会計事務所 “生き残り” 経営コンサル術 【第8回】「全社員が売上を最大に、経費を最小にすれば、利益は後からついてくる」
経営は、何も難しいことではありません。要するに、この標題のようなことを実行すれば、自然と利益が出てくるのです。これをおっしゃたのが京セラの稲盛さんです。
パナソニックの創業者の松下さんは、入るを増やし、出を制すれば利益が出ると言っておられたようです。どちらも同じ考え方のようです。
しかし、この簡単なことを難しくしているのが私たち会計人なのです。経営分析とか損益分岐点分析を使って、より複雑にしているのです。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第14回】「総合入院体制加算を算定する意義」
総合入院体制加算は、総合的かつ専門的な入院医療を24時間提供する体制を有する病院を評価した加算であり、1日につき120点(14日を限度)として算定することができる。
当該加算を届出する病院は、2010年7月1日現在で、全国で206と少なく、非常にハードルが高いと(なお、参考までに同日付で特定集中治療室管理料(いわゆるICUに関する加算)を算定する病院は、624病院・5,215病床であり、その門戸の狭さを確認することができる。
当該加算は、DPC/PDPSにおける機能評価係数Ⅰで0.0291と評価されており、500床規模の病院であれば当該加算だけで年間1億円程度の真水の増収が期待できる。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第10回】「売上・売掛債権管理のKPI(その① 新規・継続審査)」
前回まで9回にわたり、スコアリングモデルの総論として、その意義や特徴、使用方法等、全体的なイメージについて解説してきたが、今回からスコアリングモデルの各論に入る。
スコアリングモデルは、経理財務を構成する18種類の業務(前掲図表4)について、137個のKPIを使って、経理財務部門のサービスレベルを評価する。
そこで、各論では、137個からいくつかのKPIを抜粋し、個々のKPIが何を意味するのか、なぜ重要なのか、会社の経営者が着目すべきポイントは何かという点について、KPIごとに解説を試みたい。
各論の初回は、売上・売掛債権管理を構成する複数の業務プロセスのうち、新規・継続審査を評価するKPIを取り上げる。
有効な解雇手続とは 【第1回】「解雇の基礎知識」
本連載のテーマは「有効な解雇手続」である。
なぜタイトルに“有効”と“手続”という言葉を入れたのか、それは、解雇をめぐるトラブルの多くが感情論からスタートし、労使間で収拾できないまま大きなトラブルへと発展するケースが非常に多いからである。
解雇めぐるトラブルでは、手段の相当性(手続的理性)が重視される。つまり、会社が正しい手続を経て解雇を行えば“有効”になる可能性が高まり、正しい手続を経ないで行えば無効になる可能性が高いということである。
本連載では、4回にわたって解雇トラブルを防ぐための考え方や手続方法をお伝えするが、まず第1回目は、解雇をめぐる基本的な知識をお伝えする。
新たな高速バスの法規制と労働問題 【第1回】「業界を取り巻く状況」
本稿の公開日となる平成25年8月1日より、「高速ツアーバス」の運行は廃止され、「新高速乗合バス」に移行し、一本化された。
これは平成24年4月29日に関越道で発生した高速ツアーバス事故を契機に、国土交通省が事故の再発防止と高速バス及び貸切バスへの信頼回復のために策定した「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」に基づき、当初の計画を前倒して、「新高速乗合バス」をスタートさせたものである。
本連載では3回にわたり、高速バス業界を取り巻く状況と併せて、新たな高速バスの法規制と労働問題を取り上げていく。
親族図で学ぶ相続講義 【第8回】「公正証書遺言を薦めるワケ」
前回お話した自筆証書遺言は、自宅にて一人で書けるのでたしかに気軽です。
しかし、ど素人が一人で書くので、次のような事態が生じる懸念が拭えません。
改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第5回】「本当の経営改善計画(事業計画)はどうあるべきか」
「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」における債務者区分の判定で、経営改善計画(事業計画)によるものがある。
金融機関に提出する場合を別にすると、中小企業等の多くは、経営改善計画の必要性や重要性を認識していない傾向にある。
加えて、記帳についても同様である。
記帳については、税務申告の必要性から行っている場合が多く、極端な例を挙げれば、借入れのために申告しているような企業もある。
また、自計化できない企業も多く存在し、これができなければ、経営改善計画を策定しても、リアルタイムで進捗状況の管理ができない。
そもそも経営改善計画(事業計画)は、業績の如何によらず作成すべきものである。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第9回】「スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る」 ~業務の有効性・効率性スコア~
前回は、優秀な会社の傾向を読み取るにあたり、スコアリングモデルにおける「財務諸表の信頼性スコア」を取り上げた。
今回取り上げるのは、「業務の有効性・効率性スコア」である。なお、今回が本連載における総論部分の最終回となる。
業務の有効性・効率性スコアは、5つの視点のうち、「効率性」、「戦略性」から適切なKPIを抽出して算出されるもので、経理財務部門の業務が効率的に行われており、さらに企業価値の向上に貢献しているレベルを表すスコアである。
では、実際の会社を評価した業務の有効性・効率性スコアから、どのような傾向を読み取ることができるだろうか。
長時間労働と労災適用 【第4回】「企業が取るべき対策」
前回説明したように、企業は安全配慮義務違反により膨大な損害賠償を請求される可能性がある。
このため、企業は以下のように、損害賠償請求から自社を守るべき対策を講じる必要がある。
民法改正(中間試案)―ここが気になる!― 【第6回】「約款」
民法改正においては、約款の項を新たに設け、「多数の相手方との契約の締結を予定してあらかじめ準備される契約条項の総体であって、それらの契約の内容を画一的に定めることを目的として使用するものをいうものとする。」と定義している。
すなわち、本来、契約は当事者間での合意であり個々に内容が定まることが原則であるところ、多数の相手方と画一的に内容を定めた契約を締結し、個々の同意がなくともその内容について一律の変更等ができるとするという例外を認めた契約方法が「約款」である。