谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第9回】「国税通則法12条(~14条)及び22条」-書類の送達と提出-
送達とは、「訴訟上の書類を一定の方式により当事者その他の訴訟関係人に了知させることを目的とする裁判権の作用」(角田禮次郎ほか編『法令用語辞典〔第10次改訂版〕』(学陽書房・2016年)501頁)をいうが、国税通則法はこれに「準じた送達の規定」(同頁)を定めている。すなわち、12条で「書類の送達」の通則について、13条で「相続人に対する書類の送達の特例」について、14条で書類の送達ができない場合の「公示送達」についてそれぞれ定めている。
〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第21回】「課税事業者が適格請求書発行事業者の登録申請書を提出しなかった場合」
当社は消費税の課税事業者です。適格請求書発行事業者については、まだ、事業者の多くが登録をしていないようなので、当社としてもどうするべきか迷っています。
このまま当社が適格請求書発行事業者の登録をしなかった場合、当社の売上先にとっては免税事業者から仕入れをしたのと同じ扱いになるのでしょうか。
〈徹底分析〉租税回避事案の最新傾向 【第3回】「第三者間の非時価取引」
一般的にM&Aは第三者間取引であることから、その間で合意された価額は時価と推定されるため、寄附金又は受贈益の問題が生じるはずがないように思われる。ただし、実務上、第三者間取引であっても、非時価取引であると疑われる事案も想定される。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第48回】「負担付贈与・負担付遺贈の課税関係」
私A(85歳)は賃貸用不動産を所有しています。妻には先立たれ子供は2人います。
かねてより日常の身の回りの世話をしてくれる娘B夫婦には感謝していて、娘婿C(法定相続人ではない)からは資産運用等についてアドバイスをもらっていますので、賃貸用不動産及びその不動産が担保となっている銀行借入金を娘婿へ承継したいと思っています。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第63回】「貸付事業用宅地等の特例と個人版事業承継税制との有利選択」
甲は個人事業主で事業を行っていましたが、令和4年11月30日に相続が発生しました。甲の相続人は、長男である乙と二男である丙の2人となります。相続後、甲の個人事業は乙が承継しています。乙及び丙が下記のとおり甲の財産を相続した場合において個人版事業承継税制を優先的に適用した方がいいのか、それとも小規模宅地等に係る貸付事業用宅地等の特例を優先的に適用した方がいいのか、どのように判断すればよいのでしょうか。
〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務 【第20回】「審判官経験者から見た税理士代理人の特徴」
これまでの回で解説したように、審査請求人には自らの主張立証活動に資するための各種権利が認められており、その行使をすれば、担当審判官は基本的にはそれを拒むことはできない。
しかし、これらの権利を経験上行使しない審査請求人の割合が高く、必要がないから敢えて行使しないのではなく、代理人も含めた不服申立制度の理解不足によって行使しないと思しきケースもある。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第82回】「税理士による隠ぺい・仮装事件」~最判平成18年4月20日(民集60巻4号1611頁)~
A(税理士)は、税務署の説明より譲渡所得に係る税額を低額に抑えられると述べた上、Xから、所得税の確定申告の委任を受けた。しかし、Aは、税務署に対し、譲渡所得は生じず税額は0円である旨の虚偽の確定申告書を提出の上、Xから受領した納税資金を横領した。
monthly TAX views -No.119-「いつまで住民税非課税世帯基準を使うのか」
新型コロナウイルス感染症に関連して様々な給付金が支払われている。最近では、1世帯当たり10万円の「臨時特別給付金」、電力、ガス、食料品などの価格高騰に対する支援として1世帯当たり5万円の「緊急支援給付金」がある。問題は、これらの給付の対象者が、「住民税非課税世帯」というアナクロ的な基準によって判断される点だ。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第6回】
棚卸資産を譲渡した場合には、総収入金額から、これに対応する売上原価等を控除して、所得を算出する(所法27、36、37)。
棚卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法について、所得税法47条は、要旨次のとおり定めている。