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酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第2回】「馬券訴訟(その2)」~一時所得・雑所得の判定要件~

前回に事案の概略を紹介したとおり、馬券収入が一時所得に該当するとするY(国側)と雑所得に該当するとするX(納税者側)との間で争われたのであるが、国税不服審判所は一時所得に該当するとのYの主張を妥当と判断している。
ここでの問題点は、一時所得に該当することになると、所得金額の計算上控除することができるのが「その収入を得るために支出した金額」とされ、その金額が、「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る」と限定されることにある。
すなわち、仮に、Xが主張するように雑所得に該当するのであれば、その必要経費が控除できることになるところから、その場合にははずれ馬券も控除の対象となり得るという大きな違いが生じるのである。

#No. 29(掲載号)
# 酒井 克彦
2013/07/25

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例4(消費税)】 「合併事業年度の簡易課税制度の判定を納税義務の判定と同じであると思い込み、被合併法人の基準期間の課税売上高で行ってしまった事例」

合併法人である依頼者(以下「A社」という)と被合併法人(以下「B社」という)の合併事業年度の基準期間の課税売上高は、それぞれ800万円と2億円であった。
税理士は、納税義務の判定はB社の2億円で行い、課税事業者と判断した。しかし、簡易課税制度の判定を、A社の800万円ですべきところ、納税義務の判定と同じであると思い込み、B社の2億円で行ったため、原則課税と判断して申告書を作成、提出してしまった。
A社は過去に「簡易課税制度選択届出書」を提出していたため、正しく判定すると、簡易課税制度での申告であった。これを税務署から指摘され、更正処分を受けた。
これにより、原則課税と簡易課税との差額300万円につき損害賠償請求を受けた。

#No. 29(掲載号)
# 齋藤 和助
2013/07/25

雇用促進税制・所得拡大促進税制の実務 ~要件・手続の確認から両制度の適用比較まで~ 【追補】「所得拡大促進税制に係る通達の新設」

平成25年6月27日、国税庁より「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」が公表された。
今回の改正では、平成25年度税制改正で新たに導入された所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除)に関し、新たな通達が設けられている。
そこで本稿では、新設された通達の内容について解説することとし、かねて連載していた「雇用促進税制・所得拡大促進税制の実務」(所得拡大促進税制の内容については、第3回の記事を参照)の補足としたい。

#No. 29(掲載号)
# 鯨岡 健太郎
2013/07/25

「移転価格事務運営要領」の改正について

国税庁は、平成25年6月28日付けで、「移転価格事務運営要領」(以下「事務運営要領」)の一部を改正することを明らかにした。
主な改正項目は、以下の4項目である。
(1) 平成25年度税制改正で認められた営業費用総利益率(ベリー比)を利益指標とするTNMMの適用の留意点について、参考事例集に解説を追加した。
(2) 事前確認の適用報告書の様式が定められた。
(3) 事前確認の報告書の内容の検討の行政手続上の区分を、従来の「調査」から原則として「行政指導」に変更した。「行政指導」に応じない場合には「調査」を実施する(更正により加算税を課す)こととした。
(4) 過大支払利子税制の適用上、関連者支払利子等の額等の計算上、独立企業間利子を超える利子は含めないで計算することを明らかにした。

#No. 29(掲載号)
# 小林 正彦
2013/07/25

相続税対策からみた生前贈与のポイント 【第2回】「貸家を贈与した場合の敷地の評価」

賃貸不動産を多数所有する個人が、所得税の節税対策のため、所得の少ない子に貸家の贈与を行う場合がある。
これは、子に家賃収入を移転させることにより子の財産と収入を増やすとともに、親の所得に対する税率と子の所得に対する税率の格差を利用して親子トータルでの税負担の軽減を図ろうとするものである。
このような所得税対策のため貸家の贈与を行う場合、相続税対策の面からは贈与後の敷地の評価額が問題となる。仮に目先の所得税の軽減が図られたとしても、敷地の相続税評価額が増加し、将来の相続税負担が大きくなるのであれば、実行の是非が問われることになるからである。
そこで今回は、親が子に貸家を贈与し、その敷地を子に無償で使用させる場合の敷地の相続税評価について解説したいと思う。

#No. 29(掲載号)
# 山崎 信義
2013/07/25

鵜野和夫の不動産税務講座 【連載4】「路線価図の読み方(1)」

〔Q〕相続税の路線価が公表され、地価は全国的に見ると5年連続の下落が続いていますが、下落の幅は縮小し、また、都市部では上昇地点も目立つと、7月1日の夕刊新聞で報じられていましたね。
〔税理士〕はい。例年、7月1日頃に公表されていますね。
〔Q〕ところで、3月21日に公表されていた地価公示でも、地価が同じような傾向にあると報じられていましたが、今年の3月から7月にかけて、地価が同じように変動しているということなのですか。

#No. 29(掲載号)
# 鵜野 和夫
2013/07/25

経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第4回】「不動産投資と税金」―借地権の税務―

当社は資本金額1,000万円の内国法人(3月決算)です。このたび、子会社が都内に保有する社有地を賃借し、本社ビルを建築することを計画しています。この取引は、当グループ内での賃貸借取引であることから、権利金は収受しないことにし、地代は近隣相場を参考にした通常の地代とするつもりです。
このような場合の、税務上の取扱いを教えてください。

#No. 29(掲載号)
# 草薙 信久
2013/07/25

税務判例を読むための税法の学び方【15】 〔第5章〕法令用語(その1)

今回より章を新たにし、法令用語について解説する。
「法令用語」と一口に言っても様々ある。立法技術的な表現のために用いられる法律専門の用語で、「立法技術用語」ともいわれるものがある。また、特定の意味内容を持つ用語で法律上一定の意義が与えられている(この意義の与えられ方も、法令により定義付けがなさせている場合と慣習や判例等により意味が与えられている場合とがある)ものがある。
前者の例としては、これまでに紹介した「又は」と「若しくは」、「及び」と「並びに」、「者」と「物」「もの」、「場合」と「とき」「時」、「その他」と「その他の」がそうである。

#No. 29(掲載号)
# 長島 弘
2013/07/25

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載29〕 債務超過の適格分割型分割を行った場合の資本金等の額と利益積立金額の計算(その2)

本誌No.19(2013.5.16公開)に掲載された「債務超過の適格分割型分割を行った場合の資本金等の額と利益積立金額の計算」(以下「その1」という)において、債務超過である分割法人がプラスの純資産を分割型分割により分割承継法人に移転した場合において、分割法人の分割直前の資本金等の額がプラス(つまり、利益積立金額のマイナスを原因として、債務超過になっている状況)であるときの処理について、次の観点から、実務家からの疑問が呈されているとのことでした。
もう少し、具体的に解説して、あるべき姿はどのようなものなのかをご教示いただければ、幸いです。

#No. 29(掲載号)
# 掛川 雅仁
2013/07/25

〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第1回】「申告業務に必要なこと」

平成25年度税制改正において、平成27年1月1日以降に発生する相続については、基礎控除が現行より4割引き下げられることが決定された(以下「相続税増税」という)。
国税庁統計年報によると、平成23年中の相続について、相続税が発生した相続税申告数は全国合計で51,559件となっている(この数値には、相続税がゼロの場合の相続税申告数は含まれていないため、税額が発生しない相続税申告数も含めた相続税申告数は、この数よりも多いことになる)。
相続税増税が行われると、相続税申告数が1.5倍程度に増加すると一般的には言われており、今後、相続税申告案件は増えることが予想されている。

#No. 28(掲載号)
# 根岸 二良
2013/07/18
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