企業結合会計を学ぶ 【第18回】「取得とされた株式移転の会計処理」
株式移転とは、1又は2以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう(会社法2条32号)。
「株式移転設立完全親会社」とは、株式移転により設立する株式会社をいい(会社法773条1項第1号)、また、「株式移転完全子会社」とは、株式移転において、株式移転設立完全親会社に発行済株式の全部を取得させる株式会社をいう(会社法773条1項5号)。
株式移転のイメージは次の図のとおりである。
企業結合会計を学ぶ 【第17回】「取得とされた株式交換の会計処理」
株式交換とは、株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう(会社法2条31号)。
会社法では、株式交換は、完全親会社又は完全子会社とするための当時会社の間で行われる組織再編として規定されている(会社法767条、769条1項)。
〈桃太郎で理解する〉収益認識に関する会計基準 【第9回】「もしボス猿が陰にいたとしたら~本人か代理人かで異なる収益表示」
実際の『桃太郎』には、ボス猿がいるという話はありませんが、ここではサルがボス猿の指示を受けて桃太郎のところにやってきたことにしてみました。
そこでは、サルが収益認識するにあたって検討すべきことがあります。
それは「収益の額をいくらにするか?」ということです。
企業結合会計を学ぶ 【第16回】「事業分離の会計処理④」-受取対価が現金等の財産と分離先企業の株式である場合の分離元企業の会計処理-
現金等の財産と分離先企業の株式を受取対価とする事業分離において、分離先企業が子会社となる場合や子会社へ事業分離する場合、分離元企業は次の処理を行う(事業分離等会計基準24項、109項、109-2項、結合分離適用指針99項、104項、230項、232項)。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第149回】ESOP③「従業員等に対する権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引の会計処理」
Question
弊社は、以前ストック・オプションを発行していましたが、現在、権利確定条件付き有償新株予約権(いわゆる「有償ストック・オプション」、以下同様)の従業員等への付与を検討しています。
両者の相違点を中心に、有償ストック・オプションの会計処理を教えてください。
企業結合会計を学ぶ 【第15回】「事業分離の会計処理③」-受取対価が分離先企業の株式のみである場合の分離元企業の会計処理-
会社分割等、事業分離の対価として分離先企業の株式のみを受け取った場合は、当該分離先企業に対する分離元企業の株式の持分比率等により、分離先企業は次のように分類される(結合分離適用指針97項)。
① 事業分離により分離先企業が子会社となる場合(結合分離適用指針98項から99項)
② 事業分離により分離先企業が関連会社となる場合(結合分離適用指針100項から102項)
③ 事業分離により分離先企業が共同支配企業の形成となる場合(結合分離適用指針196項及び197項)
④ 事業分離により分離先企業が①から③以外となる場合(結合分離適用指針103項)
〈桃太郎で理解する〉収益認識に関する会計基準 【第8回】「もし桃太郎がきびだんごを忘れてしまったら~資産負債アプローチという考え方」
契約時において、潜在的に負債に存在していた「鬼退治同行義務」は、キジが履行義務を果たしたことにより消滅します。同時に、潜在的に資産として存在していた「きびだんご受取権」は、履行義務の充足に伴って、きびだんごを確実に入手できる状態になり、貸借対照表上で営業未収金として顕在化します(便宜上、きびだんご1つを100円として貨幣額に換算しています)。
企業結合会計を学ぶ 【第14回】「事業分離の会計処理②」-受取対価が現金等の財産のみである場合の分離元企業の会計処理-
分離元企業では、事業分離により移転した事業に係る資産及び負債の帳簿価額は、事業分離日の前日において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠した適正な帳簿価額のうち、移転する事業に係る金額を合理的に区分して算定する(事業分離等会計基準10項)。
2019年3月期決算における会計処理の留意事項 【第4回】
2018年3月23日に金融庁より「平成28年度有価証券報告書レビューの審査結果及び審査結果を踏まえた留意すべき事項」が公表された。これは、平成29年度の有価証券報告書レビューに関して、2018年3月23日時点までの実施状況を踏まえ、複数の会社に共通して記載内容が不十分であると認められた事項に関し、記載に当たっての留意すべき点を取りまとめたものである。