裁判例・裁決例からみた非上場株式の評価 【第26回】「まとめ」
前回まで、会社法及び租税法の観点から、裁判例、裁決例を分析してきた。
最終回となる本稿では、今までの裁判例、裁決例を踏まえたうえで、実務上の留意事項について解説を行う。
日本の企業税制 【第40回】「業績連動給与の損金不算入」-改正法案における規定の確認-
平成29年度税制改正に関する「所得税法等の一部を改正する等の法律案」が、2月3日、閣議決定の上、国会に提出された。
改正の概要については、すでに、昨年12月の与党税制改正大綱において明らかにされているところであるが、それが、実際の条文にどのように落とし込まれるのかが確認できるようになったわけである。
〔平成29年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第4回】「「雇用促進税制の縮減・延長」「役員給与の損金算入要件の緩和」「交際費等の損金不算入の特例の延長」」
平成28年度税制改正における改正事項を中心として、平成29年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。【第3回】は、「減価償却の見直し」、「少額減価償却資産の特例の延長」、「生産性向上設備投資促進税制の縮減・終了」及び「環境関連投資促進税制の見直しと延長」について解説した。
【第4回】は、「雇用促進税制の縮減・延長」、「役員給与の損金算入要件の緩和」及び「交際費等の損金不算入の特例の延長」について解説する。
相続税の実務問答 【第8回】「銀行預金の分割」
父が昨年5月に亡くなりました。相続人は、母及び子である私と弟の3人です。父の遺産としては、両親が居住していた家屋とその敷地及びA銀行の預金5,000万円があり、遺産総額が相続税の基礎控除額を超えることから、相続税の申告が必要だと思われます。しかし、相続税の申告期限までに遺産分割協議がまとまりそうもありません。
ところで、相続税の申告期限までに遺産分割協議等により配偶者の取得財産が決まらない場合には、配偶者の税額軽減措置を適用できないようですが、銀行預金については、分割をするまでもなく各相続人が法定相続分により取得することとなるので、母については銀行預金5,000万円のうち、法定相続分(2分の1)に相当する2,500万円に対応する相続税額について、軽減措置を受けることができるのではないかと思います。いかがでしょうか。
特定居住用財産の買換え特例[一問一答] 【第2回】「「買換えの特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定②(店舗兼住宅等を譲渡した場合の計算例)」-譲渡価額要件の判定-
Xは、店舗兼住宅及びその敷地(いずれの所有期間も10年超で居住期間は10年以上)を、本年の9月に2億円(建物6,000万円、土地1億4,000万円)で譲渡しました。
その建物及び土地の利用状況は、下図のとおりです。
この場合、「特定の居住用財産の買換えの特例(措法36の2)」の譲渡価額要件(1億円以下)を満たすこととなるのでしょうか。
なお、当該譲渡した建物及び土地と一体としてXの居住の用に供されていた他の建物又は土地等の譲渡はありません。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第46回】「債権譲渡に関する契約書(売掛債権譲渡契約書)」
【問】売掛債権を譲渡するにあたり、旧債権者と新債権者との間で債権譲渡契約書を作成しました。
印紙税の取扱いはどうなりますか。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q32】「米国デラウェア・リミテッド・パートナーシップの法人該当性」
私(居住者たる個人)は、米国デラウェア州のリミテッド・パートナーシップに投資を行っております。米国デラウェア・リミテッド・パートナーシップは外国法人として取り扱われるとの最高裁判決が出されたとのことですが、その判決の詳細を教えてください。
包括的租税回避防止規定の理論と解釈 【第33回】「ヤフー・IDCF事件最高裁判決①」
【第30回】からの解説により、ヤフー・IDCF事件東京地裁判決以降の租税回避に対する実務的な対応を検討してきた。
本稿では、ヤフー・IDCF事件最高裁判決について解説を行うこととする。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第50回】「限られた租税行政資源と『税務に関するコーポレートガバナンス』(その2)」
限られた税務行政資源の中で適正公平な課税を担保するため、特に悪質な、あるいは大口な納税者に対して資源を集中している昨今の税務行政の傾向は前回述べたとおりである。すなわち、国税庁は、税務に関するコーポレートガバナンスが良好である納税者と、そうでない納税者について、「メリハリ」をつけて対応していくこととしているのである。
特定居住用財産の買換え特例[一問一答] 【第1回】「「買換えの特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定①(居住用の家屋等の一部を前々年に贈与している場合)」-譲渡価額要件の判定-
X(夫)は、本年6月に居住用の土地家屋(所有期間が10年超で居住期間は10年以上)を、その共有者であるY(妻)とともに1億2,000万円(Xが1億円、Yは2,000万円)で譲渡しました。
Yが譲渡した土地及び建物の持分(1/6)は、前々年3月にXから贈与により取得したものであり、その贈与のときにおける時価額は2,000万円でした。
この場合、X及びYは、「特定の居住用財産の買換えの特例(措法36の2)」の譲渡価額要件(1億円以下)を満たすこととなるのでしょうか。
なお、X及びYも、上記の贈与以外には、当該譲渡した土地及び家屋と一体としての居住の用に供されていた他の建物又は土地に係る譲渡はありません。