金融・投資商品の税務Q&A 【Q66】「株式交付制度により譲渡した株式の譲渡所得の特例」
私(居住者たる個人)は、A社の株式を保有していましたが、同社がB社により子会社化されることになりました。この子会社化は、2021年3月1日に施行された改正会社法において導入された株式交付制度に基づいて、下記の条件により行われますが、A社株式に係る譲渡益は、課税上、どのように扱われるのでしょうか。
居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第41回】「譲渡前に買換資産を取得している場合」-買換資産の取得期間-
Xは、18年程前から住んでいた家屋Aを買い換えるため不動産仲介業者に売却と購入を依頼していたところ、家屋Aの買手が見つかる前に希望どおりの物件が見つかったので、住宅ローンを組んで家屋Bを購入し、昨年の10月に家屋Aから家屋Bに転居しました。
転居後、家屋Aは空き家となっていましたが、本年4月に買手が見つかり家屋Aを売却したところ、多額の譲渡損失が発生しました。
買換資産の取得期間以外の適用要件が具備されている場合に、Xは「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第4回】「再調査の請求(異議申立て)の効果的な利用の仕方」
再調査の請求は、その上級に位置する審査請求・訴訟に比して、簡易迅速な納税者の権利救済を志向しているが故に、審査請求・訴訟のような納税者と原処分庁との対審構造を意識した制度設計とは異なるものとなっている。
monthly TAX views -No.103-「「税務行政の将来像2.0」の先を読む」
本年6月11日、国税庁から「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-」が公表された。
いよいよ国税の現場にも、デジタルを活用して税務手続きや業務のあり方を抜本的に見直す(つまりDXの)時代が来たということで、大変意義深いものだと考えている。
令和3年度税制改正における寄附金控除の見直し~出資に関する業務に充てられることが明らかな寄附金の除外~
令和3年度税制改正において、特定公益増進法人に対する寄附金制度における寄附金の範囲等が見直された。本稿では改正の内容について解説を行う。
遺贈寄付の課税関係と実務上のポイント 【第1回】「近年の遺贈寄付の高まりと税理士の役割」
今、遺贈寄付が注目されている。遺贈寄付とは、遺言により学校法人、社会福祉法人、公益法人、特定非営利活動法人などの非営利団体や国、地方公共団体(以下「非営利法人等」とする)に財産の全部又は一部を寄付することや、相続人が相続財産の全部又は一部を非営利法人等に寄付することをいう。
遺贈寄付が注目されている要因はいくつかある。
令和3年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第6回】「人材確保等促進税制・所得拡大促進税制への見直し・延長」
令和3年度税制改正では、大企業向けの賃上げ・投資促進税制について、ウィズコロナ・ポストコロナを見据え、新規の雇用を促進することを目的とした「人材確保等促進税制」に変更している。
また、中小企業者の所得拡大促進税制についても適用要件を一部見直し、簡素化して、適用期限を2年延長している。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例32】「修繕費の損金計上のタイミングと仮装行為」
私は、東北地方において農機具製造業を営むA株式会社(3月決算法人)において総務部長を務めております。東北地方は戦後一貫して米作や果樹栽培を中心とした農業が盛んな土地柄で、いわゆる専用機・作業機メーカーに分類されるわが社も、そのような東北地方で農業を営む農家を主たるターゲットに農機具を製造・販売してきました。
しかし、国内における農家数の減少を受け、農機具の出荷台数は近年概ね減少傾向にありますが、一方で、わが国の農機具はアジアでは高性能との評価を受けており、輸出金額は年々増加しております。