解説
税務分野に関する制度解説および実務論点を体系的にまとめたカテゴリです。法人税・所得税・消費税・相続税・国際課税など主要税目ごとの取扱い、条文の趣旨、通達や裁決事例の解説まで幅広く掲載しています。税制改正の背景や制度の考え方を整理しながら、実務対応のポイントや留意点についても分かりやすく解説しています。各税目別カテゴリとあわせてご覧いただくことで、より体系的に理解いただけます。
消費税の軽減税率を検証する 【第6回】「執行コストの増大と事業者の優遇措置としての効果」
軽減税率の実施に当たっては、膨大な通達が必要になる。近時、国税庁は新しい制度についてQ&Aを公表するのが常となっており、その策定も求められよう。
そしてこれらは、実務からの要請で見直され、複雑化していくことになる。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第2回】「インドの個人所得税」
まず日本においてはサラリーマンであっても「給与所得控除」という形の「経費」が最低65万円認められているが、インドにおいてはこれに該当するものがない。同様に日本においては基礎控除が38万円、結婚して、かつ配偶者が働いていない場合はさらに38万円の配偶者控除が認められているが、これもない。
連結納税適用法人のための平成27年度税制改正 【第10回】「所得拡大促進税制・その他の租税特別措置法上の見直し」
連結親法人及び各連結子法人が、適用年度(注1)において国内雇用者(注2)に対して給与等(注3)を支給する場合において、次の3つの要件を満たすときは、連結法人税額(注4)から雇用者給与等支給増加額(注5)の10%に相当する金額(税額控除限度額)を控除する(措法68の15の5①)。
この場合において、税額控除限度額が、連結法人税額の10%(連結親法人が中小連結親法人(注6)である場合には、20%)に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、10%相当額を限度とする(措法68の15の5①)。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第33回】「非公開裁決事例④」
今回、紹介する事件は、関連会社に対して非上場株式を譲渡した場合において、時価よりも低廉な価額で譲渡したものとして寄附金として否認された事件である。
非上場株式をどのように算定するのかという点は、実務上も頻繁に問題となる点である。なお、平成22年9月1日の裁決事例は、TAINSコードF0-2-401とF0-2-400の2つがあるが、いずれも非上場株式の譲渡価額について争われた事件であり、その内容も似ているため、本稿では、F0-2-401についてのみ解説を行う。
税務判例を読むための税法の学び方【67】 〔第8章〕判決を読む(その3)
以前、【第45回】にて記したように、判例は「論点に対する判断」であると、ただし論点とは当事者に論点として取り上げられた部分とは限らない。また、審級により論点は異なる。
そこで、その裁判における判決を左右する真の「論点」が何かを見極めなければならない。
それは判決で「争点」と示されたものとも異なる。
そこで、1つ判決を見てみよう。
この判決は、法律による政省令への委任が租税法律主義に違反しているとされた具体的な事例を提供するものとして、重要な先例的意義を有する(佐藤英明「課税要件法定主義一政令への委任の限界」別冊ジュリスト178号『租税判例百選第4版』10頁(ただしこれは控訴審の評釈である))とされる裁判例である。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例29(所得税)】 「配当控除を加味して総合課税で申告したところ、配当控除の適用が受けられないものであったため、申告不要制度を選択した方が有利であったとして賠償請求を受けた事例」
平成26年分の所得税につき、上場株式等の配当等に対して、配当控除を加味して総合課税で申告したところ、配当控除の適用が受けられないものであった。
これにより修正申告となってしまい、配当控除が受けられないものであれば、源泉分離課税による申告不要制度を選択した方が有利であったため、有利な源泉分離課税と不利な総合課税との差額につき賠償請求を受けた。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第33回】「外貨預金の利子に課された所得税、復興特別所得税、住民税の処理」
Q 当社は、4月1日にA銀行新宿支店にアメリカドルの外貨普通預金口座を開設しました。8月20日に利子3ドルの入金がありました。外貨預金の利子は、日本円の預金の利子と同様に所得税、復興特別所得税、住民税が源泉徴収されるのでしょうか?また、8月20日の換算レートは次の通りですが、どの換算レートにて換算するのでしょうか?
日本の企業税制 【第22回】「BEPS行動14:紛争解決」
2014年12月18日、OECD租税委員会より公開討議草案「効果的な紛争解決メカニズムの策定」が公表されており、経団連では、2015年1月16日にコメントを提出している。
移転価格課税等による国際的二重課税の解決手段としては、租税条約の相互協議条項に従って、納税者の要請に基づき租税条約締結国の権限ある当局間で行われる政府間協議があるが、合意義務はなく、そもそも、租税条約の中に相互協議に関わる条項が存在しない国もある。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第32回】「租税法の解釈における厳格性(その2)」
租税の賦課徴収に関する実体的手続的規定はすべて国民の代表者で構成されている議会で制定する法律によって定められなければならず、法律の定める要件と手続によってのみ国家は租税を賦課徴収することができる。これは、上記のとおり、憲法の要請するところである。
換言すると、課税範囲を法律によって明らかにすることにより、その範囲内においては国家の課税権行使が適法化されることになる。
また、これを国民の側からいうと、かかる範囲を超えては租税を賦課徴収されない、すなわち財産権を侵害されないということになるであろう。
