日本の企業税制 【第64回】「電子経済課税に関する動向」
経済のデジタル化に対応した国際的な法人課税のあり方に関する検討が急ピッチで進んでいる。本年6月にはG20財務大臣会合が福岡で開催されるが、そこでは2020年に予定される国際的合意に基づく長期的解決策の取りまとめに向け、一定の方向性を見出し、ゴールに向けた作業計画を策定することとされている。
これからの国際税務 【第11回】「与党大綱の提案する過大支払利子税制の改正」
昨年12月の与党税制改正大綱では、BEPS対応が諸外国で進んでいることを踏まえ、利子の損金算入制限に関し、我が国の過大支払利子税制について、対象純利子の範囲の拡大及び損金算入限度額の算定方法の見直し等により、税源浸食リスクに対応した強化を行う提案がされている。
国際税務関係では、評価困難な無形資産取引について導入される移転価格算定方法(所得相応性基準)と並ぶ重要な改正案であり、以下にその背景と改正内容を解説する。
〔ケーススタディ〕国際税務Q&A 【第10回】「価格改定と寄附金課税」
日本法人である当社は、外国子会社との間の取引価格を見直しました。今般、税務調査によって価格改定は外国子会社に対する利益供与であるとして、寄附金に当たるとの指摘を受けました。どのように対応すればよいでしょうか。
monthly TAX views -No.72-「デジタル課税は今年が正念場」
GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)が昨年暮れの流行語大賞にノミネートされるなど、デジタル経済の発達の下で、プラットフォーマーの影響・プレゼンスが限りなく大きくなっている。
彼らは、巨額の収益をあげながら、タックスヘイブンや低税率国に留保させる行動が国際的租税回避として、税収不足に悩む先進諸国・新興国から大きな非難を浴びてきた。
〔ケーススタディ〕国際税務Q&A 【第9回】「一連の事業活動をグループ全体で遂行する場合の税負担の最適化」
日本法人である当社は、海外(A国)の製造子会社で商品を製造した上で、海外(B国)の販売子会社を通じて各国で販売しています。
グループ全体での税負担を最適化するために留意すべき点について教えてください。
これからの国際税務 【第10回】「ポストBEPSにおける『税の安定性プロジェクト』の進捗」
BEPSプロジェクトの成果物は、国際課税ルールの間隙をついて二重非課税の便益を不当に得ている多国籍企業をターゲットにした各種処方箋であり、BEPS防止措置実施条約の締結や移転価格税制の改正などがその具体例である。
しかし、近年はBEPSプロジェクト以前から、二重課税事案の解決のための相互協議が増加しその解決が遅延していることが問題視されていたことから、新規の処方箋については、その解釈・適用の如何によっては新たな二重課税リスクを追加し、納税者・当局の双方にとって予測可能性をさらに弱めることが懸念されていた。
〔ケーススタディ〕国際税務Q&A 【第8回】「外国法人に支払った特許ライセンス使用料に係る源泉徴収の検討」
日本法人である当社(製造メーカー)は、外国法人であるA社から、同社が日本において保有する特許権についての実施権(ライセンス)の設定を受けました。
この場合の税務上の留意点について教えてください。
〔ケーススタディ〕国際税務Q&A 【第7回】「低税率国の子会社に係る課税リスクの検討」
日本法人である当社は、海外に子会社を有しています。現地の税率が日本よりも低い場合、子会社の所得が親会社の所属に合算されて課税される制度があると聞きましたが、その概要と留意点について教えてください。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第41回】「双輝汽船事件」~最判平成19年9月28日(民集61巻6号2486頁)~
X社は海運業を営んでおり、パナマにて100%子会社Aを設立した。しかし、パナマにはA社の事務所はなく、運営は全てX社が行っていた。そして、A社名義の資産・負債、損益は、全てX社に帰属するものとして、法人税等の確定申告を行っていた。
ある事業年度において、A社において欠損が発生したため、X社は、従前どおり、これも自らに帰属するものとして、法人税等の確定申告を行った。これに対し、Y税務署長は、A社は特定外国子会社等(租税特別措置法66条の6第1項・第2項)に該当するが、同条は、A社での欠損をX社の損失に算入することを認めていないとして、X社に対し更正処分を行った。そこでX社が処分の取消しを求めて出訴したのが本件である。
これからの国際税務 【第9回】「税の透明性プロジェクトと金融口座情報の自動的交換」
本年7月にブエノスアイレスで開催されたG20財務大臣等会合共同声明では、税源浸食・利益移転(BEPS)プロジェクトの勧告内容の実施と並んで、「2018年中に税に関する金融口座情報の自動的情報交換」を予定通り実行すべきと勧告した。
非居住者に係る金融口座情報(氏名・住所、納税者番号、口座残高、利子・配当等の年間受取総額等)は、「共通報告基準(CRS)」と呼ばれるフォーマットに従い、本年末までに多くのタックスヘイブンを含む102の国・地域によって、相互に居住地国当局に対し第1回目の交換が実施されることが合意されていたが、その実現に向けた政治の強いコミットメントが公表されたのである。