決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識 【第20回】「期中レビュー報告書の一部記載漏れ」
第1四半期と第3四半期の四半期決算短信については、監査人によるレビュー手続がなされているものがあります。2024年度においては、上場会社のうち、4社に1社程度がレビューを受けたようです。
今回の訂正事例は、四半期決算短信に係る期中レビュー報告書が間違っていたものです。四半期決算短信のレビューは、一部の会社に対しては義務付けられていますが、基本的には任意です。そして、いずれの場合も、レビューを受けている場合は四半期決算短信にレビュー報告書を添付します。レビュー報告書自体は監査人が作成するものなので、その間違いについて会社に責任はありませんが、訂正を公表するのは会社です。訂正になった場合の手間を考えると、一定程度の知識は持っておいた方がよいと思います。
では、早速、事例を見ていきましょう。
連結会計を学ぶ(改) 【第8回】「みなし取得日」
連結財務諸表の作成は支配獲得日から行うことになるが、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号。以下「連結会計基準」という)では、支配獲得日等に関して、みなし取得日の規定を設けている(連結会計基準(注)5)。
なお、「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(移管指針第4号。以下「資本連結実務指針」という)は、2025年10月16日の「期中財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第37号。以下「期中会計基準」という)の公表を受けて修正されている規定があるので、実際の適用に際しては、期中会計基準の適用時期に注意する。
《速報解説》ASBJ、「金融商品に関する会計基準(案)」等を公表~金融資産の減損に予想信用損失モデルを導入~
2025年10月29日、企業会計基準委員会は、「金融商品に関する会計基準(案)」(企業会計基準公開草案第89号。以下「金融商品会計基準(案)」という)等を公表し、意見募集を行っている。
有価証券報告書における作成実務のポイント 【第16回】
今回は、有価証券報告書のうち、【経理の状況】の【注記事項】1株当たり情報からその他の作成実務ポイントについて解説する。
なお、本解説では2025年3月期の有価証券報告書(連結あり/特例財務諸表提出会社/日本基準)に原則、適用される法令等に基づき解説している。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第175回】株式会社トーシンホールディングス「第三者委員会調査報告書(開示版)(2025年8月29日付)」
2025年4月30日、トーシンHDの当時の一時会計監査人である中部総合監査法人(報告書上の表記は、B監査法人))からの指摘によって、トーシンモバイルの財務報告に関し、2023年4月期から2024年4月期にかけて、主に移動体通信関連事業における二次代理店向けの代理店精算において、財務報告用資料と実際の代理店精算用資料の2種類が存在しており、かつ財務報告用資料において二次代理店向けの端末販売等の売上高が過大計上となっており、その結果として帳簿上未回収となっている売掛金が存在している事実(本事案)が判明した。
本事案について、事案の解明を図るためには、独立性及び専門性を有する第三者による調査が必要であるという中部総合監査法人からの指摘を受け、トーシンHDは、公正性を確保した調査が必要であると判断し、2025年5月9日開催の取締役会において、外部の有識者によって構成する第三者委員会(第2次調査委員会)の設置を決議し、同月20日開催の取締役会において、第三者委員会の委員を決定し、調査に着手した。
連結会計を学ぶ(改) 【第7回】「連結決算日と決算日の変更」
連結財務諸表の作成において、連結財務諸表の作成に関する期間は1年であり、親会社の会計期間に基づいて、年1回一定の日をもって連結決算日とすると規定されている(「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号。以下「連結会計基準」という)15項)。
《速報解説》 ASBJが「期中財務諸表に関する会計基準」等を公表~補足文書として「実務対応報告及び移管指針において定めている期中の取扱い」も示す~
2025年10月16日、企業会計基準委員会は、「期中財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第37号。以下「期中会計基準」という)等を公表した。
《速報解説》 会計士協会、「倫理規則」の改正に関する公開草案を公表~サステナビリティ情報の開示と保証の制度化の議論による倫理規則の改正~
2025年10月15日、日本公認会計士協会は、「倫理規則」の改正に関する公開草案を公表し、意見募集を行っている。
これは、サステナビリティ情報の開示と保証の制度化の議論が進められていることを踏まえ、倫理規則を改正するものである。
意見募集期間は2025年12月15日までである。
《速報解説》 会計士協会、サステナビリティ情報に関する制度保証の開始に向け、実務指針案を公表~サステナビリティ情報に対する保証報告書の文例も収録~
2025年10月15日、日本公認会計士協会は、「サステナビリティ保証業務実務指針5000「サステナビリティ情報の保証業務に関する実務指針」」(公開草案)を公表し、意見募集を行っている。
〈経理部が知っておきたい〉炭素と会計の基礎知識 【第13回】「「サステナビリティ関連財務情報」と財務情報、どんな関係にあるの?」
ジャーナル食品社は、加工食品の製造・販売を営む企業です。
サステナビリティ推進室では、ハルカちゃんとミズノ室長が自社の有価証券報告書をのぞき込んでいます。
【ハルカちゃん】
「・・・というわけで、この注記は、財務諸表のこの数値を詳しく説明するものなんですよ。」
