中小企業経営者の[老後資金]を構築するポイント 【第15回】「贈与による親族内承継」
前回までは事業承継前にできる老後資金準備策について、施策ごとに検討を行ってきたが、今回からは実際の承継時における資金確保策を検討することとしたい。
中小企業の経営者が事業承継を考えるとき、後継者の選択肢としては、自身の子をはじめとする親族内、従業員を対象とする親族外、そして全くの外部(第三者)へのM&Aが想定される。
この中で経営者が最初に検討すべきは、自身の子に事業を引き継げるかどうかであろう。
税務争訟に必要な法曹マインドと裁判の常識 【第8回】「税務訴訟における法令適用(法令解釈)②」
契約準拠法は、例えば、契約当事者の一方が日本企業、他方がアメリカ企業である場合等、契約当事者が帰属する国が異なる国際取引において主に問題となるが、第一次的には契約当事者の選択に委ねられていることから(法の適用に関する通則法第7条)、例えば、日本企業同士の契約であっても、日本国外の法律を準拠法とすることが可能である。読者の皆様の中にも、契約書の中に「本契約の準拠法は●●法とする」という文言があるのを見られたことがあるかもしれない。
では、当事者が税負担を軽減する目的から、あえて日本法以外の準拠法を選択した場合、裁判所はどのように判断するのであろうか。
〔“もしも”のために知っておく〕中小企業の情報管理と法的責任 【第16回】「従業員による情報の不正な持出しに対する防止策」
-Question-
自社の情報を盗まれた場合への対応は【第7回】及び【第8回】でよくわかりましたが、そもそもどうすれば従業員による自社の情報の不正な持出しを防げるのでしょうか。
「働き方改革」でどうなる? 中小企業の労務ポイント 【第6回】「『フレックスタイム制』の活用で従業員の自律性を促す」
前回、従業員の「残業」と「健康」の両立を可能にする「インターバル制度」について説明しましたが、今回は従業員の「仕事」と「プライベート」のバランスをとりやすくする「フレックスタイム制」について説明していきます。
「フレックスタイム制」を導入すると、従業員はどのような働き方ができるのか、まずは以下をみていきましょう。
空き家をめぐる法律問題 【事例15】「マンション空き家と滞納管理費に関する諸問題」
築40年を超える区分所有権のあるマンションの管理組合は、外壁に亀裂が入るなど老朽化したマンションの修繕工事を行うことを検討している。そこで、従前からの管理費や修繕積立金の支払状況を確認したところ、過去6年分の管理費や修繕積立金を支払っていない区分所有者がいることが明らかになった。当該区分所有者は、現在、専有部分に居住しておらず、連絡先も明らかではない。
【1】 管理組合が滞納された管理費を請求できる期間はどれくらいか。
【2】 区分所有者から任意の支払いを受けられない場合、管理組合はどのような方法によって管理費を回収することができるか。
【3】 上記【2】の方法によって回収できない場合に、管理組合がとり得る手段はあるか。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例36】RIZAPグループ株式会社「通期連結業績と業績予想及び通期個別業績と前期実績値との差異に関するお知らせ」(2019.5.15)
今回取り上げる適時開示は、RIZAPグループ株式会社(以下「RIZAP」という)が2019年5月15日に開示した「通期連結業績と業績予想及び通期個別業績と前期実績値との差異に関するお知らせ」である。親会社の所有者に帰属する当期利益(同社はIFRS適用会社)をマイナス7,000百万円と予想していたが、実績はマイナス19,393百万円になったという内容であり、同日に「2019年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」を開示している。
組織再編時に必要な労務基礎知識Q&A 【Q18】「会社分割にあたり、労働者にはどのような通知が必要か」
【Q18】
会社分割にあたり、労働者にはどのような通知が必要か
中小企業経営者の[老後資金]を構築するポイント 【第14回】「膨らみやすい社長借入金(会社貸付金)の解消法」
中小企業の場合、社長が会社に対して資金を提供しているケースは多い。会社の資金繰りの影響や社長が立て替えた会社経費の精算がされずに蓄積されたことなどが主な理由であるが、この社長借入金も月日の経過とともに膨れ上がり、事業承継や相続において大きな障壁となるケースがある。
税務争訟に必要な法曹マインドと裁判の常識 【第7回】「税務訴訟における法令適用(法令解釈)①」
税務訴訟における法令適用(法令解釈。以下単に「法令適用」という)の特徴としては、①租税法規を文理解釈する傾向が強いこと、②他の法規と比較しても通達が重要な位置付けにあること、及び、③【第6回】でも言及したとおり、いわゆる「借用概念」を通じて、私法上の考え方が租税法規の解釈適用に影響を及ぼすことの3点が主に挙げられる。
〔“もしも”のために知っておく〕中小企業の情報管理と法的責任 【第15回】「不正アクセスから情報を守るサイバーセキュリティ対策」
-Question-
不正アクセスなどから個人情報等を守るために、サイバーセキュリティが重要なことはよく分かっていますが、当社は小規模で、コストを掛けることは難しいですし、そもそも、まず何をすべきなのかも分かりません。
中小企業の経営者として、サイバーセキュリティを確保するために、何をしておけばよいでしょうか。