社外取締役と〇〇 【第8回】「社外取締役と株主総会」
社外取締役については、その役割の重要性に鑑みて、株主総会参考書類及び事業報告において、社内取締役とは異なる規律が設けられている。また、2020年9月1日、令和元年改正会社法(令和元年法律第70号。以下、改正後の会社法を「改正会社法」という)に伴う会社法施行規則等の法務省令の改正案(以下、「改正省令案」といい、改正後の会社法施行規則を「改正会社法施行規則案」という)が公表され、新たな記載事項の追加が見込まれている。さらに、株主総会当日において、株主からの質問の回答者として社外取締役が指名され、社外取締役としての意見を求められる場面も増えてきている。
そこで、本稿では、株主総会参考書類及び事業報告における社外取締役に関する規律の概要とともに、会社法施行規則の改正による新たな記載事項及び株主からの質問対応等、株主総会当日において社外取締役に期待される役割について解説する。
今から学ぶ[改正民法(債権法)]Q&A 【第16回】「賃貸借契約」
当社は不動産賃貸業を営んでいますが、債権法改正では賃貸借契約について見直しがあったと聞きました。具体的にどのような見直しがあったのでしょうか。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例53】ハイアス・アンド・カンパニー株式会社「公認会計士等の異動に関するお知らせ」(2020.10.1)
今回取り上げる開示は、ハイアス・アンド・カンパニー株式会社(以下「H&C」という)が2020年10月1日に開示した「公認会計士等の異動に関するお知らせ」である。
これまで会計監査を受けていた有限責任あずさ監査法人(以下「あずさ監査法人」という)が退任することとなったのだが、後任の監査法人は未だ決まっておらず、「現在、選考しております」と記載されている。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第11回】「共有不動産はどうして価値が下がるのか」~税務の常識と鑑定評価の常識~
不動産は一般の物と異なり価格も高額で、自分一人だけでその購入資金を調達することができないケースも多くあります。このような場合、単独所有というわけにはいかず、資金を提供する他の者との「共有」という形態をとらざるを得ません。
また、相続が発生し、相続人も何人か存在するという場合、相続財産である不動産が共有形態で引き継がれていくケースが多く見受けられます。それだけにとどまらず、相続人が多数存在する場合もあり、各々の持分が細かく分割されていることも珍しくありません。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第8回】「被害者からの請求に関する裁判上の紛争手続における留意点」
本稿においては、ハラスメント事案の被害者が裁判上の紛争解決手続を利用した場合の留意点等について説明する。
前稿にて述べたとおり、被害者からなされるのは基本的には損害賠償請求であると思われるところ、その裁判上の紛争解決手続としては労働審判と通常訴訟が考えられる。
〔一問一答〕税理士業務に必要な契約の知識 【第11回】「商法が適用される契約関係」
民法ではなく商法が適用される場合としては、どのような場合がありますか。
また、今年の4月に施行された債権法改正による影響はありますか。
空き家をめぐる法律問題 【事例28】「空き家を売却するために信託を利用する方法」
私(A)は、妻に先立たれ、自宅で病気療養のために一人暮らしをしていますが、子どもら(B・C)は、都市圏で生活をしております。現在は、近所に住む妹(D)が定期的に自宅を訪問して身の回りの世話をしてくれたりしています。
私が死亡した後、誰も自宅に住む予定はありませので、その時には売却してその代金を子どもらに渡したいのですが、BやCはまだ若いため、定期的に代金を渡していきたいと考えています。どのような方法が考えられますか。
〔これなら作れる ・使える〕中小企業の事業計画 【第8回】「個別計画の作成手順(その3)」
第6回及び第7回では、個別計画における売上計画の作成ポイントについて解説した。
第8回では、個別計画における経費計画のうち、人員計画の作成ポイントについて確認する。
社外取締役と〇〇 【第7回】「社外取締役と買収防衛策」
近時、わが国においてアクティビスト(物言う株主)の活動が再び活発になっている。また、従来はあまり見られなかったが、わが国においても事業会社による他の会社への現経営陣の賛同を得ないで行う買収(以下「敵対的買収」という)も見られるようになってきた。アクティビストや他の事業会社による経営権取得を目的とする敵対的買収への対抗策の1つとして買収防衛策が検討されることがある。しかし、買収防衛策はその運用次第では経営陣の自己保身に利用されるおそれもあることから、経営陣の恣意的な判断を排除するための仕組みが必要となる。
そこで、本稿では、買収防衛策の概要とともに、経営陣の恣意的な判断を排除するために設置される独立委員会の機能と社外取締役が果たす役割について解説する。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例52】株式会社日本取引所グループ「システム障害に係る調査委員会の設置について」(2020.10.5)
今回取り上げる開示は、株式会社日本取引所グループ(以下「JPX」という)が2020年10月5日に開示した「システム障害に係る調査委員会の設置について」である。極めて簡潔な開示なので、開示全体を以下に掲載する(一部省略)。