役員インセンティブ報酬の分析 【第9回】「株式交付信託②」-平成29年度税制改正の影響-
本連載【第8回】で述べたように、平成29年度税制改正では、定期同額給与、事前確定届出給与又は業績連動給与という損金算入可能な役員報酬の3類型は維持しつつ、退職給与や新株予約権も役員報酬の中に含めて損金算入の可否を考えることとなった。そのため、29年度改正後は、株式交付信託は交付時点が役員在任時か退任時かというのは従来に比して重要ではなくなり、「在任時交付型」は損金算入の可能性が出てきた一方、「退任時交付型」については若干使い勝手が悪くなった。
組織再編時に必要な労務基礎知識Q&A 【Q7】「企業が合併した場合、合併前に締結した労働条件を定めた労働協約は合併後も有効か」
【Q7】 企業が合併した場合、合併前に締結した労働条件を定めた労働協約は合併後も有効か
税理士のための〈リスクを回避する〉顧問契約・委託契約Q&A 【第3回】「委任契約書等に委任事項・報酬額を取り決めなかった場合の報酬請求の可否と報酬額」
X税理士は、約30年にわたってAの経営する会社の顧問税理士であったが、この度、Aが亡くなったため、Aの相続人であるYから、Aの相続についての相続税の申告の依頼を受けた。
しかし、Xは、Yからの依頼について、Yが長年付き合いのあったAの相続人ということもあったため、委任契約書を作成せず、また、報酬額についても、申告後に相談する旨の口約束はあったものの、具体的な金額については取り決めをしていなかった。
そして、Xは、Yの依頼に基づき、Aの相続財産を調査した上、相続税申告書を作成したが、申告内容についてXとYとで意見が合わなかったため、Yはかねてより懇意にしていた別の税理士に依頼するとして、Xへの依頼を取りやめた。
このようなケースで、XはYに対し、報酬を請求できるか。
また、報酬を請求できるとして、どの程度の金額まで請求可能か。
家族信託による新しい相続・資産承継対策 【第25回】「家族信託の活用事例〈不動産編⑥〉(認知症が懸念される親の相続税対策として子へ不動産や金銭を信託する事例)」
私には今年87歳になる父がいます。父は市街地に多数の不動産を所有し、現預金も多く保有しているため、このまま亡くなってしまうと多額の相続税が発生することが見込まれます。
父は現在のところは十分な判断能力があると思いますが、最近では足腰が弱り外に出なくなってきたため、認知症になってしまうことを懸念しています。
父の不動産には減価償却の終わった古いアパートも多く含まれているため、建替えを検討していた時期もありましたが、最近では父自身が無気力になってきたこともあり、自身で建替えを行うことは難しそうです。
このような場合、私が父に代わって建替えを行うようなことはできないでしょうか。また、できればローンを組んで建替えを行いたいのですが、そのようなことはできないのでしょうか。
外国人労働者に関する労務管理の疑問点 【第8回】「後々トラブルにならないよう入社時に説明すべきこと(その2)」
最近では人手不足により兼業を認める会社も出始めてはいますが、一般に人事担当者からみると、まず「兼業は会社の就業規則に違反する」と考えると思います。
ただし、外国人の従業員にとって「他の会社の兼業は禁止」である理由は、外国人が入管法違反で不法就労になり、処罰される恐れがあるからです。
税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題〔Q&A編〕 【第21回】「民事信託の利用(その3)」-信託契約を検討する際の注意点-
私は税理士ですが、最近、特に高齢者のご一家を中心に、所有する資産を信託により管理したいという問い合わせを受ける機会が増えてきました。
信託契約に関する一般的な知識は書籍等を通じて押さえるとして、実務において信託契約の導入を検討する際の注意点等があれば教えてください。
これからの会社に必要な『登記管理』の基礎実務 【第9回】「定款・議事録管理の仕組みづくり(「点」と「点」を「線」で結ぶ)」-実践編-
本稿では、定款変更に関する株主総会の決議内容の反映に漏れがない定款、すなわち、「万全な定款」として管理し続けるための実践方法について解説する。
株主総会議事録や定款は会社主導で管理するものであり、中長期的な視点で管理する仕組みがなければ、将来にわたって「万全な定款」として管理することは難しい。
もし社内にこれらを管理する仕組みがなければ、本稿を通じて、体系的に管理する仕組みづくりに着手するきっかけにしてもらいたい。
家族信託による新しい相続・資産承継対策 【第24回】「家族信託の活用事例〈不動産編⑤〉(相続発生後、複数の推定相続人により不動産が共有化されるのを防ぐため不動産に信託を設定する事例)」
私は今年85歳になりますが、両親はすでに他界し、昨年妻に先立たれ、また2人の間には子供がいなかったため、現在は1人暮らしをしています。私は8人兄弟の三男ですが、兄弟のうち何人かは既に亡くなっており、中には認知症になってしまった兄弟もいます。
私はアパートを10棟所有しており、賃料収入もそれなりにあるのですが、最近は年齢のせいもあって管理に手がまわらなくなってきました。幸い、近所に住んでいる私の兄(8人兄弟の次男)の息子(甥A)が賃貸管理を手伝ってくれているので、法律的にも私の代わりに管理できるようにしたいと考えています。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例20】日東紡績株式会社「相談役および特別顧問制度の廃止について」(2017.2.24)
今回取り上げる適時開示は、日東紡績株式会社(以下「日東紡」という)が平成29年2月24日に開示した「相談役および特別顧問制度の廃止について」である。次の記載のみのシンプルな開示で、タイトルのとおり相談役と特別顧問制度を廃止するという内容である。
組織再編時に必要な労務基礎知識Q&A 【Q6】「合併にあたり労働条件を統一するため不利益に変更することはできるか」
【Q6】 合併にあたり労働条件を統一するため不利益に変更することはできるか