社外取締役と〇〇 【第2回】「社外取締役と会社法改正」
「会社法の一部を改正する法律」(令和元年法律第70号)(以下「令和元年改正法」といい、改正後の会社法を「改正会社法」という)が、2019年12月4日に成立し、同月11日に公布された。改正項目は多岐にわたるが、平成26年改正会社法(平成26年法律第90号)(以下「平成26年改正法」という)では実現しなかった社外取締役の選任の義務付けが実現したことが注目される。
今から学ぶ[改正民法(債権法)]Q&A 【第13回】「売買における買主の権利の明文化(その2)」
前回の解説で、瑕疵担保責任から契約不適合責任への変更の内容については理解できました。では、この改正を受けて、現在使っている売買契約書は見直しが必要となるでしょうか。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例47】前田道路株式会社「剰余金の配当(特別配当)並びに臨時株主総会招集及び剰余金の配当(特別配当)に関する基準日設定についてのお知らせ」(2020.2.20)
今回取り上げる適時開示は、前田道路株式会社(以下、「前田道路」という)が2020年2月20日に開示した「剰余金の配当(特別配当)並びに臨時株主総会招集及び剰余金の配当(特別配当)に関する基準日設定についてのお知らせ」である。
1株当たり650円、総額535億円の特別配当を行うこととしたという内容だが、同社の2019年3月期の1株当たり配当額は70円、2019年12月末時点の連結貸借対照表上の現金預金は631億円であるため、同社にあるキャッシュをあらかた吐き出すような巨額配当である。
給与計算の質問箱 【第5回】「役員報酬の期中減額に伴う注意点」
新型コロナウイルスの影響で当社の売上が激減したので、2020年5月分(6月25日支給)から代表取締役の役員報酬を月額50万円から月額0円又は月額5万円に減額する予定です。
税金や社会保険で注意する点があれば教えてください。
なお、当社は10月決算の会社です。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第5回】「借地権とは異なる借家権の評価の意味」
【第3回】の解説では、都市部において借地権が取引の対象となる場合、そこでは金銭的な対価の授受を伴うことが多いこと、簡便的に借地権価格の目安をつける方法として更地価格に借地権割合(路線価図等に記載のもの)を乗じて計算する方法が普及していることを取り上げました。借地権は土地を借りてこれを利用する権利ですが、そこには財産権的性格が形成されているともいえます。
それでは、建物を借りてこれを利用する権利、すなわち借家権の場合はどのように考えればよいでしょうか。
〈Q&A〉消費税転嫁対策特措法・下請法のポイント 【第2回】「当局による調査・勧告等の状況」
令和2年5月1日付けで、公取委から「消費税率引上げ後の消費税の転嫁状況に関する調査(令和2年度)」という書面が届きました。
上記書面には、公取委が消費税転嫁拒否等の行為に対する監視及び取締りを行っていることが記載されており、赤字で「必ず提出してください」、「この調査は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法第15条第1項の規定に基づき、特定事業者に報告の義務を課して実施するものです」などと書かれています。
何やら物々しく感じますが、当社に消費税転嫁対策特別措置法違反の疑いがあるということでしょうか?
中小企業経営者の[老後資金]を構築するポイント 【第25回】「相続税の納税資金と老後資金の関係」
事業を成功させてきた中小企業の経営者の場合には、相続税の基礎控除を超える程度の相続財産を遺していることが想定され、状況によっては相続について多額の納税資金を要することとなる。
当たり前ではあるが、納税義務者としてこの納税を行うのは、遺す側の被相続人ではなく、遺された側の相続人である。この多額の納税資金を現役世代の相続人などが相続人自身の蓄財の中で一括納税することは困難であり、また、納税資金確保のために相続財産を処分するとしても、10ヶ月という短い期間の中で相続財産を処分し納税資金を確保することは非常に煩雑な手続きとなる。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第2回】「ハラスメント事件の発覚から終結に至るまでの鳥瞰図」
ハラスメント事件は、ハラスメントの被害者自身又はハラスメントの目撃者等の第三者による会社に対する申告等の働きかけにより発覚に至る。
被害者経由でハラスメントが発覚する場合、被害者から上司への申告や、法務部、人事部、相談窓口などへのコンタクトなどのルートがある。
〔一問一答〕税理士業務に必要な契約の知識 【第5回】「新型コロナウイルスの影響と契約関係」
①取引先に納入すべき製品の仕入れが新型コロナウイルスの影響により大幅に遅れ、既に納入期限を過ぎている上に今なお納入時期の具体的見通しも立ちません。取引先から契約の解除や損害賠償請求を受けた場合、これに応じなければならないでしょうか。
②新型コロナウイルスの影響により、当社の売上げも大きく減少し、このままでは次の買掛金の支払いができません。このような状況下でも責任を負うのでしょうか。
③発熱の症状が出ている従業員がいます。職務の継続自体は可能と思われますが、当社の判断で休業を命じようと考えています。このような場合に当社は休業手当の支払義務を負うのでしょうか。また、従業員が自主的に休業した場合はどうでしょうか。
[新型コロナウイルスを乗り越えるための]中小企業の経営相談 【第4回】「どうしても上手くいかない場合の事業再建策」~法的再建と私的再建~
当社はコロナショックのあおりを受けて売上げが激減してしまっています。財務状況を分析したところ、このままだと数ヶ月後に資金ショートすることがわかりました。以前から金融債務のリスケをしていたため、新規融資も断られてしまい、資金繰りについては万策尽きた状態です。
私は経営責任をとって引退しても良いのですが、何とか事業だけは守れないでしょうか。また、多額の連帯保証債務を負っている私は自己破産を免れないのでしょうか。