解説

税務分野に関する制度解説および実務論点を体系的にまとめたカテゴリです。法人税・所得税・消費税・相続税・国際課税など主要税目ごとの取扱い、条文の趣旨、通達や裁決事例の解説まで幅広く掲載しています。税制改正の背景や制度の考え方を整理しながら、実務対応のポイントや留意点についても分かりやすく解説しています。各税目別カテゴリとあわせてご覧いただくことで、より体系的に理解いただけます。

4520 件すべての結果を表示

事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第72回】「複数の価格で行う外部株主からの株式集約」

私は、Y社の代表取締役を務めるCです。当社は、私を含む取締役4名と古参の従業員3名が、創業者(A氏の父)からY社株式を低廉な価格で譲り受ける形で非同族承継を行っており、7名で総株主の議決権の55%を保有しています。
先日の定時株主総会終了後、創業家株主のA氏から株式の買い取り要請を受けました。A氏は当社の筆頭株主ですが、会社経営には関与しておらず、総株主の議決権の25%しか株式を保有していません。役員・従業員が協力して55%の議決権を保有している私たち経営陣から見ると、A氏は少数株主であり、株式を買い取るとしても少数株主に見合った比較的低廉な対価しか支払いたくないと考えています。

当社は純資産が10億円、発行済株式総数10,000株(一株当たり純資産価額100,000円、配当還元価額1,000円)の会社ですので、A氏の純資産価額による持分は2億5,000万円になります。自己株式として取得することを想定しているため、A氏から「税引後の手残りを1億円にするために、2億円程度で買い取ってほしい」との要望を受けています。

顧問税理士に確認したところ、当社には議決権の30%以上を保有する「同族株主」がいないため、15%以上の議決権を有するA氏から自己株式を取得する場合は、純資産価額や類似業種比準価額を用いた原則的な評価方法により算定した価格で取引しないと、想定外の課税がなされてしまう可能性があるそうです。

また、個人間売買であれば税務上の評価額と売買金額の差額が贈与となるため、低廉な価格で取得してもA氏に課税関係が生じることはないようですが、各取締役の議決権割合が15%以上になると買主側に課税関係が生じてしまうため、取締役が株式を取得することは避けてほしい、とのアドバイスでした。

当社としては、最大限譲歩した場合でも1億5,000万円までしかお支払いできないと考えていますが、A氏からの要請に応じて2億5,000万円で自己株式を取得するしか方法がないのでしょうか。

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#No. 648(掲載号)
# 太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会
2025/12/11

〔実務で差がつく!〕相続時精算課税制度Q&A 【第4回】「特定贈与者である父と母から贈与を受けたその年の中途で父が亡くなった場合の相続税及び贈与税の課税価格に加算される贈与財産の価額」

子Cは、令和7年2月に特定贈与者である父Aから現金2,000万円の贈与を受け、同じく特定贈与者である母Bから令和7年7月に株式200万円の贈与を受けた。
その後、令和7年8月に父Aが亡くなった。
子Cは過去に父A、母Bいずれからの贈与にも相続時精算課税制度を選択している。
この場合に、父に係る相続税の課税価格に加算する金額、母からの贈与に係る贈与税の課税価格に算入される金額はどのようになるのか。

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#No. 648(掲載号)
# 徳田 敏彦
2025/12/11

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第85回】「オウブンシャホールディング事件 (地判平13.11.9、高判平16.1.28、最判平18.1.24)(その1)」~法人税法22条2項の「取引」の解釈~

株式会社における新株発行手続きは、私法上の法律関係から見ると「発行法人」と「新株引受人」の「取引」である。しかしながら、一定の新株発行手続きには株主総会の決議を要するため、決議に参加する「既存株主」も間接的に取引に影響を与える。
本事案は、既存株主に株式価値の希釈化が生じる新株発行(有利発行による第三者割当増資。以下「非按分的有利発行増資」又は、文脈により「同増資」)が行われ、これによって生じた既存株主から新株引受人への「持分の移転」ないし「株式価値の移転」に対して、支配関係にもとづく「合意」を認定し、かかる合意が法人税法(以下、単に「法」)22条2項にいう「取引」に当たるとして、既存株主に課税した事案である。

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#No. 648(掲載号)
# 中野 洋
2025/12/11

国際課税レポート 【第21回】「多国籍企業課税制度と課税ベース」~ワールドワイドvsテリトリアル~

以下では、各国の具体的な制度として、米国のSubpart F、日本のタックスヘイブン対策税制(CFC税制)、OECD Pillar 2(IIR)、米国のGILTI及びその後継制度であるNCTI(いわば新CFC税制)を取り上げ、これら多国籍企業課税ルールの設計について整理し、今年6月にG7が合意したPillar 2と米国制度の“共存” (※)の多国籍企業課税制度における本質を探ることとする。

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#No. 648(掲載号)
# 岡 直樹
2025/12/11

monthly TAX views -No.154-「繰り返される金利・成長率論争」

高市総理は、衆議院予算委員会での答弁で、単年度プライマリーバランス(PB)黒字化目標の見直しを明言し、目標の確認サイクルを複数年度に変える旨発言した。
背景には「名目成長率(g)が国債金利(r)を上回る状況を維持できれば、債務残高の対GDP比は自然に安定する」という考え方がある。事実、高市総理は記者会見で、「名目成長率が金利より高ければ(g >r)財政は自然に安定するので破綻はしない」と発言している。これはリフレ派の主張でもある。
問題は、「そのような前提が現実に続くのか」という点である。

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#No. 647(掲載号)
# 森信 茂樹
2025/12/04

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例81】「外国為替の売買相場が著しく変動した場合の外国為替換算差損の損金性」

さて、今般、その際に行った外貨建社債の円換算により生じた損失の損金計上につき、現在受けている国税局の税務調査で問題となっております。すなわち、当該外貨建社債については、外国為替の売買相場が著しく変動したため、わが社は期末換算差損につき損金算入を行ったのですが、調査官は、当該外貨建社債については、デリバティブ取引により繰延ヘッジ処理がされており、為替変動のリスクがヘッジされていることから、損金算入は認められないと主張しております。損失が生じているのに損金算入されないという主張は理解できないのですが、税法上どう考えるのが妥当なのでしょうか、教えてください。

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#No. 647(掲載号)
# 安部 和彦
2025/12/04

《税務必敗法》 【第7回】「振替伝票を削除した」

X会計事務所は、顧問先であるA社の記帳代行を行っている。ある日、所轄税務署の税務調査が入った。所轄税務署は、会計帳簿について電子データでの提示を希望したため、担当税理士はA社の同意をとったうえで会計ソフトのバックアップデータを提出した。なお、A社の帳簿は「優良な電子帳簿」には該当していない。
後日、調査官から連絡があった。内容は「振替伝票の一部が削除されているが、その理由を教えてほしい」ということであった。
X会計事務所内で調査したところ、入力担当職員が、仕訳を訂正する際、誤った仕訳が入力された振替伝票を削除し、新しい振替伝票に正しい仕訳を入力していたことが発覚した。

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#No. 647(掲載号)
# 森 智幸
2025/12/04

金融・投資商品の税務Q&A 【Q100】「不動産セキュリティトークンからの配当金」

私(居住者たる個人)は、不動産に投資するセキュリティトークン(デジタル証券)を保有しています。償還期限までの間に年に2回の配当が支払われることが予定されていますが、この配当は確定申告が必要でしょうか。
なお、この不動産セキュリティトークンは、税務上、特定受益証券発行信託に係る受益権に該当し、証券会社の一般口座で保管しています。

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#No. 647(掲載号)
# 西川 真由美
2025/12/04

租税争訟レポート 【第82回】「重加算税「取締役及び従業員による不正と重加算税賦課決定処分」(第1審:仙台地方裁判所令和5年12月25日判決、控訴審:仙台高等裁判所令和6年6月4日判決)」

原告は、昭和27年10月27日、電気工事、照明工事、機械設備工事、プラント工事、土木工事、建築工事等の設計、施工及び保守、管理等を目的として設立された資本金1億円の株式会社である。
原告は、土木工事業を営む訴外株式会社A(以下「A社」という)に対する土木工事の外注費について、平成24年9月期から平成29年9月期までの事業年度(本件各事業年度)の法人税、復興特別法人税及び地方法人税の計算上、これを損金の額に算入するとともに、平成24年9月課税期間から平成29年9月課税期間(本件各課税期間)までの消費税及び地方消費税の計算上、仕入税額控除を適用して申告した。
これに対し、仙台北税務署長は、申告されたAに対する外注費の一部は、原告の従業員であった甲、乙、丙及び丁、並びにA社の代表取締役である戊らが行った工事代金の水増し請求によるものであり(以下、この水増し請求に係る甲らの行為を「本件不正行為」という)、当該外注費のうち水増し金額分(本件外注費水増し分)は、役務の提供を受けた対価であるとは認められないから、これを損金に算入することも、仕入税額控除を適用することもできず、法人税の計算上、本件不正行為により生じた損失は、本件各事業年度の損金に算入され、当該損失に対応する損害賠償請求権は、当該損失が生じた事業年度の益金に算入されることになるなどとして、下記の処分(本件各更正処分等)を行った。
本件は、原告が、本件各更正処分等を不服としてその全部の取消しを求める事案である。

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#No. 647(掲載号)
# 米澤 勝
2025/12/04

〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第59回】「租税条約における「一方の締約国の居住者」該当性と恒久的施設帰属所得の算定」

租税条約にいう「一方の締約国の居住者」とはどのような者をいうのでしょうか。

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#No. 647(掲載号)
# 霞 晴久
2025/12/04
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