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減損会計を学ぶ 【第5回】「減損の兆候」

筆者:阿部 光成

本連載の第1回「減損会計の全体像」で述べたように、減損会計の一連のプロセスには「減損の兆候」がある。
減損会計が理解されにくかった要因の一つとして、当時の固定資産会計には馴染みのない「減損の兆候」というステップが規定されたことにあると思われる。
以下では減損の兆候に関して解説を行う。

減損会計は、固定資産を対象にした会計処理方法であり、減損の兆候、減損損失の認識の判定、回収可能価額に基づく減損損失の測定のプロセスである。
本連載の第2回では減価償却との関係を解説しているが、今回はさらに減損会計の特徴を述べ、今後、減損会計基準を読む際のポイントを解説する。
文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。

減損会計基準は、固定資産を対象に適用すると規定している(減損会計基準一)。
固定資産には、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産が含まれる(「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号。以下「減損適用指針」という)5項)。

減損会計基準を理解するためには、同会計基準が設定された背景を理解する必要がある。
固定資産に関する会計手法として、減価償却がある(「企業会計原則」第三、五)。
減損会計基準の設定の背景を理解するために、まず、減価償却の考え方を整理し、次に減損会計を必要とした理由を考えてみる。

平成14年8月に、企業会計審議会から「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(以下「減損会計意見書」という)が公表され、平成17年4月1日以後開始する事業年度から実施されている。減損会計はすでに実務に定着しているものといえる。
減損会計は、企業の業績が悪化するなどし、将来の収益が十分には獲得できない場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額する会計処理である。このため、減損会計は毎期決算のポイントとなる事項であり、将来の収益の獲得という見積りの要素が重要となる。
前述のように減損会計はすでに実務に定着しているものの、導入当初はなかなかなじみにくい会計基準であるとの意見が聞かれた。これは、減損会計には全体像が理解しにくい面があること、減損の兆候などの新しい用語が使用されていること、管理会計の要素を考慮する面があることなどがあるためではないかと考えられる。

当社は外食事業を営んでいます(当期は×4年3月期)。
B外食事業で使用しているC固定資産について減損の兆候があり、C固定資産の帳簿価額は割引前将来キャッシュ・フローより過大であるため、減損損失を認識する必要があります。
このときの減損損失の金額はいくらになるでしょうか。

当社は外食事業を営んでいます(当期は×4年3月期)。主力のA外食事業は順調ですが、以前始めたB外食事業の業績がおもわしくないため、当期に撤退を決定しています。
このB外食事業に必要な事業用のC固定資産400百万円を追加で×3年3月期の期首に取得しています。
この場合には、減損処理は必要でしょうか。減損会計の手順を教えてください。

当社は外食事業を営んでいます(当期は×4年3月期)。主力のA外食事業は順調ですが、以前始めたB外食事業が過去2期連続して赤字であり、今後も黒字に転じる見込みはありません。
このB外食事業に必要な事業用のC固定資産400百万円を追加で×3年3月期の期首に取得しています。
この場合には、どのような会計処理が必要になるのでしょうか。

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