経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第121回】退職給付会計⑨「退職給付制度間の移行―過去勤務に係る部分も移行した場合」
Question 当社は、確定給付年金制度を採用していましたが、当期首に確定給付年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行しました。なお、移行前の確定給付年金制度の年金資産の一部が確定拠出年金制度に移換されています。
このような場合に、移行時において必要となる会計処理を教えてください。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第29回】「金利スワップの特例処理」
今回は、金利スワップの特例処理について解説する。
一般事業会社において、金利スワップは、変動金利の借り入れに対して、金利を固定化するために、利用するケースが多い。
金利スワップの特例処理とは、「資産又は負債に係る金利の受払条件を変換することを目的として利用されている金利スワップが金利変換の対象となる資産又は負債とヘッジ会計の要件を充たしており、かつ、その想定元本、利息の受払条件(利率、利息の受払日等)及び契約期間が当該資産又は負債とほぼ同一である場合には、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産又は負債に係る利息に加減して処理することができる」会計処理をいう(会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針(以下、「実務指針」という)」177)。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔会計面のアドバイス〕 【第6回】「繰延税金資産の回収可能性への影響」
棚卸資産や有形固定資産等と異なり、繰延税金資産については実体がない。したがって、大地震や集中豪雨などの災害により法人が被災しても、繰延税金資産については物理的な損壊は生じない。
しかしながら、繰延税金資産は回収可能性に応じて計上されるものであるため、災害がその回収可能性に影響を与える場合には、繰延税金資産の計上額にも影響が及ぶことになる。
金融商品会計を学ぶ 【第27回】「ヘッジ会計⑧」
予定取引にヘッジ会計を適用したことにより繰り延べられたヘッジ手段に係る損益(繰延ヘッジ損益)は、当該予定取引の実行時において、次のように処理する(金融商品実務指針170項、338項)。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔会計面のアドバイス〕 【第5回】「固定資産の処理」
大地震や集中豪雨などによって法人が被災した場合、法人の所有する工場や営業所などの建物や、機械設備、車両運搬具などの固定資産に物理的な被害が発生することがある。
このような場合、まずは被災後に固定資産の実地棚卸を行い、被害状況を確認する必要がある。
ストーリーで学ぶIFRS入門 【第7話】「日本ではまだ馴染みの薄い有給休暇引当金」
「お帰り。有給届のハンコ、もらえたか?」
桜井が経理部のシマに戻ると、隣の席の2年先輩にあたる藤原が話かけてきた。桜井は、経理部長の清瀬から有給申請届の承認印をもらってきたところだった。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔会計面のアドバイス〕 【第4回】「棚卸資産の処理」
大地震や集中豪雨などにより、法人の所有する製品や商品などの棚卸資産に物理的な被害が発生することがある。棚卸資産が被災した場合、法人は会計上どのような対応をとるべきか。
本稿では、災害の混乱が収まるまでの対応、その後の実地棚卸による災害被害額の認識と測定の仕方及び会計処理について見ていく。
金融商品会計を学ぶ 【第26回】「ヘッジ会計⑦」
引き続き、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)におけるヘッジ会計について述べる。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第120回】引当金の会計処理⑥「投資損失引当金」
[Question]非上場子会社の財政状態が悪化し、当該子会社株式の実質価額が著しく低下しているとは認められないものの、実質価額がある程度下落していると考えられる場合に必要な会計処理について教えてください。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第28回】「IFRS15(収益認識の基本)」
2014年5月28日にIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益(以下、「IFRS15」という)」が公表されている。IFRS15は、原則、2018年1月1日以後開始する事業年度から適用される。
また、日本においても、IFRS15の強制適用日に適用が可能となることを当面の目標として収益認識に関する包括的な会計基準の開発が検討されている(「収益認識に関する包括的な会計基準の開発についての意見の募集(以下、「意見募集」という)」15)。
今回は、IFRS15の「基本」について解説する。IFRS15では、収益認識は履行義務単位で行う。そして、5つのSTEPに分けて検討する。