〈Q&A〉消費税転嫁対策特措法・下請法のポイント 【第5回】「消費税転嫁対策特措法が禁止する「買いたたき」とその典型例」
第5回は、第4回で解説した下請法上の「買いたたき」に続き、消費税転嫁対策特別措置法(以下「消費税転嫁対策特措法」という)上の「買いたたき」について述べる。
これまで、公取委が消費税転嫁対策特措法に違反するとして勧告・社名公表に踏み切った事例のほとんどは、「買いたたき」が行われた事例である。すなわち、「買いたたき」は、消費税転嫁対策特措法が禁止する5つの消費税転嫁拒否等の行為(第1回参照)の中でも、圧倒的に重要な違反類型であるといって間違いない。
賃金請求権の消滅時効変更に伴う未払残業代等の企業対応
2020年4月1日から、民法の改正にあわせ、賃金請求権の消滅時効が2年から5年(当分の間3年)に変更されたので、本稿では、法改正の内容を紹介し、企業が検討しなければならない実務的対応について論じたい。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第5回】「事実調査における証拠の収集と事情聴取の留意点」
ハラスメント事件のおそれが発覚した場合、会社として、まずは事実調査を行うべきである。
本稿においては、事実調査のポイントを解説する。
ハラスメントの事実調査の方法には、物的証拠の収集と関係者の事情聴取を通じた人的証拠の収集とがある。
〔一問一答〕税理士業務に必要な契約の知識 【第8回】「電子契約のメリット・デメリットと導入時の注意点」
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、当社でも、テレワーク(在宅勤務)制度を採り入れて出社回数や出社人数を減らし、取引先との会議にもweb会議を導入しております。在宅で業務ができる体制も整いつつあり、業務の効率化が図られています。
一方で、契約を締結する業務は、契約書を印刷・押印して郵送する作業や、送られてきた契約書を受け取ったりする作業のために、社員がその都度出社する必要があり、不便さを感じます。
そこで、この機会に電子契約の導入を検討したいのですが、どのようなメリットやデメリットがあり、また、導入する際にどのような点に注意すればよいのでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例25】「隣接する空き家から雨水が流入してくる場合の諸問題」
私の自宅の隣には、空き家になった2階建の民家がありますが、2階の縦といの部分が外れており、横といの部分も私の自宅側に向かって傾いているため、雨天の時には、横といと縦といとの境目から、雨水が地面に向かって直接降り注ぐような状態となっています。
小雨の時には特に問題ありませんが、大雨の時には、隣地との擁壁を越えて、私の自宅敷地内に降り注ぎ、壁や窓ガラスに当たることもあります。
このような場合、私は隣地の所有者に対し、修繕などを請求することができるでしょうか。
〔これなら作れる ・使える〕中小企業の事業計画 【第5回】「事業計画の作成手順(後編)」
第4回は、事業計画の作成手順について、【STEP1】から【STEP2】までのポイントについて整理した。第5回では、【STEP3】から【STEP4】までのポイントについて確認する。
社外取締役と〇〇 【第4回】「社外取締役と内部統制システム」
「内部統制システム」とは、取締役(指名委員会等設置会社においては執行役)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他会社及びその企業集団の業務の適正を確保するための体制(会社法348条3項4号、399条の13第1項1号ハ、416条1項1号ホ)であり、その細目は、会社法施行規則に定められている(会社法施行規則100条1項・3項、110条の4第2項、112条2項)。
今から学ぶ[改正民法(債権法)]Q&A 【第14回】「債務者の責任財産保全のための制度」
商品を販売しても、代金を払ってこない債務者は一定数存在します。新型コロナウイルスの影響により経済情勢が不安定となるなかで、債務者から支払いを行ってもらえない事例が増加することを危惧しています。
債権法改正では、債務者の財産保全の制度も整備されたと聞きましたが、どのように改正されたのでしょうか。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例49】RIZAPグループ株式会社「2020年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2020.6.10)
今回取り上げる適時開示は、RIZAPグループ株式会社(以下「RIZAP」という)が2020年6月10日に開示した「2020年3月期決算短信〔IFRS〕(連結)」である。本連載で同社の開示を取り上げるのは、【事例31】【事例36】に続いて3回目となる。
今回取り上げるのは2020年3月期の決算短信だが、親会社の所有者に帰属する当期利益(同社はIFRS適用会社)を見ると、マイナス6,046百万円とされており、前期に続いて赤字である。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第7回】「“価格の三面性”からみた不動産鑑定評価の方式」~基本的な考え方と留意点~
前回まで、土地価格の特徴やその形成要因、借地権及び借家権の価格の相違、地代算定の目安など、不動産の価格や賃料にまつわる現象を角度の異なるいくつかの側面から取り上げてきました。
各々の解説を読まれた方は既に感じ取られたことと思いますが、不動産には他の財に見られない多くの特徴があり、これが不動産の価格の形成過程を複雑かつ難解なものにしている要因ではないかと思います。しかし、不動産に価格が生ずる源泉を探っていった場合、そこには一般の財と共通する「価格の三面性」という性格を見い出すことができます。