」
前回では、東京地裁平成19年1月31日判決について解説を行った。
本稿では、最高裁平成7年12月19日判決について解説を行う。本事件は、低廉譲渡により、法人税法22条が適用された事件である。
〔平成29年度税制改正大綱からみた〕組織再編税制の改正内容と実務への影響【前編】
平成28年12月8日に与党税制改正大綱が公表された。
税制改正大綱が公表される前はスピンオフ税制のみが報道されていたが、実際に公表されてみると、平成18年度税制改正(会社法への対応)、平成22年度税制改正(グループ法人税制)に匹敵する大改正であったということが言える。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第5回】「被災資産の復旧費用・評価損等、災害損失欠損金の取扱い」
法人が固定資産の復旧作業を行う場合、これに要した費用を資本的支出として資産計上するのか、修繕費として損金算入するのかを判定する必要がある。このとき、どちらに該当するかは通常、次の通りに判定を行う(法基通7-8-1、7-8-2)。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第4回】「被災した取引先に対する支援の取扱い」
被災前の取引関係の維持・回復を目的として、災害発生後相当の期間内(取引先の復旧過程)において、法人が取引先に対して災害見舞金を支出した場合は、交際費等として取り扱わず全額を損金に算入する(措通61の4(1)-10の3)。
これは、災害見舞金の支出が単なる慰安・贈答のためではなく、取引先の復旧を手助けすることにより、自らが蒙る可能性のある損失を回避するためのものと考えられるからである。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第3回】「義援金、災害見舞金等の取扱い」
災害が発生した際に法人が義援金を支出した場合、法人税法上は寄附金として取り扱い、損金に算入されるか否かはその支出先によって異なる。その義援金が「国又は地方公共団体に対する寄附金」や「財務大臣が指定した寄附金(指定寄附金)」に該当する場合は、その全額が損金に算入される(法法37③)。
租税争訟レポート 【第30回】「使途を明らかにしない商品券の購入代金に対する課税(東京地方裁判所判決)」
本件は、株式会社A(以下「原告」という)が、原告との吸収合併により消滅した株式会社B(以下「B社」という)が、平成19年3月期及び平成21年3月期の法人税の確定申告をしたところ、土浦税務署長から各更正処分を受けたことに関し、各更正処分につき、いずれも違法があると主張して、それらの部分の取消しを求める事案である。