《速報解説》「特定事業継続力強化設備等の特別償却(中小企業防災・減災投資促進税制)」に関する通達が新設~事業者の判定・取得価額の判定等、適用要件の詳細が明らかに~
令和元年(2019年)9月11日、各国税局長及び沖縄国税事務所長に対して、国税庁長官名で「租税特別措置法関係通達(法人税編)等の一部改正について(法令解釈通達)」が通達された。
この中で、令和元年度税制改正において創設された「特定事業継続力強化設備等の特別償却制度(中小企業防災・減災投資促進税制)」に関する通達が新設されている。ここでは、その内容について解説する。
日本の企業税制 【第71回】「各府省庁の「令和2年度税制改正要望」を概観する」
8月末に、各府省庁から令和最初となる令和2年度税制改正要望が出揃った。
今回の要望項目数は、単純合計で、国税196項目、地方税191項目、重複排除ベースで、国税141項目、地方税141項目であった。なお、廃止・縮減項目数は単純合計・重複排除ベースともに、国税2項目、地方税3項目であった。
これからの国際税務 【第15回】「デジタル経済下での市場国課税権の拡大」-過去の移転価格ルール改定からみた作業計画の本質-
デジタル経済への国際課税ルールについては、去る6月のG20サミットで、市場国の課税権を拡大する方向での作業計画への支持が表明され、2020年の最終報告に向けOECDでの細部の検討が行われている。
本稿では、課税権の配分に関し市場国の発言権が拡大してきた沿革を振り返り、今回のデジタル経済対応を契機とした課税ルールの見直しは、突然出現したものではなく、これまでのルール改定のトレンド、特に独立企業原則の下での移転価格ルールの見直しの延長線上に位置づけられることを確認するものである。
相続税の実務問答 【第39回】「第二次相続があった場合の相続税の申告期限」
伯父Aが、平成29年4月に亡くなりました。Aの相続人はAの子Bのみでしたが、Bは熟慮期間内である同年7月に相続放棄の申述をし受理されたとのことです。Aの両親は既に他界しているためAの弟である私の父CがAの相続人になりました。ところが私の父は、Bとは疎遠だったこともあり、BがAからの相続を放棄した事実を知らないまま同年9月に亡くなってしまいました。父Cの相続人は私だけです。
今年(令和元年)8月1日に、Aが取引をしていた地元金融機関から、突然、私宛にAの借入金について返済の督促状が送られてきたことから、父Cが伯父Aの相続人となり、その地位を私が承継することとなったことを知りました。
そこで調べてみると、Aは地元金融機関から借入れをしており、Aの相続開始時点では約1,200万円の残高のあることが判明しました。一方、伯父Aの財産としては、伯父が事業を廃業した後そのまま放置されていた工場建物及びその敷地(相続税評価額2,000万円)、ごみが不法投棄されている山林(相続税評価額800万円)があることが分かりました。また、BがAの死亡保険金3,000万円(みなし相続財産)を受け取っていることも判明しました。
私は、被相続人Aに係る相続税の申告をしなければならないのでしょうか。申告をしなければならないとすると、その申告期限はいつになるでしょうか。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第6回】「M&A後の出向に係る税務上の留意点」
当社は成長戦略の一環で、M&Aを活用して事業を拡大しています。M&Aの終了後、新たに子会社となった対象会社へ従業員を出向させ、現場の役員として指揮・管理を担わせます。これはグループ全体の業務効率化と経済活動の活性化を狙いとするものです。
また、従業員を出向させた際、当社は相手先企業から出向負担金を受け入れます。この場合の留意点を教えてください。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第12回】
法人税法22条2項は、当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、「資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引」で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額としている。
「資産の譲渡又は役務の提供」の前には「有償又は無償による」という語が置かれている。「資産の販売」の前には「有償による」という語が置かれていないものの、棚卸資産の譲渡としての「資産の販売」を意味していると解されることから、また、「販売」という語が与える語感からしても、ここでいう「資産の販売」は有償であることを当然の前提としていると解される。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第80回】「シャウプ勧告から読み解く租税法解釈(その2)」
以下、判決を素材としてシャウプ勧告が租税法上の解釈に如何なる影響を及ぼしているか、具体例を挙げながら考察を加えることとしよう。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第9回】「多額の資本金等となる場合の合同会社の利用」
私Xは、父親から引き継いだ建設業を経営してきました。今後は同族による経営を維持していくのは難しいので、利益の出ているうちに現金化した方が良いと考え、先日、私が所有するすべての株式を投資ファンドに40億円で売却しました。この譲渡に係る所得税を支払った後は、約30億円が手元に残る予定です。
私は50代で、今後の人生を考えると引退するには早いし、2人の子もまだ高校生と中学生なので、親が働かない姿を見せるのは教育上良くないと考えています。したがって、今後は手元にある30億円を使って不動産事業を行おうと考えており、将来はその事業を子供に引き継いでいくつもりです。
不動産事業は当面私1人で運営しようと考えていますが、個人名義ではなく法人名義で事業を行いたいと思っています。ただ、私には法人を設立した経験がなく、将来の子どもたちへの事業承継に備えて、どのような点に注意すればよいでしょうか。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第51回】「相続税延滞税事件」~最判平成26年12月12日(集民248号165頁)~
亡Aの相続人である3名の子のうちB以外のX1・X2は、申告期限内に相続税の申告をし、それとともに、X1は4,185万円、X2は4,556万円を納付した。その後、X1・X2は、相続財産である土地の評価額が時価より高いことを理由として更正の請求をした。
所轄税務署長は、更正の請求の一部を認め、X1の納付すべき税額を3,035万円、X2の納付すべき税額を3,353万円とする減額更正をして、これに基づき必要な還付を行った。X1・X2は、当該減額更正における土地の評価額はなお高いとして、異議申立てをしたが、所轄税務署長はこれを棄却した。
その後、所轄税務署長は、異議申立て棄却の際の土地の評価額の見直しによれば、減額更正時の評価額は時価よりも低かったとして、X1の納付すべき税額を3,071万円、X2の納付すべき税額を3,391万円とする増額更正をした。
X1・X2がこれに従い増差本税額を納付したところ、所轄税務署長は、X1・X2に対し、相続税の法定納期限以降の延滞税の納付を催告する催告書を送付した。そこで、X1・X2は、延滞税の納付義務がないことの確認を求める訴えを国に対して提起した。
