顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第16回】「仕入・買掛債務管理のKPI(その③ 支払)」
今回は、「仕入・買掛債務管理」を構成する業務プロセスから、「支払」の基本を問うKPIを取り上げる。
仕入計上やその変更計上が行われた後、購買取引の支払段階では、資産保全の観点で業務管理が重要となるが、そのような業務管理のサービスレベルを評価するKPIを紹介しよう。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第17回】「7対1入院基本料と重症度・看護必要度」
一定以上の患者は手がかかるのだから、そのような病院あるいは病棟等を評価しようという仕組みであり、A得点5点、B得点5点のような患者も必要度をぎりぎりで満たす患者も同じ評価になるため、連続的な評価にはなってないという特徴を持つ。
現行の診療報酬においては、一般病棟7対1入院基本料を算定する場合には、看護必要度を満たす患者が15%以上、また急性期看護補助体制加算25対1を届け出る場合にも7対1入院基本料を算定する病棟にあっては15%以上の看護必要度の基準を満たす患者を入院させることが求められている。看護師や看護補助者を重点的に配置する必要があるのは、看護必要度が高く手のかかる患者が多いからという考え方であろう。
活力ある会社を作る「社内ルール」の作り方 【第3回】「会社の企業統治のステップ」
企業統治には、次のようなステップがあると考える。
単体の企業もこのステップを踏むし、日本だけでなくグローバルで大括りにした場合でも、俯瞰してみると同じステップを踏んでいるのではないかと思う。
そのステップとは、以下のようなものである。
[ステップ1]経営者の考えや目に見えないが、皆がなんとなく共有している文化・風土による統治
競業避止規定の留意点 【第3回】「競業避止義務と職業選択の自由」
競業避止義務が有効であるか否かの判断基準は、前回《判例》のように、個々のケースバイケースにより判断される。競業避止義務の有効性の根拠は「企業と労働者の間の契約関係によるもの」とする考え方が一般的である。そこで、会社が取り得る事前措置としては、就業規則や契約書に、退職後も会社の営業機密を使用・開示してはならない旨の禁止・違反した場合の措置(使用者の差止請求や損害賠償請求)を設けておく方法がある。この裏返しとして、退任後や退職後に競業を禁止する特約が有効かどうか、という問題がある。
婚外子相続差別に係る最高裁違憲決定がもたらす影響
憲法問題の中には、専門家の間でも考え方が激しく対立しているのみならず、同一の争点につき、最高裁判所が長年にわたり繰り返し法的判断を示す場合がある。
その一つのテーマが、いわゆる婚外子(非嫡出子)の法定相続分の問題、すなわち、戸籍上の婚姻関係がない男女間の子(嫡出でない子)の相続分を嫡出子の半分と規定する民法900条4号ただし書(以下「本件規定」という)が、憲法14条1項に違反するかという問題である。
最高裁判所は、平成25年9月4日、上記の問題につき、本件規定が憲法14条1項に違反し無効であるとの決定を遂に下した(以下「本件決定」という)。
〔税理士・会計士が知っておくべき〕情報システムと情報セキュリティ 【第7回】「失敗しない会計事務所選び(ITの視点から)」
顧客にとって業務効率化における重要な点として、会計事務所との情報の受渡しの効率性がある。
日々の受渡しに関する業務量が多い業務のひとつに記帳委託時の領収証や請求書等の各種証憑のやりとりがある。これにはいくつかの受渡方法があるが、もっともシンプルな方法は郵送である。
郵送の場合、会計事務所側は顧客から入手した各種証憑に基づき記帳業務を行った後、基本的にこれらを再び顧客に返却する。そして、顧客側は戻ってきた証憑類を保管することになる。シンプルであり、ITに依存しない方法であるが、一連の作業が完結するまでに日数を要する方法であり、証憑類の受渡漏れの問題が発生しやすいため注意が必要である。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第15回】「仕入・買掛債務管理のKPI(その② 仕入値引等対応)」
今回は前回に引き続き、「仕入・買掛債務管理」を構成する業務プロセスから、「仕入値引等対応」を評価するKPIを取り上げる。
「仕入値引等対応」は、いったん受渡しが行われた物品や役務に数量不足や品質不良が発見された場合に発生するため、仕入・買掛債務管理においては特殊業務であるとともに、返品や仕入値引による仕入金額の減額の過程で誤謬や不正が発生しやすい。
そこで、仕入計上の評価の妥当性、資産保全の観点で業務管理が重要となるが、そのような業務管理のサービスレベルを評価するKPIを紹介しよう。
競業避止規定の留意点 【第2回】「競業禁止義務と秘密保持義務」
前回説明したように、現行法上「競業避止義務」が課せられるためには、企業の経営に直接関与し、企業との利害の一致が要請される。つまり、取締役や支配人、幹部労働者が対象となる。
一般労働者は、企業経営に直接関与しないため、企業と利害の一致にはならないケースが多い。ただし、一般労働者も労働契約上の義務として、使用者の秘密を保持すべき義務を負っている。
これに対し、退職した労働者が退職後も秘密保持義務を負うか否か、という点では議論が分かれている。
民法改正(中間試案)―ここが気になる!― 【第9回】「債権譲渡」
民法改正の中間試案の中で、最も複雑なものが債権譲渡に関する部分である。
特に、債権譲渡の対抗要件を、債務者を情報センターとする方法(債務者に対する通知や債務者の承諾とする方法:現行の民法に規定される方法)と、債権譲渡登記を活用する方法(「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」により定められた方法)と二通りが並行して考えられており、結論が出ていない点が大きい。
会計事務所 “生き残り” 経営コンサル術 【第9回】「実務では変動費・固定費の区分なんて子供騙しだ」
本を読みますと、経費は変動費と固定費に分けられ、変動費は管理可能で固定費は管理不能だと書かれています。
「管理不能だ」という意味は、一度支出すれば長期間にわたって支払いが続いていくため、管理することが難しいということです。
私は学生時代に損益分岐点の本を読んで、このように学びました。そして、固定費とは家賃や地代、リース料のことをいうのだと知ったのでした。
当時は、「なるほど、このように経費を分析していき、損益分岐点を求めるのか」と感心したものでした。
しかし実際に仕事をしていて、中小企業の優秀な社長から次のように言われびっくりしてしまいました。