貸倒損失における税務上の取扱い 【第26回】「判例分析⑫」
そもそも、事前照会を行うような納税者はどちらかというと保守的に租税法を解釈する納税者が多いため、「社会通念」のような曖昧なもので、かつ、意図的ではないにしても、事前照会で提出した事実関係とは異なる事実関係が知らないところで存在し、それが税務調査で指摘されてしまうリスクを考えると、それに頼った対応というのはあまり望ましくないというのも実態である。それを考慮すれば、子会社の再生において、第2会社方式により旧会社を特別清算するという手法を選択しているケースが多いが、法人税基本通達9-6-1(2)により形式的に判断できるやり方の方が好ましいというのも実態である。
生産性向上設備投資促進税制の実務 【第10回】「各制度の比較」
生産等設備に関する特別償却や税額控除といった税制措置には、本連載で取り上げた「生産性向上設備投資促進税制」(措法42の12の5)のほかに、平成25年に創設された「生産等設備投資促進税制」(措法42の12の2)が存在する。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第21回】「医療費控除の対象となる『医薬品』(その3)」
前回述べたとおり、課税実務は、所得税法73条2項にいう「医薬品」が薬事法からの借用概念であって、かかる「医薬品」が薬事法に示されているものに限るという点に厳格に従っているのである。
そこで関心を寄せるべきは、薬事法が公法であるという点である。この点は、本連載、第16回~第18回(「建替え建築は『新築』か『改築』か?―住宅借入金等特別控除と借用概念―」)においても確認したとおり、公法から概念を借りるという見方については制約があったことを想起したい。
法人税改革の行方 【第4回】「中小企業・同族会社をめぐる論点」
政府税制調査会では、企業規模を見る上での資本金の意義は低下してきており、資本金基準が妥当か否か見直すべきとの意見が出た。しかし、企業規模に関する指標として資本金に代わる有力な指標が明示されたかというと、そうではない。
平成26年度税制改正における消費税関係の改正事項 【第4回】「課税売上割合の計算方法に係る見直し」
課税売上割合の計算において、有価証券等の譲渡については、その譲渡対価の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額に算入することとされているが、債権の譲渡については、その譲渡対価の全額を算入することとされていた。そうすると、債権譲渡を多く行うと、課税売上割合が低下し、消費税納付額の増加につながることとなる。
〈条文解説〉地方法人税の実務 【第7回】「地方法人税『確定申告書』の書き方」
地方法人税の申告書様式については、当初、「地方法人税法施行規則の一部改正」(平成26年4月14日:官報号外第84号)により新設の様式として定められていたが、納税者及び税務署等における事務負担の軽減や地方法人税申告の失念を避けるため、日本税理士会連合会からの要望により、法人税申告書別表1(1)と同一の申告書で行えるよう、様式の改正が行われた。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第9回】「報酬の源泉徴収」
当社は、先日、新製品発表のイベントを開催しました。イベントの開催にあたり、イベント会社に司会者、芸能人、モデル、スタイリスト、カメラマンの手配を依頼しました。
カメラマンにはイベントの模様を撮影してもらい、その写真を社内報や広告に掲載する予定です。司会者、芸能人、モデル、スタイリスト、カメラマンは、全員個人事業主です。
また、報酬は、イベント会社を経由せず、当社から直接支払う契約です。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第9回】「資産調整勘定の計上(東京地裁平成26年3月18日判決)①」
新聞報道で有名であるため、資産調整勘定の計上について争われていたということだけは知っている読者も多いと思われるが、別訴において争われた第1回から第8回で解説した内容と異なり、やや複雑なストラクチャーであることから、否認を受けた理由については、新聞報道だけからは推測し難い。
税務判例を読むための税法の学び方【43】 〔第6章〕判例の見方(その1)
本連載の第1回「第1章「法(法源)の種類」-5「不文法の種類」-②「判例法」」において、判例とは、先例として機能する裁判例のことで、ある事件に対し下された判決の中で示された一般的規準が先例として規範化され、その後の同種の事件においても同じ内容の判決が下されるようになることから、この一般的に承認されるに至った判決(裁判所の判断)を判例(法)という旨記した。